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#hpmiプラスまとめ(201811)

恋を自覚する瞬間

2018/11/05 17:08

1️⃣一目惚れの時点で自覚。一気に距離を詰めて仲良くなった。下心全開のナンパで知り合ったというのに、先へ進むことが一向に叶わない。“良い友達”と思われているのは明白だ。そう自覚する度彼女への想いは募っていく。「……なあ、俺のこと…男として見てもらうにはどうしたらいい?」ついに言ってしまったその言葉。男として見ていると言われたが、“男”についての解釈違いを正さねばなるまい。

2️⃣所謂悪友グループのうちの一人。誰かの恋人かと思っていたがそうではないらしい。それを知った瞬間安堵した。そして同時に芽生えた、淡く燻る恋心。思い返せばいつも目で追っていたかもしれない。逆方向の帰り道のなんと嫉ましいことだろう。「おい。送ってく。…あ?そっちに用事あんだよ」用など帰宅してアニメを見ることくらいだ。本来ならば寄り道などする暇はない。けれど、優先してしまうくらいには惚れてしまっていたらしい。

3️⃣近所に住むお姉さんは毎朝早く出掛け、帰宅は毎晩遅い。学校に行くわけでもないのに早起きをして、窓から彼女をそっと見送る日々。これではまるでストーカー。だがこの気持ちはそんな薄暗いだけのものだろうか?一言だけでいい、交わして、確かめたい。「…おはようございます」すれ違いざま、控えめに声を掛ければ、朗らかな挨拶が返ってきた。早起きは三文の徳というものな。行きたくもない学校への足取りでさえ軽くなった。


🐴“帰りたくない”だなんて駄々を捏ねる女は今までも散々いた。抱いてやれば大人しくなるし、また次もと彼女達は望む。そうして都合の良い女達は規模を拡大する。けれど今日の女は違った。抱いてやっても満たされた様子はなく、以降も“今度”を求めてはこなかった。まるで自身が相手にされなかったかのようで腹立たしい。珍しく、力尽くででも欲しくなってしまった。「おい…次、いつ会える」やっとの思いで果たした逢瀬。何も始まらぬ前に次の約束を取り付けた。

🐰人付き合いなんてのは面倒だ。足枷にしかならない。この仕事を斯様な形で続けていくのならば尚更。恋人などというものは弱点に他ならない。だから後腐れしないであろう女を選び、抱き、抱かれる。そこにあるのは心の無い関係。心のない筈の関係。だが、少しずつ侵食されていた心はいつしか深く彼女を求めていた。「なあ……いや、やっぱりいい」“俺の女に”それを言ってしまえばきっと終わってしまうから。煙草をふかし、煙に巻いた。

🐦道端で酔い潰れていた女性。放っておけず肩を貸せば、へらりと笑い頬にキスをされた。なんとも面倒な酔い方をした彼女を家へと送り届ける。礼を述べ閉じられるドアをつい抉じ開ければ、先までの足取りからは予測も付かぬ力で襟首を掴まれ唇が重なった。「……まさか、美人局では無いだろうな?」始まってしまえば出会いの形などは関係ない。交わりから始まる恋の何がいけないのだろうか。朝を迎え、漸く互いの名を知った。


🍭沢山いる“お姉さん”の一人。みーんな平等に、可愛い可愛いお姉さん。「最近浮かない顔だね?」そう問えば、距離を置きたいと返ってきた。まあ、よくある事。「そう」とだけ短く返しておしまい。気に入ってたけど、後髪を引くだなんて…引く、だなんて。カラダの一部を削られるかのようで不快だ。「…僕から離れるなんて出来ると思った?」小指を掴むだけで精一杯。こんな可愛くもない、歪んだ感情、知らない。

📚他人の書いた小説を久しく読んだ。だが集中など皆無。出てくる女性に、脳裏に浮かぶ女性をつい重ねてしまうから。なんなのだ、この無駄な行為は。頭を素通りする文字達。脳の養分にはならない。全く以って勿体ない。彼女のことしか考えらないことも、胸の奥の痛みもまた気掛かりだ。「はて。心当たりがありませんね」栞を挟み、いつものように嘘を吐いた。なにせ恋など、妄言に過ぎないから。

🎲行く当てはない。否、あるにはある。だが彼女に“自分は都合の良い女”と思われているであろうことは明白だ。だから、軽率に泊めてくれと強請れなくなった。何せ、都合の良い女ではなく“俺の女”になってほしいのだから。きっかけ?そんなものは共に過ごした時間だけで十分。出会った事自体がきっかけ。でもやっぱり、距離を詰める方法をこれしか知らない。「悪りぃ!今日泊めて?」手を合わせ頼み込めば、彼女は溜息を吐き招いてくれる。今日も優しさがこそばゆい。


💉他院の研修で出会った彼女は、溌剌でいて聡明。如何にも誰からも好かれそうな女性。気付けば目で追っていて、気付きたくなかった嫉妬心には目を疑った。30+α年生きてきたのだ、当然この感情を知っている。「…まったく、年甲斐もない」自身にだけ聞こえる小さな声で呟き、彼女の方へと一歩踏み出す。貼り付けたような爽やかさと歯の浮くような台詞で手に入れようじゃないか。「やぁ。今日、この後食事でもどう?……2人きりで」

🍸物理的な距離を取り会話をしてくれる彼女。根気良く、付き合ってくれる彼女。けれどいつか、愛想を尽かして離れて行くのだろう。その日はきっとそう遠くはないはずだ。其れを思えば思うほど、早くこの距離を縮めて、この腕に抱きたいと思った。世間ではきっと此れを恋と呼ぶ。けれど彼はまだ知らない。だって、女の子なんて怖いだけ。「……俺っちね、君なら…君となら………いつか…その……な、なんでもない!」

👔同じく終電に揺られ帰宅するOL。いつもいつも無防備で、見ている此方が不安になる。いつしか自然と隣に陣取り、酔っ払いや碌でもない奴が近づかないよう牙を剥いた。自身のような男に護られていたなどと彼女が知った時には、酷く不快な思いをさせるに違いない。だが仕方ない、惚れた弱みだ。恥ずかしい事に、声も素性も知らぬ身で、同じ境遇であろうという現況だけで惚れ込んでしまった。初めましては何と言おう。「ずっと好きでした」では通報されるだろうか。

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