#hpmiプラスまとめ
終電逃しちゃった
2019/03/02 13:011️⃣「こういう時のための彼氏だろ?」躊躇などせず手を掴み、一目散に家へ向かう。彼女は弟くん達がなんだとか言っているが、彼は微塵も気にしない。だって「俺の部屋で寝るんだから問題ねーだろ?」そして揶揄うように続ける、「あ、もしかしてエロいこと考えてた?今日は何もしねーから安心しろって」彼女に小突かれへらりと笑う。小さな幸せの積み重ね。風呂上がりの彼女を拝むことは叶いそうにない。遊び盛りとて、眠い時は眠いのだ。
2️⃣「あー…うち来たら?にい……兄貴に怒られるかもだけど………俺がちゃんと説明すっから」 彼女の前では兄貴呼び。とにかく格好つけたいお年頃。弟には合わせたくないが、長兄にはそろそろ紹介したい頃合いだ。家に行く、つまり“そういうこと”だと考え、彼女は今日の下着を思い出している。そんな彼女とは裏腹に、彼は能天気に夜食を思い描く。「なあ、ラーメン食いたくね?」夜中のラーメンは背徳の味。食べ始めたなら止まらない。その後はもう、幸福感に満たされて眠るだけだ。
3️⃣「あと○分で終電じゃないですか?走りますよ!」手を握る。走る。只管に走る。そろそろ大丈夫かと足を止める。ゆっくり、終電など来なければと願いながら駅まで歩いた。言葉の端々から感じる、彼女の“帰りたくない”という思い。解っていながら目を逸らす。温かい手をそっと離し「えっと……また…今度……。帰り道、気を付けて!」。笑顔で見送りさようなら。ひとり、暗い夜道を歩きながらぼんやり思う、やはり終電は逃すべきであったと。
🐴「あ゛?帰るつもりだったのかよ」今日一日、否、昨晩からそのつもりだった。泊めて、抱いて、朝を迎えるつもりだった。なのに帰る?どの口が言った?一瞬怒りを浮かべかけたが、泊まるとの声を聴き忽ち機嫌は元通り。念入りに片した部屋へ彼女を連れ込み、とりあえずキスをした。小さな笑みが溢れたのを確認し、「さっさとシャワー浴びて来い」と告げる。“さっさと”と言いながら彼女の腰に回した腕を放すつもりはない。「……なあ、やっぱこのまま…駄目か?」
🐰「お前の足は何の為にあるんだ」歩いて帰れと暗に示す。彼とて終電はないはずだが、きっとパトカーという最終手段も厭わないのだろう。彼は「行くぞ」と呟き歩を進める。彼女は身も心も一歩引き、やや遅れて付いて行く。頭を過る別れの言葉。考え込んでいたからか立ち止まっていた彼に気付かず、勢い良く背中にぶつかった。細身ではあるが思っているよりも広い、その背中に。「何やってんだ」笑いを堪えつつ彼は続ける。ピンク色のホテルのネオンが妙な色気を際立たせた。「一人でこんな所に泊めるわけにもいかん。俺も泊まる、早くしろ」
🐦「そうか、送ってやろう」電車がないなら歩けばいいじゃない。彼は揚々と歩き始める。嘘でしょ勘弁して無理だから、ネガティブなワードが彼女の頭を駆け巡った。流石に述べる、否定の言葉。「だが…ここで野営は少々難しいぞ」と、彼は怪訝な眼差しを向けた。困惑しつつ、恥じらいつつ、彼女はひとつ、提案する。電飾煌めく、如何わしきホテル街への歩みを。男女の並びを目にして察した彼は呟く、「気の利かぬ男で済まない」。改めて口にされると妙に恥ずかしく、彼女は耳まで赤くした。「さあ、行くぞ」勇ましく、男らしく、朝までエスコートしてくれるはずだ。
🍭「え?終電逃したの?じゃ、ウチおいでよ☆ってかさー、わざと逃したよね?」何のことかと彼女はシラを切る。バレバレだと彼は笑う。「まー、ちょっと可愛かったから許してあげるけど、おねだりはもっと上手くやらないと、ね?」プロの貴方には敵わないだとかなんだとか、互いに減らず口を投げ合った。そうこうしているうちに彼の家に到着。いざ来てしまうと足がすくむ。心臓がうるさく跳ねる。手が汗ばむ。「緊張してんの?」彼は淡々と開け、暗い玄関でキスをした。「わかってんだよね?」どういうことか、言わなくても。
