#hpmiプラスまとめ
彼女を帰らせたくない
2019/10/19 11:081️⃣「えー、もうちょいいいじゃん。な?」
肩に腕を回して抱き寄せた彼は、優しい目をして口付けた。彼女が抗わないのは恐らく彼への答えなのだろう。「……それとも、もうちょいと言わずいっそ泊まってく?」先までの大人びた雰囲気は消え去り、子どものような無邪気な笑顔がそこにあった。彼女が返答に困っていると、「冗談だよ、冗談。もう少ししたら送るから、ちょっとだけこうさせて」と彼。膝枕をねだり、束の間の体温交換を楽しんだ。彼女は今更、泊めてなんて言い出せないまま。
2️⃣「えっあ…そ……もうちょい…一緒にいない?」
そろそろ帰るねと言われた彼は、どもりながら彼女を引き留めた。咄嗟に掴んだ掌からは、誤魔化しようが無いほどに熱が伝わっているだろう。彼女が再び腰を下ろすまでの数秒のはずなのに、彼には何十分ものように感じられてしまっていた。「い、いいの?」別段何をするわけでもないが、もう少し君といたい。そんな日があったっていいじゃないか。冷えたコーラを片手に、お菓子を開けてテレビ鑑賞。そんな何でもない時間が堪らなく愛おしい。
3️⃣「じ、実は!えっと…ゆ、夕飯にピザを食べたくて!その!一緒にどう…です?」本当は食べたくないけれど、引き留める為ならば。もう少し一緒にいられるならば、出前なんて安いものだ。いいの?と目を輝かせる彼女と一緒にピザ選び。しかし、そろそろ兄達も帰ってくる時間だ。「あの…兄弟も一緒でも大丈夫……ですか?」はからずして初めましての場となるが、彼女は頬を染めながら頷いた。大勢で囲むピザはやはり美味しいし、食後もゆっくりできたし、やっぱりお家デートは最高だ。「また今度ゆっくりしましょうね!その……ふ、二人きり、で」
🐴「あ?もうちょいいいだろ……俺様の頼みが聞けねえってのかよ」そろそろ、と切り出した彼女の肩を掴みそっと体重をかければ、その身体は何の抵抗もなく押し倒されてくれた。自身を見上げる瞳と視線がぶつかり「悪りぃ」と口にしたが、その唇はすぐに彼女の唇を塞いだ。余裕がない、ただ只管に余裕がない。頭の中では帰さない方法を探しているが何一つ浮かばない。「……なあ、今夜…ダメなのかよ」離れた唇から紡がれたのはあまりにも弱々しい声色。彼女は黙って彼を見つめている。こんな珍しい姿、もう少し目に焼き付けておかなくては勿体ないから。
🐰「終電?……お前知ってるか、兎は寂しいと死んじまうんだってよ」
気の利いたことを言ったつもりか、後から恥ずかしさが込み上げてきたのか、彼は柄にもなく赤面している。小さく笑った彼女がもう少し居ることを告げると、ほっとしたのか同じく笑みを浮かべた。「さて、どうします?」せっかくの2人の時間、何をして過ごすかと怪しげに微笑む彼。そうこうしているうちに時間は進んでいく。気が短いのか、彼はたちまち大人びた雰囲気を放り投げ、「めんどくせえ、ゆっくりしようぜ」と彼女を引き寄せた。「膝枕でもしてやろうか?」意地悪げに笑った彼はキスをして、「冗談だよ」と口角を上げた。どうやら今日は少しだけ、普段よりも意地が悪いようだ。
🐦「今夜は星が綺麗だな。できることなら暫し、○○と共に眺めていたいのだが…駄目、だろうか?」
彼の瞳にも彼女の瞳にも、満天の星空が映り込んでいる。指先が触れていた2人の手はそっと重なった。ぎゅ、大きく温かな手がぎゅ、と彼女の手を握りしめる。優しい瞳と視線がぶつかり、自然と唇が重なった。「そろそろ夏も終わりだな」そんな一言が妙に寂しく、今度は彼女の方から唇を塞いだ。遠くでは虫たちが羽を震わせている。そんな、静かな夜。「冬の星空も美しいんだ。○○さえ良ければ、また共に星を眺めよう」
🍭「えー!もう帰っちゃうのー?ヤダ〜、僕つまんなーい!」
お腹に腕を回してぎゅー。どっちが女の子?という素朴な疑問を抱きつつ、ぎゅっと抱きしめ返した。「えへへ、○○ちゃんだーいすき☆」そんなわざとらしくも感じられる言葉だが、彼が言うのならば何故か許せてしまう。紅茶を淹れ直してお菓子を食べて、女子会宛らのティータイム…ではなく、キンキンに冷えたビールを開けて特に何の意味もない乾杯。「やっぱ夏は冷えたビールに限るよね〜!」おつまみには駄菓子をどっさり。もう少しと言わず、帰らないパターン。
