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#hpmiプラスまとめ

「あれ?指輪は?」

2019/02/03 17:37
1️⃣「そっ……か…」残念そうな悲しそうな表情に彼女は心を痛める。単純に贈り物ということは勿論だが、弟2人を養いながら貯めたお金で買ってくれた物。それを思うと謝る他できない。「…ま。しゃーねぇよな。明日ペアリングでも見に行くか!悪りぃけど、今度は割り勘だかんな」恥ずかしげに笑う彼。そういえば、今月は厳しいと言っていたっけ。

2️⃣「あー…そう、なんだ」歯切れの悪い返事に嫌な汗をかく。怒るのも悲しむのも当然のことだ。込み上げる涙を堪えながら謝れば「まあ、また買えばいいじゃん」と存外呆気ない。怒らないのかと問えば「怒っても見つかるもんでもねーだろ?」と予想外の余裕な様。尚も俯いたままの彼女の頬に、触れるようにキスをする。「…ったく、今のでチャラにしてやるから」彼は赤い顔を恥ずかしそうに背けた。

3️⃣「…いつ頃ですか?紛失届は出しました?」冷静に話を聞き「それ、バッグに入っているとかそんなオチじゃ…」と閃いたように言う。何度も見たはずだが言われた通り隅々まで探し、次は化粧ポーチ。彼女は小さく声を上げる。「ありました?」泣きそうな、それでいて笑い出しそうな不思議な表情を浮かべた彼女。「良かったですね。じゃ、泣くのは無しで。持つべきものは天才彼氏。


🐴「そうか。じゃ、そろそろ婚約指輪でも渡さねぇとな」煙草を吹かしながら淡々と述べる。きっと怒っている、怒鳴る気にもなれず慰めるような事を言ってくれているのだ。彼女はそう解釈しした。「…って、お前何泣きそうになってんだよ……もしかして、本気にしてねぇのか?」今にも零れそうな涙は「今のはその…プロポーズだ」、の言葉を聞き遂には流れ落ちた。彼女の身を腕に収めた主の鼓動は酷く速い。「……プロポーズ、やり直してぇわ」

🐰「ばーか。泣くんじゃねぇよ、もっと上等なのを買ってやるから…な?」優しく頭を撫でる大きな手。ふわりと触れる唇。“だって”やら“でも”やら呟き、彼女は涙を止めずにいる。「ったく、しゃーねぇなぁ」五月蝿いと言わんばかりに塞がれる唇。絡む舌に抗えはしない。酸素を継ぎ足し何度もキスをした。「まだ泣くか?なら次は容赦しねぇぞ?」形の良い唇が愉しげに弧を描く。

🐦「小官に任せておけ」場所と日時を聞き出す彼。行動の検討はつく。だがその場にまだ指輪があるわけもない。数日後、珍しく彼からの呼び出し。キャンプ地に出向けば手を出すよう言われ、失くしたのと同じ指輪が添えられた。驚く彼女に「見つけたんだ」と微笑む彼。きっと新しく買い直したのだ。だが、彼が“見つけた”というのだから見つかったのだろう。それを察し涙を溢れさせる彼女。「まったく。○○は泣き虫なのだな」


🍭「ふーん……じゃあこれ、なーんだっ!」彼の手のひらに転がっているのは、自身が失くしたはずの指輪そのものだ。オーダーメイドのペアリング。世界に二つと無い2人だけの代物。「うちの洗面台に置いてあったよー。もう、危ないんだから」そう言って彼は指に通す。ついでにキスも。「失くさないでよねぇ?ペアリングひとりで着けてるとか、僕が虚しい奴になっちゃうじゃん」

📚「おやまあそれは残念。だから最近元気が無かったので?」翡翠色の瞳は真っ直ぐに彼女を見つめる。小さく頷けば「あれではご不満でしたか?」と楽しそうに笑った。そんなわけがないと声を荒げる彼女。「嘘ですよ」パタンと閉じられたハードカバーの本。静かな空気が居心地悪く、彼女は立ち上がる。「……指輪なら、今度は2人分買いましょう。小生のと、貴女のと」そろそろ、目に見える絆も悪くない。彼は耳まで赤らめた。

🎲「お、おう……まあまた買えばいいじゃん?俺だって…いつも負けっぱなしじゃねえし」お金の問題ではない。そう言いたいが紛失した身。弱々しく返事をする他ない。「あ!もしかして俺からの贈りモンだから気に入ってた?」太陽のような笑顔が眩しく、彼女は思わず目を逸らした。「んなっ!寒いこと言ったからって目ぇ逸らすな!」自分の方を向かせ唇を塞ぐ。「……次はもっと高いやつ買ってやる。待っとけ」


💉「そっかぁ。厭な聞き方をしてしまったね」互いの間に生まれる気遣い。妙に居心地が悪い。何度目かの謝罪を口にすれば「それはもういいから」と柔らかな笑顔が彼女を見つめる。「次は失くさないようにネックレスを贈ろうかな」彼には申し訳ないが、指輪がいいと本心を述べた。「…そう。じゃあ、薬指のサイズでも聞いておこうかな」そっと手に取ったのは勿論、彼女の左手。

🍸「えっあっそうなの………ううん!怒ってない!怒ってないから!」彼からの贈り物=ハイブランド。彼の怒りや悲しみよりも金額を考えてしまい頭が真っ白になる。「…え?あー、まあ、そこそこしたけどぉ……○○ちゃんへの贈りモン考えてる時ってなんか幸せだしぃ?また違うの買うから、ホントいいんだよ?」愛おしそうに彼女の手を取り指を絡ませる。スーツ無しでもそんな顔でそんな言葉が吐けるなんて。汗ばむ掌さえも不安を煽る。

👔「だ、大丈夫…あれはほら、普段使い、的なやつだし…こ、婚約指輪とかそういうのじゃない…し」焦った様子の彼は要らぬ事まで口走る。それなりの額がしたのであろうことは明白だ。もう一度探すからとの彼女の言葉は彼に遮られた。「……そ、それより、さ。俺、いま…婚約指輪って言ったんだよ?…どう、かな?そろそろ……真剣に考えてみてほしい」赤らむ頬で、潤んだ瞳で彼は言う。そっと触れた指先は緊張のせいか酷く冷たかった。

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