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#hpmiプラスまとめ(201811)

帰宅した彼から女物香水の香りが!

2018/11/21 17:47

1️⃣「ちょ…待てって!話きけよ!」出て行かせまいと腕を掴む。痛そうに顔を歪める彼女。「あ…ごめ……」慌てて放したが彼女はその場に留まってくれた。何がどう違うのかと、彼女は強い口調で問う。口籠れば口籠るほど彼女の気持ちは離れていくだろう。大きな溜息をひとつ。「……これ、お前に」何の日でもないがプレゼントを買った。ただそれだけ。それだけのことだが無性にむず痒く、素直に渡すことが出来なかった。「貰ってくれる?」唖然とする彼女の手を取り紐を握らせ、開いたままの口にキスをした。「……サプライズとか、慣れないことするもんじゃねぇな」照れ臭そうに、困ったように笑う彼。小さな声でお礼を述べて、今度は彼女の方からキスをした。

2️⃣「や〜これは違くて…」神に誓って満員電車の影響だが、それを証明する術はない。怒っているのか、泣きそうなのか、或いはその両方なのか。一目では判別出来ないが、彼女が快く思っていないことだけは確かだ。「…満員電車乗ってて……女の人がずっと…引っ付いてて……」事実を述べたが我ながら嘘くさい。どうしたらいいんだよ…と小さく呟いた。彼女は依然不機嫌そうな、哀しそうな表情のまま。「俺が浮気なんてするわけねぇじゃん」どうかどこにも行かないでほしい、その一心で袖を掴んだ。振り払われないのは気持ちが伝わったからなのか、それともこの後拳でも飛んで来るからなのか。身構えたが、彼女の口からも謝罪が告げられ距離が縮まる。潤んだ瞳同士がぶつかり、優しく唇が触れ合った。

3️⃣「落ち着きましょう?ね?」自分でも心当たりがなく困惑。今にも泣き出しそうな彼女を引き留め、宥めるだけで精一杯だ。「僕にも全くわからなくて……あ!」そういえば、クラスの女子が香水がどうとか盛り上がっていたっけ。自身の席はその近く。大方、椅子に掛けていた上着に降りかかりでもしたのだろう。けれどこれを伝えたところで信じる女性などいるだろうか。「……クラスの女子が」まで言いかけたところで、案の定彼女は涙を零す。そりゃあ同い年の子たちの方がいいよね、と泣き噦り収拾がつかない。これだから女の相手は嫌なのだ。けれど目の前で涙を零すこの人とはまだ繋がっていたかった。だから、らしくないと虫唾が走るが優しく抱き締め耳元で囁く「僕が…同級生の……しかも低脳なガキ相手に浮気なんてすると思います?」。一応は本音だ。どうか、これで一件落着といきますように。


🐴「あー、悪りぃ。仕事の関係でな」 わかっていることではある。しかし、派手な香水の香り、シャツにはキスマークを付けて帰宅した己の彼氏に寛容になれとは横暴が過ぎるのではなかろうか。彼は珍しく酔っていて思考も鈍っている。それでも気持ちは抑えきれず、ばか、とだけ言い残し玄関へ向かった。勢い良く追いかけてきた足音に捕らえられ、嗅ぎたくもない臭いに上書きされた大好きな香りに包まれる。胸板を押したところで無駄な抵抗。酒臭い口が交わる。涙目になりながら跳ね除けた。「…んだよ」酔いが冷めてきたのか、涙を流す彼女を見てゾッとする。憎き父親に等しい行為をしてしまったのではないかと。「悪りぃ…いや……ごめん、なさい」似合わないその言葉は彼を一回り小さく感じさせた。その様子を目にし、自身もヒステリックであったと反省。思わず彼を抱き締めれば、しがみ付くように腕を回された。少し傷んだ互いの心を慰めるように、甘い夜を貪り合う。

