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#hpmiプラスまとめ

彼女「別れよっか」

2019/03/02 13:02
1️⃣「え、なんだよ急に…」さっきまでの笑顔からスッと真顔に。「いやいやいや、意味わかんねーし。ちょっと待てよマジで…好きな人できた…とか?」握る拳にはジワリと汗が。ダメだとわかりながらも押し倒し、「考え直してよ」と言葉を吐く。イヤがる彼女と目が合い、押さえつけた肩を放した。「ねぇ…なんで?」彼の頭を支配する“あんなに上手くいってたじゃん”という独り善がり。彼女が言うには若さについていけないとか、もっと若い人がいいはずだとか、つまらないネガティヴ。「…バッカだな、ホント。○○以外ありえねえんだけど」抱き締めて、キスをして、流れる涙をそっと掬った。

2️⃣「そーゆー冗談つまんねーから」彼の口調は柔らかいが、表情からは明らかな怒りが見て取れる。「…まじなの?何が不満なわけ?俺…ダメなとこあるなら直すし……」徐々に小声。そして彼はムスッとした表情のまま服の裾を掴んだ。「俺、○○ちゃんじゃなきゃヤなんだけど」。そういう子どもっぽいところ、と彼女は口に出しかけたがこの姿にキュンとしている自分に気付く。頭に触れ、揶揄っただけだと彼女は微笑んだ。先までの彼の表情は一転。愛らしい、むず痒いような彼の顔が覗く。「そ、そう……でも俺……き、傷付いたから…キ、キス……して!な、慰めて!」そういう、ちょっとイジワルをしようとして自分が真っ赤になるところも好き。

3️⃣「僕…何かしましたか?」一先ず原因を知って解決に導こう、そう考えた。彼女は答える、頭も顔も良くて私とは釣り合わない、などという賛辞を。『なんか可愛いこと言ってる…』との思いは口にせず、ただぎゅっと抱き締めた。「釣り合わないとか言わないでください、そんなことありませんよ…それに、僕は性格が悪いですから」らしくないと思いながらも皮肉を口にした。それに、彼から言わせれば釣り合わないのは自身の方だ。年齢の壁は彼女が思っている以上に大きい。「……早く、大人になりたい」聞こえないよう低い声で、小さく小さく呟いた。



🐴「………………は?」理解するのに時間がかかった。自身がフられるなど何かの間違いのはずだ。だが彼女は淡々と続ける、感覚が違うとか、友達に何か言われただとか、好きだけど、大好きだけど別れたいだとか。まだ何か言うようなので、黙らせる為にキスをした。「……もういい。お前の気持ちは解った。……でもな、お前みたいなイイ女、手放すわけねーだろが」いつにない真剣な顔。それに反して雑な扱い。掴まれた手首はジワリと痛む。彼女は口を開き、別れたくないと呟いた。「……バッカじゃねーの」“なら始めから言うな”と、口にする代わりに舌をねじ込んだ。

🐰「どうやら立場がわかっていないようだな」意に反して込み上げる涙。彼女の腕を強く押さえ付け「別れられると思っているのか?」と言う様は出会った頃のように尖っている。どこか懐かしささえ感じさせるその空気のまま、「逃がさんからな」と首筋にキスをした。そこまでの執着や熱い気持ちが自身に向けられていようとは思いもしなかった彼女。驚きと同時に嬉しくもあり、別れを口にしたが本心では微塵も別れたくないのだと、厭というほど実感した。言い出した手前引くのは実に情けないが、先の言葉を取り消させてもらう。彼は小さく溜息を吐き言った、「もうバカなことは考えるなよ」。

🐦「…少々、時間を貰いたい」自身の顔に手を当て考え込む彼。のち、小さく呟かれた「何か…小官に問題があっただろうか」との言葉。「情けない事に……思い当たる節がない」初めて見る狼狽した姿に動揺を覚える彼女。彼は拳を握りしめ「今一度、考え直してもらいたい…」と告げる。黙ったままでいる彼女に真っ直ぐな眼差しを向け、「やはり…ダメだろうか?ならば最後に…」と熱く、熱くキスをした。きっと不快だろう、そう思いつつも止まらない。拒まないのならばという狡猾な思いと、ならば何故別れなければならないのだという疑問。「…やはりもう一度、考え直してはくれまいか?」揺らぐ彼女に追い討ちを。




