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#hpmiプラスまとめ

添い寝

2019/03/02 13:03
1️⃣彼は横になるなり背中をトントンとし始めた。怪訝な顔をする彼女。「あ、ごめん…なんかクセで」弟達を寝かし付けていた頃の癖か、甘さの伴わない添い寝ではつい過去が顔を覗かせる。そんなお兄ちゃんには、と彼女が同じようにリズムを刻み始めた。それがどうもにも恥ずかしく、鼻の辺りまで布団を引っ張り上げる彼。「…ちょい待って……バブみを感じずにはいられない」オタクな言い回しで逃げ道を作るが頬の赤さは収まりはしない。甘え下手は長兄故か。そこがまた、愛らしい。

2️⃣「なぁ。一緒に寝よ?」なんとなく寂しくて一緒に寝てほしい、それだけ。布団に入るなり胸元に顔を埋めた彼は心なしか幼く見えた。何かあったか聞いたところで「別になんも…」と服を掴んでくるだけ。これで“何もない”など、誰が思えよう。頭を撫でれば彼は忽ち眠りに就いた。翌朝はもう元通り。それとなく聞いたが「あー、なんか落ちてたけど忘れたわ。アリガトな!」といつもの笑顔が彼女に向けられた。それでも尚腑に落ちない様子の彼女。「…へーきだって」肩を組んで頬にキス。一体どこで覚えたのか。まあ、恐らく二次元だけれど。

3️⃣サラサラの髪の毛に指を通し寝顔を見つめる。こうして黙っていれば本当に中学三年生の、普通の男の子のようだ。寝言で呟かれた「…兄ちゃん……」の一言。どちらの兄のこともそう呼んではいない。けれどどちらのことなのか、非常に気になる。再び髪に触れ、心地良さについその手を止めずにぼんやり。「まだ……撫でるんですか」いつの間にやら目を覚ましていた彼は頬を赤らめながら言葉を発した。慌てて手を離せば「なーんだ。やめちゃうのか」なんて。意地が悪い。揶揄われた仕返しに頬を軽く抓った。「や、やめてください」照れる姿の初々しさに、彼女は思わずキスをする。



🐴「ほら、こっち来い」と布団をポン。その位置に収まるなり、すっぽりと包み込むように彼女を抱き締めた。「お前、最近ムリしすぎ」大きな手が頭に触れる。優しい手が髪を滑る。大きなベッドに二人きり。なのに、こうして何もしないなんて。伝わる体温と鼓動が無意味に緊張を煽った。そして彼はふと「……心臓の音凄くね?」と笑みを浮かべる。慌てて否定する彼女「今日は何もしてやんねーよ」なんてお預け宣言。不安げな瞳を向ける彼女の額にキスをした。「さっさと寝ろ。朝まで居てやるから」

🐰寝不足な様子の彼女に「子守唄でも歌ってやろうか?」と馬鹿げた提案。声量を理由に上げ丁重にお断りする彼女。二人でベッドに横になり、何をするでもなく見つめ合う。「ったく、仕方ない奴だ。眠れないのならばこうしてやったのに」と背中に回った腕。トン、トン、と心地良いリズムが響く。彼女の頭をよぎる“似合わない”の単語。思わず笑みを零せば「なんだ?」と彼は片眉を吊り上げた。湾曲したままの唇が告げる、好きの一言。柔らかく微笑んだ彼も告げる「俺もだ」。その唇は愛を述べる代わりに優しく触れ合った。

🐦彼女がここ数日ろくに眠れていないことを知った彼は特製ドリンクを提案する。が、当然否定。折衷案でもないが、添い寝で妥協となった。「眠れないのならば小官特製のリラックスドリンクを…」と布団に入ってからもまだ続けている。今日は勘弁してほしいと笑う彼女。だってほら、貴方に抱かれていた方がずっとリラックス出来るから…というのは口には出さなかった。彼は彼女をぎゅっと抱き締める。しっかりとした心音が心地良く耳に響く。「少々……照れくさいな」などと口にする割に動揺は皆無だ。



