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#hpmiプラスまとめ

誕生日なのに別の予定が

2019/02/03 17:39
1️⃣「ほんっっっっとにゴメン!!!!!」顔の前で手を合わせ大声で謝罪。依頼ならば仕方ない、だって彼の家家計の最も太い収入源だもの。だから彼女は怒る気にもなれない。いいよとだけ返して帰宅しようとすれば、背後から抱き締められ腕の中へ。「……今日、泊まってかない?埋め合わせにはなんないけど…俺が……寂しい」耳元で囁かれた「帰んないでよ」。強い力に引き留められ帰宅は見送りとなった。甘えられると弱いのだ。

2️⃣「い、今すぐ断るから!な!!?」 友人との集まりだと言うし、断ってくれるのならそれに越したことはない。けれど友人たちから慕われる彼が不在では、今度は友人たちが悲しむのではないだろうか。彼女は思わずそちらを優先するよう言う。「は?なんで?そりゃアイツらも大事だけど普通の集まりだし。だったら優先すんのは……○○ちゃんの誕生日だろ」当たり前だろ、という顔がなんとも彼らしい。「だって、特別な日じゃん」

3️⃣「ご、ごめんなさい…いち兄の手伝いが出来るって舞い上がってしまって…」え?いま?いちにぃって??と口に出さないにしても困惑の表情を浮かべる彼女。「あっいや今のは!その……あぁ〜!そうです!家ではいち兄って呼んでます!悪いですか!!」恥じらいから頬を染める彼と、愛らしさ故に頬を染める彼女。怒る気は失せた。「そ、相談してみるので…その……一緒に来て。…ついでみたくなっちゃったけど、紹介させてください」


🐴「悪りぃ…どうしても外せなくてよ……」珍しく疲弊した様子を表に出し、ソファに沈んだ彼は言う。隣に腰掛けた彼女は仕方ないよと頭を撫でた。甘えるようにしてキスをする彼。離れた唇から紡がれたのは妙に寂しげな声色。「…物分かりが良過ぎるのも考えモンだな。偶にはワガママ言ってもいいんだぜ」優しい瞳は彼女を見遣る。「……ゴメンな、寂しい想いさせちまって」果たしてどちらが寂しいのか。彼女は腕の中に彼を収め、力いっぱい抱き締めた。「なあ……愛してるよ」

🐰「あー…その……埋め合わせは絶対するから。だから…機嫌直してくれよ、頼むから」彼の仕事柄、仕方がないことは悔しいほどに解っている。けれど寂しいものは寂しいし、悲しいものは悲しい。もういい、一番言いたくなかった言葉を放ち玄関へと向かう彼女。「おい」背中にぶつかる声は心なしかいつもより小さい。「待てって」手首が掴まれ、引き留められる。泣き顔を見られたくなくないが為に振り向かずにいる彼女を抱き締め言う。「行くなよ……お前の願い、何でも聞くから」

🐦「すまない…なんと言ったら良いのか……」俯く彼を残し帰宅した。何も、ちょうどその日に予定を入れることはないだろう。彼女の怒りは収まらず、悲しみも潰えず、騒々しい繁華街をふらふらと歩く。頭も冷めたところで帰宅すれば、ドアの前には見慣れた大きな背中があった。「…遅かったな」白い息と共に吐き出された言葉は案外素っ気ない。何も言わずにドアを開け、何も言わずに中に招いた。玄関先、靴も脱がずに身を寄せ合う。「……○○の誕生日、是非とも小官に祝わせてほしい」


🍭「ホンットにごめん!夜には帰ってくるから!ね?!」商談では仕方ない。況してや恋人になったのだ、彼を信じるべきだと彼女は自身に言い聞かせる。もしも相手が女性であってもそれも仕事。全部仕事一環。まあ、いちいち妬いていてはキリがない。両手でマグを掴んだ彼は不服そうに言う「……怒んないの?」。別にといった態度の彼女。強がっているだけなのは見え見えだ。「…強がってないで早くこっちおいでよ。埋め合わせする」ほら、今にも泣き出しそうなのだから。

📚「だから…謝っているじゃないですか……そりゃあ小生だって貴女と過ごしたいですよ」つまらなそうな表情が虚空を眺める。彼女は我儘を連ねては怒り、駄々を捏ねては泣きそうになりを繰り返した。「はいはいはい。わかりましたよ。わかりました。でもその日は出版社へ行くのでどうしてもダメなんです」ぎゅっと腰に腕を回し耳元で囁く。こんなことでは許されはしないし、彼女も許しはしないのだが、互いの体温が心地良く何やら有耶無耶となった。「……今日、泊まって行きなんし」

🎲「……あれ?そん次の日じゃねえの?ま、マジか?!今すぐ日にち変えてもらうわ!」行き着けの雀荘でちょっとした賭け事をする約束をしていたのだそうだ。どちらが先だったのかはわからないし、日付を勘違いしていたのならば仕方ない。いや、腹立たしくはあるが。そちらを優先するよう言えば「ンなわけいくかよ!動かせる予定なんだから、いーの!」とムッとした顔を向ける。だが自身の恋人が“約束を無碍にする男”というレッテルを貼られるのは我慢ならない。彼と彼女の、酷くくだらない、恋人煩悩な争いが幕を開ける。犬も食わない。


💉※今回は当直のある科目の先生になってもらいました
「ごめんね…その日はどうしても当直医が足りなくて……」大丈夫、しょうがないよ、また別の日にしよう。彼女が何度も口にしてきた“良い子”の言葉。言い飽きた、などという日本語があるのならば正しくそれだ。「……ごめんね」暗い声、暗い表情、いつもの2人。何よりも怖い“マンネリ”。彼の興味を引くにはそろそろ、我儘の一つや二つ振舞うべきか。開きかけた唇は彼の長い指に遮られる。「いいんだよ、無理して我儘なんて言わなくて。でもそれが本心なら…ちゃんと聞かせて?」だのに、唇は塞がれた。

🍸「こ、こんなこと言いなくないんだけど…○○ちゃんが店に来るってのはどう…かな……」徐々に小さくなった声。だが、途端に彼はボリュームを上げる。「いややっぱナシで!今のナシ!聞かなかったことにして!○○ちゃんは俺っちの恋人!お客さんじゃないの!!」やはり恋人は店に招きたくはない。店に入った時点で“お客様”。商売、悪く言うなら搾取の対象。仕事なのだからと宥める彼女に彼は擦り寄る。「じゃあさぁ…他の日にいーっぱい祝おうね?俺っち料理頑張るしぃ…そ、その……夜も、が、頑張る、から…!」

👔「申し訳ない!!!」見事な、綺麗な土下座。慣れているのか、イメージトレーニングの賜物なのかはわからない。顔を上げるよう声を掛け、意気消沈した彼をソファに促す。「俺が…もっと仕事できる奴なら……」額に赤い跡を付けた彼は、自己嫌悪の言葉を繰り返し呟く。よしよし、と頭に触れれば気持ち良さそうに目を細めた。「……ホントごめん」そればかり吐き出す唇は塞いでしまった。“ごめん”の禁止を告げれば「さっきの、もっと」などとキスを強請る。これではどちらが慰められるべき側なのか分かったものではない。

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