🍭「えー?そんなつまんないこと言う子だったっけー?」三日月型に湾曲した瞳は冷たく光を放っている。スッと彼から興味が引くのが見て取れるよう。だが、「僕、まだ君に興味あるから今謝れば許してあげる。どーする?」と白い歯を見せた。こんな顔が彼女に向けられたのはいつぶりだろう。黙ったままの彼女に追い討ち、「その口は飾りなの?」。たまにはそんな、意地の悪い顔も見たかった。満足した彼女は先の別れを訂正する。「ほーんと、バカだよね!」甘い甘い唇が、一瞬だけ、そっと触れた。

📚「嘘…ですよね?」それは貴方の常套句。動揺のあまり半笑いを浮かべ、後ろ手に頭を掻いた。「あ…はは……えっと…嘘……じゃないんですか?あれ…おかしいな……はは…現実は小説より奇なり、というやつですか?……小生より小説家向いているんじゃないですか?」ベラベラと続ける、苦しい言い訳と笑えない冗談。震える指先で彼女の服の裾を掴んだ。やっとの思いで告げる、「置いていかないで」。きっとこれは、本心だ。

🎲「あー……そっか…うん。まぁ……俺、こんなだしな」見限られても仕方ないよなって。「ま、いつかはこうなると思ってたよ」あっけらかんとしていて、サッパリしているのになんだか切ない。だってほら、ギャンブラーだから。大切な物は少ない方が都合が良いんだ。「お前ならもっと良い男と出会えるよ、賭けてもいい」いつもの、いや、いつも以上の笑顔で、彼は送り出そうとしてくれる。そんなのって反則だ。彼女は涙を浮かべ、無言で袖を掴んだ。「……行くなって言ってほしい?」既に、腕の中に収めているというのに。



💉「……そうか。君も離れていくんだね」美しくて哀しい。足を組んで顎に手を当てて、いつも通りの彼だ。「一つ、聞かせてくれないかい?共に過ごした時間は…君にとって有意義だったかな?」優しい笑顔がまた悲しみを引き立たせる。マイクでも使ったのかというほどに駆け巡る二人の思い出。無意識に流れる涙。自分から切り出した別れだというのに、彼女の涙は止まりはしない。開き掛けた口に彼の人差し指が触れる。「……考え直してくれた?」無言で頷けばその唇は甘く塞がれた。マイクを使ったのか否かなどは愚問だ。

🍸「俺っちのこと…嫌いになっちゃった?」笑顔とも泣き顔ともつかない顔で涙を浮かべた彼。答えを待たず、続ける。「俺っちには君しかいないんだけど…そう、だよね……」それっきり、俯いて、黙り込む。そっと覗き込めば、No.1ホストとは思えないほどに崩れた泣き顔があった。頭をよぎる、最悪な発想。ここで手放したならば死んでしまうのではないか、と。思わず抱き締め、泣き止むのを待つ彼女。これは、絶対に良くない方向に進んでいる。そう解りながらも抗えない。「ねぇ、お願い。お願いだから……嫌いにならないで」

👔『……わかった、じゃあ今ここで一緒に死んでくれ』とでも言いそうだと思っていた彼女。無言でボロボロと涙を流す彼を目にし唖然とした。「……あっ…ごめん…………いい年したおっさんがガチ泣きとかキモいよな」涙を拭った目元は赤い。そういう姿に弱いから、彼女はついつい撤回しそうになる。けれど、終わりにしなければ。こんな共依存、終わりにしなければ。彼女は今一度終わりの言葉を告げる。彼は俯いたまま「やだ」と短く答えた。“いい年したおっさん”などとよく言ったものだ。まるで5歳児じゃないか。「……やだ、やだよ、俺。俺、○○のこと手放したくない」涙目の彼を、彼女もきっと手放せない。

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