📚「おやおや、終電、逃してしまいましたねえ。え?嘘でしょって?そんなことないですよ、この後逃すんですから、ね?」
まだ一緒にいたいとか、帰らないでとか、そんな言葉が素直に言えるはずもなく。彼は茶化すような嘘ばかり。けれど彼女にとってはわかりきったこと。だから、黙ってそれに従う。「小生と一緒にうだうだダラダラしましょ?ね?」過ごしやすい気候となった今日この頃。お酒片手にその誘いはまるで悪魔の囁きだ。増えていく缶と、鈍くなっていく思考。「なんだか小生、酔ってしまったようで…眠たくなってきちゃいました」まあ、嘘ですけどね。嘘ですけど、膝を、貸して欲しいのです。
🎲「なあ!今日○○ん家行っていい?…えー、久々に会ったのにもう解散かよ」
明日仕事だから、と断られた彼はあからさまに不機嫌に。ちょっと離れて歩く背中はなんだか寂しそうだった。あまり甘やかしてはいけないとわかっていながらも彼女はその背に声をかけてしまう。「……え、いいの?でもさっき…」彼はまだ少し不機嫌。暗闇に紛れる場所で頬にキスをして、行くよ!と強く手を引いた。今どきドラマや漫画じゃあるまいし、と彼女は内心赤面。けれど「やりぃ!○○ん家、落ち着くんだよなー!」なんて嬉しそうな声を聞いたなら羞恥など吹き飛んだ。そして、なんだかんだで甘やかし続けてしまう。
💉「………今日、泊まって行ったら?」
食後のコーヒーを飲みながらテレビを見てまったり。そんな時彼がふと切り出した。彼女とて泊まりたいのは山々だが明日は仕事。着替えも無い。いまいち煮え切らない返事をすると「仕事と着替えのことを心配してるの?」とドンピシャな質問。肯定すれば、「夜は私の服を着たらいいし、明日は早めに車で送るよ?」と食い下がってくる彼。いつのまにか距離が近い。手が重なり、唇が重なり、鼓動が重なる。こんな高鳴った気持ちのまま、帰宅することが出来ようか。「……で、どうする?帰っちゃう?」あまりにも優しい瞳と声色が、この上なく狡猾ものに感じられた。帰るなんて選択肢はない。
🍸「えっと…その……も、もう、帰っちゃう…?」
テーブルを挟んで向こう側にいる彼女の手にそっと手を重ね、上目遣いで彼はそう述べた。お酒が入って瞳の潤んだ彼の瞳はこの上なく美しい。彼女はつい、お店でもこうなのかな、とかそんなことばかりを考えてしまう。「……あー!いま○○ちゃん、お店でもこうなの?とか考えてたっしょ?!俺っちわかるよ!そーゆーの、なんとなくわかんの!!」ムスッとした表情は忽ち愛らしいものに。謝って、もう少し居ることを告げて、もう一度謝れば彼は少し機嫌を直したようだ。「……あ、あんま、意地悪すると……えと……あ、後で後悔するかんな!」
👔「もう少し一緒に居たいんだが…俺も○○も明日仕事だもんな………え、い、いいのか?!」
一人で会話を終わらせようとしていたので慌てて返事。もう少しと言わず泊めてくれても…とは言い出せず、嬉しそうな彼の表情を眺める彼女。「酒……開ける?」ソワソワしながら彼は冷蔵庫から缶を取り出した。さほど酒に強くない彼女は、飲むのならばやはり泊まりたい。彼もきっとそれを察しているはずだ。「……あー…その………回りくどくてすまん。今日……泊まってく?」待っていたその一言に彼女は小さく頷いた。安堵した彼から缶を受け取り、ついでにキスをして、ほろ酔い気分で大人の時間へ。明日のことはもう考えない。
肩に腕を回して抱き寄せた彼は、優しい目をして口付けた。彼女が抗わないのは恐らく彼への答えなのだろう。「……それとも、もうちょいと言わずいっそ泊まってく?」先までの大人びた雰囲気は消え去り、子どものような無邪気な笑顔がそこにあった。彼女が返答に困っていると、「冗談だよ、冗談。もう少ししたら送るから、ちょっとだけこうさせて」と彼。膝枕をねだり、束の間の体温交換を楽しんだ。彼女は今更、泊めてなんて言い出せないまま。
