このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

#hpmiプラスまとめ(201811)

彼女に振り回されてしまい、デートプラン通りに過ごせない!

2018/11/13 17:20
1️⃣「待って。マジで待って。俺今日のためにめっちゃプラン練ってきたわけ。ねぇ、わかる?」何処かへ行こうとした彼女の腕を捉え、ついキツい口調で言ってしまった。だってそうだろ、喜びそうな場所、一緒に行きたい店。加えてお持ち帰りの算段まで立ててきたというのにこれでは、余りにも浮かばれない。「……悪りぃ、俺帰るわ」彼女の手を放し、自己嫌悪に陥りながらぼんやりと帰路へ足を向けた。前に回り道を塞ぐ彼女。謝罪をしているが本当に反省してんのか?という気持は拭えない。「じゃあ……キスして」子供染みた要求はいとも容易く飲まれ目を丸くする。言うこと聞く、と述べた彼女に、今度は此方からキスをした。

2️⃣「なあ、そろそろ飯にしよ?」午前中のプランは全滅したけれど、ランチで挽回して午後は俺のターン!…そう思っていたが、予定していた店には行かせてもらえず溜息。楽しくないのかと聞かれ、つい「だってお前、俺のプランガン無視なんだもん」などと項垂れてみせた。気持ちの無い謝罪を受けたが結局、一緒に居られれば満足なので許してしまう。「俺も甘いな」と自惚れるように呟けば、こちらをジッと見つめる彼女が目に入った。「……なに?」不安ながらも問うた。二郎は優しいねと優しい声。聞けば、奔放な性格が災いし、デート中にうんざりされそこでフラれ…を繰り返してきたらしい。歴代の彼氏達の気持は痛いほどわかった。「じゃあさ…午後は俺に任せてくれる?」

3️⃣「……ちょっと。勝手すぎません?」“デートプラン、台無しなんですけど”と言うのは我慢した。謝られたところで煮え切らず、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべてしまう。口から出たのは「別にいいです」という可愛げも気遣いも一切ない、性格の悪さだけが前に出た言葉だった。帰る?と、彼女に気を遣われてしまう始末。「……か、帰らない…」折角のデートを途中で切り上げるなど以ての外だ。ここからどうにか挽回を…こんな時、兄達のように気さくに振る舞えれば。好まぬはずの次兄の顔さえ思い浮かぶ。「あー……次、どこ行きたいです?」気の利かない言葉を述べて、彼女に選択してを委ねてしまった。情けなさに瞳が揺らぐ。彼女は手を取り、じゃあ行こうと軽やかに歩き始めた。気にしていないのか、気を遣っているのか。イマイチ判然としないが、少なくとも救われはした。


🐴「浮かれてんのはわかったから、そろそろ大人しくしろ」別の店へ!と足を踏み出した彼女の腕を掴み引き留める。不満げな表情を浮かべるものだから、黙れと言わん ばかりに唇を塞いだ。往来など構うものか。驚きのあまり押し返された胸元は少しだけ痛んだ。「……ふらふらと危ねぇんだよ。掴まってろ」そう言って手を差し出したが、彼女が選んだのは腕のほう。嬉しそうに腕を絡め、まるで恋人のように嬉々として歩く。…否、恋人なのだ。こんな風に昼の街を歩くのはいつぶりだろう。恋人と街を歩くのもいつぶりだろう。碌な恋愛をして来なかった…そう脳裏をよぎった。過去の記憶などは瞬時に捩じ伏せる。一応コースは考えていたが、きっとこのまま彼女の好きに歩かせた方が自身も楽しめるだろう。「ほら、次どこ行くんだ」

🐰「もう少し落ち着いていられねぇのか」青筋を立て呟いた。彼の怒りなどお構いなしに、彼女は好き勝手歩き回る。今日、手錠は持ってきていただろうか。我慢は限界だった。気付けば視界に彼女は居ない。“やっちまった”と青ざめる。こういう時は…いつも通りナンパだ。治安の良いとはいえないこのエリアで、気合いの入った身形をしていればすぐにこれ。溜息を吐き男に声を掛ける。「……おい。悪い事は言わん、その女の事は諦めろ」極力、当たり障りのない口調を選んだはずだが、肩に置いた手には否が応にも力が篭る。ヒッと小さく声を出し逃げていった男と、気まずそうな彼女と、無表情の彼。ごめんなさいと告げられたので、その口を塞いだのち自宅へと連れ帰った。「いい加減学べ。あと……ああいう顔、外ですんな」まるで、ベッドの上のようだったから。

🐦「……そろそろ小官の願いも聞き入れてもらえるだろうか」辺りは暗くなり、もう帰ろうかというところだった。一日中彼を振り回し、自分だけが楽しんだ自覚はある。けれどつい、浮き足立った感情の言いなりになってしまった。謝ろうと開きかけた口には舌が捻じ込まれ、その先を言うことは叶わない。「良ければ、アジトまで来て欲しい」足元は、防御力は低く攻撃力の高いヒール。この足では…と断る間も与えては貰えない。背中にと促され、昼間の事を反省したばかりの彼女は抗えなかった。重くないかと問うても無駄だ。彼女のことくらい軽々と背負えてしまう男だから。頂上に着きひと息。何もしていないがやはり澄んだ空気は気持ちが良い。「……ここへ」示されたのはテントの中。抱かれる…と構えたが予想は外れる。「今日は流星群のピークだ。○○と一緒に…見たくてな」頬にそっと唇が触れ、指を絡め空を見上げた。