🍭ベッドに入って「頭撫でて?」と一言。何かあったことを察するも何も聞かないでいる彼女に、「僕もたまには疲れるんだよねー」と棒読み。満足すると懐に潜り込むようにして眠る彼。そのまま頭をぎゅっと抱いて眠る彼女。朝目覚めると形勢逆転、彼に頭を抱えられていた。静かな寝息が心地良い。腕から抜け出し見つめたまま、ぼんやりと朝の短いひとときを憎む。「……もう起きなきゃだね」無機質な声が部屋に響く。手を握り、目覚めることへの小さな抵抗。「だーめ。僕も君も、仕事あるでしょ」

📚何をするにも纏わり付いて、如何にもこうにも離れない彼。寂しさか、構ってほしいのか、甘えたいのか。彼女には解らなかった。けれど“とりあえずくっ付いていたい”その気持ちだけは理解した。ベッドに入り、頭を撫でる。微睡む瞳と鈍い呂律。「……別に、甘えたかったとかじゃないですから…」と見え見えの嘘。そう、と淡白な返事を告げて彼女は背を向ける。「嘘ですってば」背後から腕を回した彼の力は思いのほか強い。「こっち向いて…出来ればギュッと…ね?」素直に言えた彼をまた甘やかしてしまう。

🎲「んぁ?寂しい?しゃーねえなぁ…よっと!」勢い良くベッドにダイブ。へへ、と笑う顔の愛おしさに、頭をよぎった“下の階からの苦情”などという単語は程なく消えた。覆い被さるようにして彼は唇を重ねる。その先を一瞬でも考えてしまった自身の薄暗い思考に彼女は目を逸らす。そのまま彼は腕枕の体勢へ。「好きだろ?」そうして一線を越えずに甘いひと時を過ごした。朝、昨晩の甘さは夢だったのではないかというほどに離れて眠っていた二人。微笑ましく思っているうちに彼はベッドから落ちた。下階からの苦情は避けられまい。


💉ベッドの背にもたれ掛かってスマホを弄っていると、お疲れな様子の彼がバスタイムを終え現れた。無言で隣へ来て横たわり、お腹に腕を回してくる。「少しだけ…いいかな?」お疲れですね、と頭を撫でる彼女。「いい歳した大人がゴメンね」なんて、珍しく自嘲気味だ。疲労はこの人さえも弱くする。サラサラなその髪に触れ続け、眠ってしまったのを確認してからそっと頬にキスをした。翳りのある目元により、一層疲れが見て取れる。もう一度、今度は唇にキスをしようと覆い被されば、腰に腕が周りグイと引き寄せられた。「……ダメ。それは、私にさせてくれないかな」

🍸朝方、帰宅するなりスーツのままベッドへ。息苦しさと酒の匂いに彼女は目を覚ます。重みの正体を確かめるべく腹部を見遣れば、抱き着き、すやすやと寝息を立てる彼がいた。ぼんやりとしながらもどうかしたのか問えば、「…ん……」とだけ返答。スーツの皺や彼の酔いについて考えながら頭を撫でた。ポツリと呟かれる「…俺っちのこと見捨てないでね?」のひと言。疲れと寂しさから来た不安か、普段以上に触れ合いを求める彼。黙って頭を撫でているうちに本格的に寝入ってしまった。

👔「……寝付かせてって言ったら引く?」眠れない、いつもいつも眠れない。そんな彼の要望ならば応えるほかあるまい。仕方ないなと思いながらも彼女とて満更でもない。背中に小気味好い一定のリズムを与え続ける。彼はぼそりと呟く、「俺って使えない?」「ダメな子?」「居ない方がマシ?」etc.逆効果であったことを反省しながら、そんなことない、良い子、死んじゃやだ、などと答える共依存気味の関係。「俺、お前が居なくなったらたぶん生きていけない…」そう言って、彼は腕に力を込めた。いっそ、抱き合ったままならば眠れるかもしれない。

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