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#hpmiプラスまとめ(201812)

冗談で別れを切り出してみたら受け入れられてしまった

2018/12/04 19:00
1️⃣「っなーんて嘘だから!ねえ!ちょっと!おい!嘘だって!おい!!」帰宅しようとする彼女を腕の中に無理矢理押し込めた。別れるんでしょ?と冷たい瞳が彼を射抜く。「あの…嘘……です…」恐る恐る腕を緩めたが彼女は辛うじてまだそこにいた。冗談でも傷付いた旨を伝えられ「今日から一週間なんでも言うこと聞きます」と真剣な瞳で言い放つ。じゃあとりあえず、爪先にキスでもしてもらおうかと彼女。「…ファ?!爪先にキス?!ど、どーしたよ急に!Sに目覚めた?!まあ…ぶっちゃけちょいアリかもだけど」

2️⃣「え、本気にした?う、嘘に決まってんじゃん」服の裾を掴んで急ぎ引き留めた。放すよう冷たく告げられ一瞬怖気付いてしまった自分が情けない。「嘘だから……」引き留めるだけで精一杯の自分もまた情け無い。その姿を重ねていたわけではないが、母が身近に居ないことすらも頭をチラつく。もしかして、自分のせいなのではないかという余計な思考も頭をよぎる。無関係の事柄で埋め尽くされた脳内。彼女の“私も嘘”との言葉で現実に引き戻された。「あ…うん、嘘……嘘だよ、ね」弱々しい姿を不安に思った彼女に抱かれ、彼は暫し上の空。

3️⃣「揶揄ってみただけですよ?何を真に受けて…ちょっと……!」じゃあねと言い残した彼女を追いかけ腕を掴む。「な、なに本気にしてるんです…?」今にも潤みだしそうな瞳に意識を集めた。自分から仕掛けておいて涙するなど愚の骨頂だ。「本気にしてませんよね?」恐る恐る口にしたが答えはない。掴んでいた腕をソッと放した。“なんだ、彼女は終わりにしたかったのか”と脳裏をよぎる。「……本当に終わり、ですか?」やっとの思いで彼女の顔を見つめれば、視線がぶつかり彼女は吹き出した。騙された?とくつくつ笑い、彼をぎゅっと抱き締める。「ば、ばか…!本気にしたじゃないですか!」


🐴「俺様がお前を手放すと思ってんのかよ…待てって」ドラマ宛らに背後から抱き締め、頬に頬を擦り付けるようにしてキスをした。ばか、と小さく聞こえたが気にはしない。馬鹿だなんて、言われずとも解っているし。「…怒った?」猫撫で声で問いかけ、腕にはぎゅっと力を込めた。ん…と、返事とも甘い声とも取れる彼女の口から漏れた音。身を翻させ、唇を重ねた。「わかってんだろ?俺様が…俺様にはお前が必要だって事くらい」そう言った彼は何度も舌を絡めてきた。翌日からの拍車をかけた優しさは、もしかすると謝罪のつもりだろうか。

🐰「なーに本気にしてんだバーカ」厭がる彼女の頬に手を当てがい唇を奪った。押し退けられないことに安堵を覚える。「……冗談に決まってんだろ」触れる吐息がこそばゆく、脇腹に小さく拳をぶつけてやった。彼は困ったような笑顔を浮かべながら「悪かったって…」と再びキス。本気にしたと彼女から告げられ「お前こそあっさり受け入れてんじゃねぇよ…焦っただろうが」。彼女の頭を自身の胸元にグッと引き寄せる。「……ったく、ヤワじゃねぇはずなんだけどな」そう口にした彼の心音は、五月蝿いほどに脈を打っていた。

🐦「す、すまない…少し……魔が差した」焦燥する彼を見つめて彼女は満足げに腰を下ろした。何故そのような事を口にしたのか問えば「慌てふためく様子を目にしたいなど、邪な気持ちが芽生えてしまった…本当に申し訳ない……」と。では他に好きな人が出来たでも、飽きたわけでもないのか。安堵したからか、忽ち涙が溢れる。「すまない」それだけ言った彼は厚い胸板で包み込んでくれた。温もりに身を預ければ大きな手は頭に。髪を滑る感覚が心地良い。「約束しよう。以後このような事は慎む。だからどうか…その涙を止めてほしい」