🍭「ねー。楽しいんだけどさぁ、楽しいんだけどね……とっておきのデートプランが勿体無いからいい加減にして!」言われて気付くほどに彼を連れ回していたことにハッとする。ごめんと言って手を取った。「まあ…いいけど」そう言って彼とっておきのデートがスタートする。行く先々が彼女好みで、如何に考えてくれたのかを実感した。連れ回してしまった自身の自己中心性を振り返り情け無く思う。「どうかした?」クレープを食べながら彼は問う。先までの自身の行動を謝れば、軽く笑われ終わりにされた。なんだかんだで心が広い彼の隣にいると、自身の不甲斐なさを忘れてしまいそうだ。「あ、クリーム付いてるよ」口の端に唇が触れ赤面すれば「ウッソー☆」などと無邪気に笑う彼。愛しい以外に何と形容しよう。

📚「あの……ちょっと…小生もう……息が…………」態とらしく疲れてみせ、彼女の気を引いた。安直な作戦は成功。彼女は駆け寄ってくる。もうギブ?などと言いながらもカフェを探し一休み。「小生、一応考えて来ていたのですよ?デートコース」珈琲をひと啜り。口内に広がる苦く芳ばしい香りが心を落ち着かせる。嘘でしょう?と問われたが否定も肯定もしない。今から案内しろと言われても、軽く流されたとしても堪えるから。「それより、この後はどうします?」カップの底はもう透けて見えている。そろそろ、行く先を決めてもらわないと。だが彼女は彼に予定を決めるよう言った。“プランがあるのでしょう?”と言わんばかりの瞳で見つめられては逃げられまい。「……はぁ。わかりました。その代わり、つまらないなどとは言わないで下さいね」自信はないけれど、まあどうにかするとしよう。得意の口八丁で。

🎲「人のこと言えねえけどよぉ、お前って落ち着きねぇよな」熱のない一言が妙に突き刺さった。振り向けば、わかりづらいが彼は不機嫌な表情。「……俺今日…行くとこちゃんと考えて来たんだけど」理由はそれか。たしかに、自身が折角用意したプランが無為にされては、誰だって良い気はしないはずだ。謝ったが以前彼は不機嫌なまま。手を取ったが振り払われた。そんなに怒る?と思いながらも口には出せない。非は自身にあるから。無言の時が暫し流れ、「…俺も……ごめん…ガキっぽかったわ」と彼の方から手を取られた。指は緩々と絡む。ここで気付いたが、行き先がパチンコや競馬場だったらどうしてくれよう。彼のことは愛しいが、それらを楽しめる自信はない。「あ!お前、行き先心配してんだろ!ダ〜イジョブだって!乱数が考えたやつだから!」“考えて来た”と言っていたはずだが、はて。


💉「おじさんを連れ回して楽しいかい?」腕をぐいと捕まれ耳元で囁かれた。飛び上がるほどに驚けば「やりすぎちゃったかな?」などと少し満足げに彼は微笑んだ。「たまには私の行きたい所に付き合う気はない?」言われてみれば確かにそうだ。今までも、彼が文句を言わないのをいいことに自身の行きたい場所ばかりに足を運んできた。気付いてしまえば無性に恥ずかしく、歳上の彼に如何に甘えていたのかということを実感した。謝罪を述べれば「じゃあ、私に付き合ってくれる?」と手を取られた。黙って付いていけばそこは、自分では到底手の届かぬ宝石店。一瞬躊躇ったが、されるがままに入店した。「今日は君とのペアリングを作ろうと思って。ダメかな?」首を振れば綻ぶ口許。「これで少しは大人しくしてね?」

🍸デートプラン決め。彼女の行きたがる場所は何処も人気のスポット。「ちょーい待った!俺っちそんなとこ行けませーん!女の子だらけじゃん!無理!死んじゃう!だからぁ……俺っちが行けるとこ、行こ?ね?」お家デートばかりは飽き飽き。彼とて外で絆を深めたいことは同じだ。だが行ける場所は酷く限られている。カップル達に人気の場所は、まあ到底無理だ。パソコンを2人で覗き込み、あれもダメこれもダメを繰り返す。「……ごめん」彼は忽ち元気を無くしたが、そんなのは初めからわかっていたことだから気になどしていない。そして彼はおずおずと切り出した。「あんね?俺っちいい事思い付いたんだけど……旅行、行くとかどうかな?」それは結局室内ではあるが、確かに折衷案としては最適かもしれない。行き先の決定もまた揉めるのだろうけれど、いつもと違う空間での“2人きり”は楽しみだ。

👔「おい……いい加減…………休ませてくれ…」あっちへふらふら、こっちへふらふら。追い掛ける方の身にもなってほしい。思わず膝に手を付き息を整える。少し先の店を眺めている彼女の元へのろのろと歩を進めた。今日は連れて行きたい場所があったのに…と考えれば表情は曇る。それを察した彼女は、どこか行きたい場所でもあるのかと問うてきた。「……あー…あの……いや、大丈夫」少し投げやりになってしまったが、どうも運良く伝わり損ねたらしい。「それより次はどこ行くんだ?あ、もう少しゆっくり歩いてもらえると助かる」無理はしていないが満足でもない。これもまた悟られてしまい、彼女は帰ると言い始めた。日々疲れ果てている彼には、確かに街よりも家の方がずっと有り難い。けれど。今日ばかりは外で過ごしたい理由があった。「今日……ちょっとだけ高い店予約してる、から……夜、そこ行こ?」予約しているのならば先に言うよう少し怒られた。だが店で過ごしたその先を考えれば、忽ち鼓動は高鳴るのだから身体は正直だ。

コメント

コメントを受け付けていません。