🐰「まあうちの部署にも女くらい居るからな」それはそうだ、そうなのだが。やはり嫌なものは嫌なわけで。こんなことで怒っていては身が持たない、こんなことで喚く女は彼には有り余る、全部全部わかっている。なのに、だけど。収まらない気持ちはどこにぶつければよいのだろう。「そんなに嫌なら……お前がどうにかしてみせろよ」顎を掴まれ無造作に唇が重なる。鼻を掠める見知らぬ女の匂いが非常に不愉快だ。彼は煽ったつもりかもしれないが、彼女としては冗談にも程があるといった心持ち。キスに対しても良い気などは全くしない。ふざけてんの?一言、短くそう言った。形だけの謝罪さえも貰えないことに腹を立て部屋を後にする。戻る時のことなどは考えまい。「っおい!わ、悪かった…お前が……や、妬けばいいと思ったんだよ」バツの悪そうな顔を思い切り抓り、噛み付くように唇を奪ってやった。「……今日はお前の好きなようにさせてやる」

🐦「これはその…貴殿の香水を少し………拝借した」見たこともないような羞恥の表情。言われれば確かに、遠い昔に使っていたかもしれない香水の香りだ。「ここのところ会えずにいたからな…その……」続きは察した。恐らく、一人で…ということだろう。わざわざ言わせるなど野暮なことはしない。「勝手に拝借してしまい…申し訳ない」こんなにも歯切れの悪い彼は初めて見た。真っ先に浮かんだのは“愛らしい”という気持ち。それはいつも使っているものではないと告げ、後ろめたい気持ちを抱えている彼に詰め寄った。少し押せば簡単に蹌踉めき、ソファに腰を落とす。欲しいのはこれでしょうと言わんばかりに膝に乗り、いつにも増して甘ったるいキスをした。「……あぁ、此方のほうが矢張り良いな」頬に手を這わせ、貪るように唇が交わる。この先の行為に向け、滞りなく時は流れる。


🍭「そんなのいつものことじゃん。ってゆーか!これ僕の香水。新しくしたのー!」真意はわからない。けれど前者は本当のこと。いつもいつも、未だに“お姉さん”達の匂いを身に付けては帰宅する。面倒な女だと切られることを覚悟で言った、いい加減やめてほしいと。「…ふーん。そういうこと言えたんだ」つまらなそうに飴を転がす彼は、興味も無いといった様子でスマホに目を落とす。何それと小さく呟いたのが聞こえたらしく、彼は顔を上げた。「泣いてるの?」もちろん即座に泣いていないと答える。なにせ、その顔は彼の一番嫌いな表情だから。「妬いてるならはっきりそう言ってくれないと、わかんないよ」少しだけ哀しげな雰囲気を孕んだ言葉。「……馬鹿だなー、もう。強がり禁止!こっちおいで。あっ待った。着替えてくるからここで待ってて」わざとらしいリップ音を頬に残し、彼は行ってしまった。何故こうも、嫉妬を口に出来ないのか。結局は、彼の飴におんぶに抱っこだ。

📚「はは…ご冗談を」人付き合いの広くはない彼のことだ、浮気などではないだろう。いやそれは理由にはならない。自分に向けた都合の良い言葉に過ぎない。「……出版社に足を運んだので…恐らくその時でしょうねぇ」それだけでこうも香るものだろうか。腑に落ちない、訝しむような表情で彼を見つめることしか出来ない。浮気ではないと信じたいが、彼が本気で騙そうと思ったならば、きっと容易く騙されてしまうだろう。そんなことを考えてしまっては、この男のことを何一つ信用出来なくなってしまうのだが。「小生のこと、信じていないですね?」無機質な言葉に背筋が凍った。真っ直ぐ見つめる瞳はやや瞳孔が開いている。何も言えずにいれば忽ち唇が重なり、バランスを崩した2人は床へと雪崩れ込んだ。抗えないまま何度も唇が重なり、彼は哀しそうに呟く。「貴女だけは……どうか、俺のことを信じて」

🎲「え?そう?なんか臭う?……あー!パチ屋でぶつかったあの派手な女だな!悪りぃ!」身体の前で手を合わせ、ゴメンと謝る彼。しょうがない事とはいえ無性に腹が立った。その匂いが落ちるまで帰って来ないでほしいと言えば彼は目を丸くする。「それはちょっと厳しすぎねぇ?!」我ながらそう思うが耐えきれなかった。だって…と口にすればぼろぼろと溢れ出す涙。彼は慌てて駆け寄るが、その匂いがそうさせているのだと気付き服を脱ぎ捨てる。上半身裸というなんとも官能的な状態へと変貌した彼に抱き締められ、止まらない涙はその皮膚を伝う。「ゴメンな?」どうすべきか見当も付かず、只々背中を叩く彼。彼女の方も何度も謝罪を呟く。その度に彼は「いーの!悪いのは俺!」「気にすんな!」などと明るい声で安心させてくれた。「落ち着いた?んじゃーキスさして?」涙でぐずぐずになった顔に愛おしそうに吸い付き、笑みを溢す彼。「なんか、イチャつくの久々だな!」


