1️⃣「これはアレしかないっしょ……え？そりゃあ…上書きってやつ」漫画の読みすぎ、と言いかけた唇は敢え無く塞がれた。酸素を求め肩を叩けば満足そうに「……こんくらいにしとこっか」と頭を撫でる彼。もういいの？なんて煽ってみればまんまと再び熱いキスをしてくれた。

2️⃣「やだ。事故でも無理」涙目じゃん、とびっくり。そういうの気にするんだ、とか言ってやりたいところだが…こうも落ち込まれては揶揄いようもない。先の事故は軽く触れただけだったが、彼にはしつこいほどに甘いキスをしてやった。「別に落ち込んでねぇけど……もっかい…して」

3️⃣「べ、別にキスくらい…外国じゃ挨拶みたいなもんでしょ」赤い顔をしながら目を逸らした彼はどことなく余所余所しい。そんな態度は悲しいし腹が立ったので、自ら唇を奪いにいった彼女。忘れさせてほしいと告げれば「すぐに忘れちゃいますよ」と何度も何度も、啄ばむように口が触れ合った。


🐴「ちょっと頭冷やしてくるから…お前もさっさと忘れろ。いいな」こんなにも堪えるものなのかと外をふらふら。煙草を一本消費した程度で自宅に戻った。彼女の顔を見るなり唇を奪い、自身の香りで充していく。彼女の口内も脳内も、彼のことでいっぱいだ。「……もう俺様のことしか考えんな」

🐰「あー……正直言って…妬いた」眉間に寄せられた皺が彼の気持ちを鮮明に表した。自分が悪いわけではないが、思わず謝ってしまう彼女。「お前は悪くねぇだろ」そうして塞がれた唇。舌が入り込みイヤラしく絡まり合う。吐息の触れ合う距離で「やっぱお前、最高だわ」と彼の口角が上がった。

🐦「小官以外の男の味はどうだった？」その言い方は少しばかり悪意が強くはないだろうか。思わずムッとして、偶にはいいかもなどと減らず口を叩く。何も言わずして奪われた唇。全く以て解放する気のない彼の両腕。「…小官の味はどうだ」支えられていなければ覚束ない身体こそが答えだ。


🍭「んー。ブチ切れそう☆」そんなに妬くタイプだったかと疑問に思うが、それ程に愛されているのだと前向きに捉えることにした。襟首を掴まれ縮まる距離。長い睫毛に見惚れてしまう。「事故だろうがなんだろうが、他人の味が残ってるとかヤダ」そうして口内は忽ち、彼特有の甘い味に侵された。

📚「小生は〜別に気にしてなどいないですよぉ？」張り付いたような笑顔を浮かべ人差し指で髪をくるくる。如何にも気にしているではないか。お腹にぎゅっと手を回せば「何です？」と猫撫で声。顔を上げキスを強請った。「……やれやれ、仕方なのない子だ」と言う割に、満更でもないくせに。

🎲「っざけんなよマジで。ハプニングでも相手は俺だろ！」怒るポイントが違う気もするが、彼なりに頭にきてはいるようだ。そんな風に思って貰えたことが嬉しく笑みを溢す彼女。「ンだよ…もしかして思い出してニヤニヤしてんの？」ムスッとした表情の彼は乱暴に唇を重ね、苦しくなる程のキスをお見舞いしてくれた。


💉「口腔内の消毒は済んだかな？」うがい薬を渡され洗面所へ。後ろから包み込むように腕を回した彼は、口の端に付着した水滴をわざとらしく指で拭う。その指はそのまま唇をなぞり、彼の舌が入る隙間を作るよう促しそっと抉じ開けた。潤んだ瞳で見上げれば「続きも欲しいのかい？……悪い子だ」と更に甘いキスが何度も降り注ぐ。

🍸「ハプニングだもんねー。しょーがないよねー」そう唱えながら部屋をふらふら。落ち着きのない様子で自身に“ハプニング”と言い聞かせる彼。ふと意を決した様子で彼女に近寄り「こ、これも…ハプニングだから」とソファに押し倒す。上書きのキスをしようとしているのになかなか出来ない彼へ“頑張れ”と心の中でエールを送った。

👔「俺よりさぞ良かったんだろうな…俺なんて三十路手前のおっさんだし、片やピチピチの20代だし……」暗い瞳で一人呟き続ける彼。見守るのも飽き飽きしていたので唇を重ね、こっちがいいと強めの口調で告げた。「ほんとに？」弱々しい声を発する唇を更に塞ぐ。「……わ…わかつた…から…俺に……させて」そして、その舌は口内へ。