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#hpmiプラスまとめ(201811)

冬のお家デート

2018/11/23 22:28
1️⃣こたつでぬくぬくアニメタイム。「みかん取って」とか「お茶飲みたくない?」とか、珍しく甘えてくるのものだから、釣られて彼女も甘やかしてしまう。真剣にアニメを見ていたかと思えば隣に移動し、狭いこたつで密着。腰に手を回して肩に頭を預け「眠くなってきちゃった」などと只管甘えてくる。よほど疲れが溜まっていたのかこたつで眠ってしまったので風邪を引かない程度に寝かせておいた。目を覚まし一言「なんかすっげえ幸せな夢見た…聞きたい?」と言いつつまた眠ってしまい聞けずしまい。寝顔が幸せそうである為一先ず良しとした。

2️⃣彼女のお家でまったりテレビ鑑賞。甘めのココアを飲みながら、他愛ない会話を楽しむ。「なあなんでココア?俺…コーヒー飲めるし」とちょっと強がり。ブラックコーヒーを飲むカッコいい俺を披露したかった、なんて思いつつもココアは美味しい。彼女的には冬といえばもこもこのルームウェアとココアらしい。「…つかこの服めっちゃ気持ちいいんだけど」敢えてかわざとか、腹部を掴む大きな手にどきりとする。ダメ、と言えば悪戯っぽい笑顔が浮かんだがハグだけに留まった。思わぬところでお預けを食らったので、今夜はちょっとオシオキ。

3️⃣寒くて外になど出たくはないから、ここぞとばかりにボードゲームを教え込む。「そうじゃなくて…」などと難色を示す度に少しずつ彼女の機嫌は悪くなる。それに気付き「ちょっと休憩しましょうか」とお茶を準備。頭を使うゲームは苦手だと項垂れる彼女の隣に腰を下ろし、そっと頭を撫でてみる。「貴女別に…頭、悪くはないでしょ」精一杯の賛辞を送り、彼女の焼いてきてくれたクッキーをひと齧り。「まあ…身体を動かす方が得意みたいですけど……っあ!違いますからね?今のは下ネタじゃないですから!」忽ち黙り込み、真っ赤になって俯いた。


🐴休みの日にわざわざ、陽が昇る前から活動し始めるなどバカバカしい。凛とした冷たい空気が満ち満ちる朝、昨夜の盛り上がりの影響も相まって薄着な彼女に毛布を掛ける。目を覚ましてしまった彼女に「まだ寝てろ」と口付けし、自身も再び布団を被った。陽も高くなり暖気も満ちた頃、のろのろと動き始めた一つの影。それを「……まだいいだろ」と布団に引き戻す。「もう少し、な?」昨晩も散々絡み合ったその肉体に手を絡め、陽が落ちるまで惰眠を貪ってしまった。「一日無駄にしちまったな、悪りぃ」大きな伸びをひとつ。パキ、と骨が軋みを上げた。こんな休日もたまには良いだろう。

🐰休みの日とて怠惰は許さない。掃除を済ませ清々しい様相となったリビングで、大量に借りてきた映画を手近なものから適当に再生する。「…恋愛モノか。ま、いいよな?」早速肩に手を掛け彼女を引き寄せた。冒頭の、何の変哲も無いシーンを見ながら登場人物達よりも先にキスを済ませる。「は?空気?なんでこいつらに合わせなきゃならねぇんだよ」それは尤もなのだが、折角恋愛モノを見るのならばてっきり、甘ったるい空気を作り上げてからするものかと思っていた。「…ッチ。じゃあ、我慢しろよな」我慢出来ないのは己のくせに。

🐦冬の澄んだ空気は夜空をより美しく輝かせる。テントの近くに火を焚き、流星群のピークを待った。ちらほらと流れ始めた星々。彼と付き合わなければ、このような美しい光景を目にすることはなかったであろう。そっと寄り添い、静かに流れる時と星。互いの呼吸音と鼓動の他は、少しばかりの虫の音だけ。すぐ横に在った彼の頬に、御礼の意味を込めて唇を触れさせた。驚いたのち、優しい瞳で見つめる彼。「…そろそろ中に入ろうか。夜は冷える」子どものように抱き合い、人の温もりを朝まで感じ合う2人。またいつか過ごしたい、特別なひと時だ。