💉「そんなにイヤ?…たまにはいいね、嫉妬心を向けられるのも」人付き合いの一環で…とはいえ、見知らぬ女たちにちやほやされて来たのだと思うと虫が収まらない。嫉妬を心地良くさえ感じている彼を尻目に帰宅の準備を済ませた。「帰っちゃうの?」どの口が言っているのかと問いたいが、この人に言葉で勝てる気はしない。帰りますと短く答え背を向ける。「……送るよ」帰らせたいのかと拳を握ったが、されるがまに車に乗せられ帰路に着く。終始無言の車内。香る、見知らぬ女の匂い。握った拳に落ちる雫。彼は何も言わない。そういえば、自身の家に向かっているにしてはやけに時間がかかっている。ハッとして彼を見れば「やっと気付いた?ドライブでもどうかと思って。このまま…海でも見に行こうか」。彼女の一方的な憤りでもあるのだが何も解決してはいない。信号待ちの停車に託けて重なる唇。「……衣服なんて、脱ぎ捨ててしまえば…こんなものは消えると思わない?」再びされるがまま。見慣れぬ街の高価そうなホテルへと2人、姿を晦ませた。

🍸「ちょい待ち。男モンの香水の匂いがする!どーゆーこと!た、たしかに俺っちはいつも…女の子の匂いくっ付いてるかもだけ……うえぇ気持ち悪くなってきたゴメン」トイレに駆け込む彼。青い顔をして戻ってくるものだから、先程まで怒られていたことなどはもう忘れ、冷たい水を用意した。「……ごめ…ありがと」ソファに凭れこみ天井を見上げる彼。着替えようとその場を離れかけたが、裾を掴まれ動けない。「……やだ。ここに居て」腕で表情こそ見えないが、弱っていることは手に取るようにわかる。自ら口にしたくせにフラッシュバックとはいい御身分だ…などとは流石に思えない。セットされていないふわふわとした髪を撫で、彼が落ち着くのを待つ。徐に起き上がり、隣に座るよう促された。「……あんね、俺っちすんごい嫉妬しちゃうの」とっくに知っていたことをポツリ。「だって俺っち…○○ちゃんしか駄目じゃん?○○ちゃんに捨てられちゃったらもう…死んじゃう」こてんと肩に頭を預ける。先程までの怒りは何処へやら。はいはいと頭を撫で、惚れた弱みか絆されているのか、最早判別もつかないが、子供のように身を寄せる彼を抱き締めながら眠りに就いた。

👔「待て待て待て誤解だ。満員電車乗ってんだ、これくらいあるだろ…」そう、それくらいあるのだろう。疲れ果てている彼にこうして無駄なことを責め立てるのは、酷く申し訳ない事だともわかっている。けれどやはり良い気はしない。だからつい、こうして面倒くさい女の部分を全開にさせる。「落ち着けって」ネクタイを緩める彼の傍で怒りに震える。大変だったね、大丈夫だった?、今日もお疲れ様、全部、全部、言えない言葉。困ったような顔で笑う彼と目が合えば、瞳からは涙が溢れた。「あっおい……なんでお前が泣くんだよ。どうした?大丈夫か?……いつも待っててくれてありがとな」此方が言いたいような言葉をつらつらと述べられてはいよいよ立場がない。ばかぁ…という、言いたいはずではない言葉。彼の手が頭に触れる。「……今日は珍しく駄々こねるね。もうちょい待っててくれたら…か、可愛がってやる、よ…」慣れない言葉を口にして赤くなる様が愛らしく、先刻までのやり取りなどは全て忘れてしまった。「こっち向いて」触れるだけのキスを貰い、一先ずの落着とした。

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