📚「小生の家にいらっしゃいますか?」“まあ、嘘ですけど”、断られたらそう言えばいい。なんて便利な言葉だろう。鼓動が煩く、今にも嘘だと言ってしまいたい彼。何もしないかと彼女に問われ、笑顔を浮かべ嘘を述べる。「そりゃあしませんよ、しませんとも」彼は思う、我ながら嘘っぽい。彼女は思う、これは流石に嘘っぽい。流れる沈黙に耐えかね、「今のは嘘です」と本音を呟く。出した言葉は戻せない。過ぎた時間も戻せない。渦巻く後悔、流れる冷や汗。「……無理にとは、言いません」暗がり故、判りにくいが彼の顔は耳まで赤い。
🎲「え?終電ねーの?まじかよしゃーねえな」財布を出し、タクシー代を渡そうとするも案の定だが素寒貧。「あ〜……うん、すまん…ホテルでも泊まっ…いや今のはナシで」からの気まずい沈黙。「お、お前ん家まで歩く…?」金の無きことをギャンブル以外の場面で悔やむのは久しぶりだ。家まで歩くのは絶対に無理だと言い張る彼女は、彼の手を引きラブホテルへ。部屋に入るなりキスをした。「っはぁ…俺より男らしいじゃんお前」脛を蹴られてもう一度、平謝りとキスをした。「いやぁ、悪りぃ悪りぃ」
💉「ふふ。なら、我が家に招待しますよ」引く手の優しさ、温かさ。ふわりと香る彼の匂い。「そんな回りくどいことしなくたっていいのに」そう言われてははぐらかす他ないが、バレているものはバレている。それを見た彼は意地悪く、「今度からは気を付けないとね、電車」などと笑った。「あっ!いっそうちに住んだらどうだい?そうしたら終電なんて関係ないよ」茶化しているのか、本心なのか。チカチカと明滅するネオンライトが彼の本心をひた隠しにした。「え?冗談でしょって?……どうだろうね」
🍸「あ!いっけね、電車逃しちった☆つーことで、今日泊めて?」大都会シンジュク行きの終電がこんなに早いものか。どこぞのキャラクターのように舌を出して愛らしく笑ったところで、終電が突然早まったりはしない。彼女が電車はまだある事を告げれば「えー俺っち帰りたくなーい」と、公園から帰りたくない小学生のような言い草だ。馬の耳に念仏、無駄な問答を繰り広げ、「……俺っちがいたらやだ?」との言葉に彼女は遂に折れる。まあ、初めから泊めるつもりではあったけれど。
👔「俺もよくあるよ………」別の意味でよく終電を逃している彼。「○○ってネカフェが安くてよく泊まるんだよね、オススメ」まで言ったのち大きなミスに気付く。時すでに遅し、彼女はやや引いた笑みを浮かべていた。「あー……まあもっとオススメなとこがあるんだけど…その……○○さえ嫌じゃなければなんだけど…………お、俺ん家来る?」背中を伝うのは冷や汗だ。彼女がNOと言ったならば仕方ない、一人寂しく眠るとしよう。
2️⃣「あー…うち来たら?にい……兄貴に怒られるかもだけど………俺がちゃんと説明すっから」 彼女の前では兄貴呼び。とにかく格好つけたいお年頃。弟には合わせたくないが、長兄にはそろそろ紹介したい頃合いだ。家に行く、つまり“そういうこと”だと考え、彼女は今日の下着を思い出している。そんな彼女とは裏腹に、彼は能天気に夜食を思い描く。「なあ、ラーメン食いたくね?」夜中のラーメンは背徳の味。食べ始めたなら止まらない。その後はもう、幸福感に満たされて眠るだけだ。
3️⃣「あと○分で終電じゃないですか?走りますよ!」手を握る。走る。只管に走る。そろそろ大丈夫かと足を止める。ゆっくり、終電など来なければと願いながら駅まで歩いた。言葉の端々から感じる、彼女の“帰りたくない”という思い。解っていながら目を逸らす。温かい手をそっと離し「えっと……また…今度……。帰り道、気を付けて!」。笑顔で見送りさようなら。ひとり、暗い夜道を歩きながらぼんやり思う、やはり終電は逃すべきであったと。
🐴「あ゛?帰るつもりだったのかよ」今日一日、否、昨晩からそのつもりだった。泊めて、抱いて、朝を迎えるつもりだった。なのに帰る?どの口が言った?一瞬怒りを浮かべかけたが、泊まるとの声を聴き忽ち機嫌は元通り。念入りに片した部屋へ彼女を連れ込み、とりあえずキスをした。小さな笑みが溢れたのを確認し、「さっさとシャワー浴びて来い」と告げる。“さっさと”と言いながら彼女の腰に回した腕を放すつもりはない。「……なあ、やっぱこのまま…駄目か?」