🍭「何もしたくなーい」炬燵を出して早々、その餌食となった彼。ご愁傷様ですと言い残し買い出しに出掛けた。帰宅しても尚彼はこたつの虜。「おかえり〜」と溶けたスライムのような有様で述べる。つまらないテレビをぼんやりと見ては口にみかんを運ぶ彼。目の隈は取れたようだし、そろそろ構ってくれる頃合いだと隣へ無理矢理入り込む。「ちょっ…狭いから」などと言いつつも追い出そうとはしない。買ってきたアイスをチラつかせるとすぐにスペースを空けてくれ、仲良く並んで甘味を貪った。「餌付けしてまで僕と何したいの?…あっ!ナニが欲しいの?」付け加えた下ネタには肘鉄が飛んだ。

📚 どのように手に入れたのかは知らないが、小説家や文化人が如何にも住んでいそうな平屋建。それが彼の住処である。陽の差し込む縁側がふたりのくつろぎの間。冬場はぽかぽかと居心地良く、何をするでもなく膝に頭を乗せ過ごした。「……なんだか、老夫婦みたいですね」貴方を育ててくれたという例の老夫婦のことかと問うたが「おや?あの様な出鱈目、信じていたのですか」と煙に巻かれる。ふわふわとした髪に触れ、気持ちよさそうに目を細める彼を見ては心が満たされた。これさえも虚構の幸せで、全て嘘だったとしても満足だ。「……妙なこと、考えていたでしょう」止まっていた手に指が絡み、甲にはそっと唇が触れた。

🎲彼のリクエストで夕食は鍋。締めを米にするかうどんにするかで揉めたが、今日のところは米に。「やーっぱ冬は鍋だよな!」いっぱい食べる君が好きとは正に。これだけ綺麗に平らげてくれるのならば、作り甲斐があるというものだ。「あっ…そ、そーだ!今日パチ屋で勝ったから〜……デザート買って来てんだわ〜!冷蔵庫開けてみて!」少しだけ言い出しにくそうに切り出した彼。そういえば冷蔵庫に何やら箱があった気はしていた。取り出してみれば、有名洋菓子店のケーキではないか。「い、いつも世話になってるんで…たまには……」と、これもまた言いにくそうに。こういったいじらしさこそが、愛される秘訣なのだろうか。


💉なぜ今更?と思いもするが、彼がそう言うのだから勿論従う。今日はア○と雪の女王を鑑賞。「…興味はあったのだけど……タイミングがね?」まあたしかに、男性1人では観に行きづらい作品かもしれない。少し恥ずかしそうにしている彼が堪らなく愛おしい。「変、かな?こんなおじさんがこういった作品を観るのは」とんでもない!と否定し、温かい飲み物を準備してソファに沈み込む2人。クライマックスを迎え、鑑賞は終了。「……実は小さな子どもたちにね?彼女の真似をしてくれと時折せがまれるんだよ」なるほどと思い小さく吹き出した唇は彼に塞がれる。「…こら、私に失礼だろう」見つめ合い、互いに再び吹き出した。

🍸「もー!オフなら早く言ってくれたらよかったのに〜…っつーことで!今度のデートプラン立てよ?ね?」ノートパソコンを開き、ただ座るよりも近い距離で画面を覗き込む。肩や膝が触れ合い身も心もこそばゆい。「…あ!こことか良さげじゃん!個室だし俺っちもだいじょぶそ〜!」心音が聞こえてしまいそうな静けさを切り裂く彼。今ばかりは感謝しかない。だが「…ね、こんな近いとさ……変な気持ちになっちゃうのって俺っちだけ?」などと赤い頬で言うものだから、小さく首を振り唇を重ねる始末。「へへ……やっぱさぁ、おうちデートつったらいちゃいちゃするに限るよね!」ぎゅっと抱き締め、包み込むようにして後ろに倒れた彼。「…大好き」ストレートな物言いと髪に触れた唇。早く同じ言葉を返したいのに、胸の高鳴りが邪魔をする。

👔「きょ、今日は普段の感謝を込めて…俺が料理を作ろうと思います……だ、だからお前は座ってて。何もするな、よ…!」格好つけたつもりなのかもしれないが、エプロンも相まって可愛さが先行している。「…このエプロンは一二三のお下がりで……俺の好みじゃないからな」なるほど、彼の同居人はくまさんのエプロンなどしていたのか。不慣れな手つきで包丁を握る彼。何もするなと言われたがやはり見ていられない。隣に立とうと思ったが折角だ、背後から手を回し“こう”と手取り足取り野菜を刻む。「…や、やめろよ……緊張するだろうが!」真っ赤になり振り向く彼。何か邪な気持ちでも芽生えたのだろうか。「何もするなって…い、言った…じゃん……覚えてろよ」怖〜いと態とらしく離れ、彼の仕返しを心待ちにした。

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