🍭「わー!ちょっと待ってよー!」飛びつくようにして引き留めた。だがこの後はどうしよう。今にも泣き出しそうな彼女の表情を見て罪悪感は増していく。「揶揄ってみただけっていうか…ちょっとは嫉妬とかして欲しかった……みたいな…」その言葉を聞き安堵した彼女。てっきり“お姉さん”たちとは違うという優越感に浸っていた罰かと思った。本当に冗談なのかと何度も問うては「当たり前じゃん」「特別な女の子は君しかいないよ」「好きに決まってんじゃん」「大好きだよ」そんな、在り来たりな言葉にさえ心には喜びが芽生えた。「…信じてくれる?僕は……○○ちゃん一節だよ」

📚「嘘ですよ?嘘だってわかるでしょう?小生ですよ?」無様な程に言い訳をした。嘘に対する本気の弁明など滑稽にも程がある。それともこれらを全て含めた“嘘”と捉えられているのだろうか。自身の血の気の後退が手に取るようにわかる。“捨てられる”その言葉だけが脳内を駆け巡っていた。「小生…」“何かしましたか?”言いかけては止め、止めては言いかける。そも、自分から言い出したのだ。都合が良いにも程がある。「あの…」伸ばし掛けた震える手を絡め取った彼女は、嘘ですよと微笑んだ。タチが悪い、心臓に悪い、否、自分が悪い。「…嘘は……少し控えます」まあ、それさえも嘘になるのだろうけれど。

🎲「ちょい待ーち!じょーだん!冗談だから待って!」77キロの全身全霊が彼女を物理的に引き留める。アンタが言い出したんでしょ!と珍しく声を荒げる彼女。「ご、ごめんなさい…」彼もまた珍しく、びくりとして身を竦める。小さな溜息を吐き、何故あんなことを口にしたのか問うた。「たまには…その……スリルが欲しかった的な…?」わからないがわからなくもない。要は、2人の関係にマンネリを感じたのだろう。だがそう言うのならば、もう少し破局の危機となるまで引っ張るべきだったのでは。弱々しくなった彼は背後から覆い被さるように腕を回した「…なんっか……スリルはちょっと…今はいいかな」。彼にもそんな気分があると初めて知った日。


💉「ごめん。ちょっと君の気を引いてみたかっただけなんだ」冗談だとはわかっていながら許可してみた。その途端謝られては拍子抜け。嘘を吐くならもう少し上手くやらないと、と彼の手を取った。「…思ってもいない事を口にするのは、存外難しい事だよね」指の絡んだ手を引き、胸許に彼女を収める。熱い瞳で見つめられキスをしたが、どうにも舌までは受け入れてもらえない。「……ダメ、だったかな?」彼女の瞳とは依然視線がぶつかったままであるが、ふと視線は逸らされた。この身長差で立ったままディープキスをするのはつらい、といったクレームを小声ながら受け取った為、手近な部屋で戯れる事とした。例えばベッドルームだとか、まあ、そんなところ。

🍸「やだな〜もう!嘘に決まってんジャーン!つか、俺っちが○○ちゃんから離れられるわけなくね…?」チラチラと、ソワソワと。顔色を窺いながら彼は言葉を紡ぐ。「嘘だかんね?ま〜じ〜で、嘘だかんね?!」慌てた様子で何度も嘘だと言う彼。その瞳には涙が溜まっている。「信じてくれた?」瞬きと同時に大粒の涙が頬を伝い流れ落ちた。それを掬い取り、はいはいと頭を撫でる。「…そんな投げやりなのじゃヤダ」自分から仕掛けておいて、なんとまあ都合の良い。頬に手を添え唇を重ねれば、とろんとした瞳で彼は満足そうに微笑んだ。結局何がしたかったのか。キスが欲しいだけにしては回りくどい。「逃がさないよ……なんつってー!」そちらの方は嘘ではなさそうなのだが、ひとまず聞かなかったことにしておいた。

👔返事も絶え絶えに彼は唇を塞いだ「……ごめ、嘘。行かないで…ください」。返事を待たずに再び交わる唇。彼女がグイと押し退ければ「さ、さっきの…真に受けちゃった?らしく……ない、よ」と目を泳がせながら、自分こそらしくない台詞を吐く。気持ちを確かめたくて切り出してみた嘘の別れ話が、まさか本当の危機を運んでこようとは。魔が差したとはいえ、あの様な世迷言を口にしたことには後悔しかない。「……お、俺が…お前無しで生きていけるわけない…じゃん」暗い瞳は彼女を映しはせず、ひとり闇を彷徨っている。わかったからと背中を摩られ、馬鹿の一つ覚えと言わんばかりに“ごめんなさい”を繰り返した。「…ホントに……こんな俺から離れないでくれ…頼むから……な、なんでもする、から」

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