🐰「お前の足は何の為にあるんだ」歩いて帰れと暗に示す。彼とて終電はないはずだが、きっとパトカーという最終手段も厭わないのだろう。彼は「行くぞ」と呟き歩を進める。彼女は身も心も一歩引き、やや遅れて付いて行く。頭を過る別れの言葉。考え込んでいたからか立ち止まっていた彼に気付かず、勢い良く背中にぶつかった。細身ではあるが思っているよりも広い、その背中に。「何やってんだ」笑いを堪えつつ彼は続ける。ピンク色のホテルのネオンが妙な色気を際立たせた。「一人でこんな所に泊めるわけにもいかん。俺も泊まる、早くしろ」
🐦「そうか、送ってやろう」電車がないなら歩けばいいじゃない。彼は揚々と歩き始める。嘘でしょ勘弁して無理だから、ネガティブなワードが彼女の頭を駆け巡った。流石に述べる、否定の言葉。「だが…ここで野営は少々難しいぞ」と、彼は怪訝な眼差しを向けた。困惑しつつ、恥じらいつつ、彼女はひとつ、提案する。電飾煌めく、如何わしきホテル街への歩みを。男女の並びを目にして察した彼は呟く、「気の利かぬ男で済まない」。改めて口にされると妙に恥ずかしく、彼女は耳まで赤くした。「さあ、行くぞ」勇ましく、男らしく、朝までエスコートしてくれるはずだ。
🍭「え?終電逃したの?じゃ、ウチおいでよ☆ってかさー、わざと逃したよね?」何のことかと彼女はシラを切る。バレバレだと彼は笑う。「まー、ちょっと可愛かったから許してあげるけど、おねだりはもっと上手くやらないと、ね?」プロの貴方には敵わないだとかなんだとか、互いに減らず口を投げ合った。そうこうしているうちに彼の家に到着。いざ来てしまうと足がすくむ。心臓がうるさく跳ねる。手が汗ばむ。「緊張してんの?」彼は淡々と開け、暗い玄関でキスをした。「わかってんだよね?」どういうことか、言わなくても。
📚「小生の家にいらっしゃいますか?」“まあ、嘘ですけど”、断られたらそう言えばいい。なんて便利な言葉だろう。鼓動が煩く、今にも嘘だと言ってしまいたい彼。何もしないかと彼女に問われ、笑顔を浮かべ嘘を述べる。「そりゃあしませんよ、しませんとも」彼は思う、我ながら嘘っぽい。彼女は思う、これは流石に嘘っぽい。流れる沈黙に耐えかね、「今のは嘘です」と本音を呟く。出した言葉は戻せない。過ぎた時間も戻せない。渦巻く後悔、流れる冷や汗。「……無理にとは、言いません」暗がり故、判りにくいが彼の顔は耳まで赤い。
🎲「え?終電ねーの?まじかよしゃーねえな」財布を出し、タクシー代を渡そうとするも案の定だが素寒貧。「あ〜……うん、すまん…ホテルでも泊まっ…いや今のはナシで」からの気まずい沈黙。「お、お前ん家まで歩く…?」金の無きことをギャンブル以外の場面で悔やむのは久しぶりだ。家まで歩くのは絶対に無理だと言い張る彼女は、彼の手を引きラブホテルへ。部屋に入るなりキスをした。「っはぁ…俺より男らしいじゃんお前」脛を蹴られてもう一度、平謝りとキスをした。「いやぁ、悪りぃ悪りぃ」
💉「ふふ。なら、我が家に招待しますよ」引く手の優しさ、温かさ。ふわりと香る彼の匂い。「そんな回りくどいことしなくたっていいのに」そう言われてははぐらかす他ないが、バレているものはバレている。それを見た彼は意地悪く、「今度からは気を付けないとね、電車」などと笑った。「あっ!いっそうちに住んだらどうだい?そうしたら終電なんて関係ないよ」茶化しているのか、本心なのか。チカチカと明滅するネオンライトが彼の本心をひた隠しにした。「え?冗談でしょって?……どうだろうね」
🍸「あ!いっけね、電車逃しちった☆つーことで、今日泊めて?」大都会シンジュク行きの終電がこんなに早いものか。どこぞのキャラクターのように舌を出して愛らしく笑ったところで、終電が突然早まったりはしない。彼女が電車はまだある事を告げれば「えー俺っち帰りたくなーい」と、公園から帰りたくない小学生のような言い草だ。馬の耳に念仏、無駄な問答を繰り広げ、「……俺っちがいたらやだ?」との言葉に彼女は遂に折れる。まあ、初めから泊めるつもりではあったけれど。
👔「俺もよくあるよ………」別の意味でよく終電を逃している彼。「○○ってネカフェが安くてよく泊まるんだよね、オススメ」まで言ったのち大きなミスに気付く。時すでに遅し、彼女はやや引いた笑みを浮かべていた。「あー……まあもっとオススメなとこがあるんだけど…その……○○さえ嫌じゃなければなんだけど…………お、俺ん家来る?」背中を伝うのは冷や汗だ。彼女がNOと言ったならば仕方ない、一人寂しく眠るとしよう。