2️⃣「えっあ…そ……もうちょい…一緒にいない?」
そろそろ帰るねと言われた彼は、どもりながら彼女を引き留めた。咄嗟に掴んだ掌からは、誤魔化しようが無いほどに熱が伝わっているだろう。彼女が再び腰を下ろすまでの数秒のはずなのに、彼には何十分ものように感じられてしまっていた。「い、いいの?」別段何をするわけでもないが、もう少し君といたい。そんな日があったっていいじゃないか。冷えたコーラを片手に、お菓子を開けてテレビ鑑賞。そんな何でもない時間が堪らなく愛おしい。
3️⃣「じ、実は!えっと…ゆ、夕飯にピザを食べたくて!その!一緒にどう…です?」本当は食べたくないけれど、引き留める為ならば。もう少し一緒にいられるならば、出前なんて安いものだ。いいの?と目を輝かせる彼女と一緒にピザ選び。しかし、そろそろ兄達も帰ってくる時間だ。「あの…兄弟も一緒でも大丈夫……ですか?」はからずして初めましての場となるが、彼女は頬を染めながら頷いた。大勢で囲むピザはやはり美味しいし、食後もゆっくりできたし、やっぱりお家デートは最高だ。「また今度ゆっくりしましょうね!その……ふ、二人きり、で」
🐴「あ?もうちょいいいだろ……俺様の頼みが聞けねえってのかよ」そろそろ、と切り出した彼女の肩を掴みそっと体重をかければ、その身体は何の抵抗もなく押し倒されてくれた。自身を見上げる瞳と視線がぶつかり「悪りぃ」と口にしたが、その唇はすぐに彼女の唇を塞いだ。余裕がない、ただ只管に余裕がない。頭の中では帰さない方法を探しているが何一つ浮かばない。「……なあ、今夜…ダメなのかよ」離れた唇から紡がれたのはあまりにも弱々しい声色。彼女は黙って彼を見つめている。こんな珍しい姿、もう少し目に焼き付けておかなくては勿体ないから。
🐰「終電?……お前知ってるか、兎は寂しいと死んじまうんだってよ」
気の利いたことを言ったつもりか、後から恥ずかしさが込み上げてきたのか、彼は柄にもなく赤面している。小さく笑った彼女がもう少し居ることを告げると、ほっとしたのか同じく笑みを浮かべた。「さて、どうします?」せっかくの2人の時間、何をして過ごすかと怪しげに微笑む彼。そうこうしているうちに時間は進んでいく。気が短いのか、彼はたちまち大人びた雰囲気を放り投げ、「めんどくせえ、ゆっくりしようぜ」と彼女を引き寄せた。「膝枕でもしてやろうか?」意地悪げに笑った彼はキスをして、「冗談だよ」と口角を上げた。どうやら今日は少しだけ、普段よりも意地が悪いようだ。
🐦「今夜は星が綺麗だな。できることなら暫し、○○と共に眺めていたいのだが…駄目、だろうか?」
彼の瞳にも彼女の瞳にも、満天の星空が映り込んでいる。指先が触れていた2人の手はそっと重なった。ぎゅ、大きく温かな手がぎゅ、と彼女の手を握りしめる。優しい瞳と視線がぶつかり、自然と唇が重なった。「そろそろ夏も終わりだな」そんな一言が妙に寂しく、今度は彼女の方から唇を塞いだ。遠くでは虫たちが羽を震わせている。そんな、静かな夜。「冬の星空も美しいんだ。○○さえ良ければ、また共に星を眺めよう」
🍭「えー!もう帰っちゃうのー?ヤダ〜、僕つまんなーい!」
お腹に腕を回してぎゅー。どっちが女の子?という素朴な疑問を抱きつつ、ぎゅっと抱きしめ返した。「えへへ、○○ちゃんだーいすき☆」そんなわざとらしくも感じられる言葉だが、彼が言うのならば何故か許せてしまう。紅茶を淹れ直してお菓子を食べて、女子会宛らのティータイム…ではなく、キンキンに冷えたビールを開けて特に何の意味もない乾杯。「やっぱ夏は冷えたビールに限るよね〜!」おつまみには駄菓子をどっさり。もう少しと言わず、帰らないパターン。
📚「おやおや、終電、逃してしまいましたねえ。え?嘘でしょって?そんなことないですよ、この後逃すんですから、ね?」
まだ一緒にいたいとか、帰らないでとか、そんな言葉が素直に言えるはずもなく。彼は茶化すような嘘ばかり。けれど彼女にとってはわかりきったこと。だから、黙ってそれに従う。「小生と一緒にうだうだダラダラしましょ?ね?」過ごしやすい気候となった今日この頃。お酒片手にその誘いはまるで悪魔の囁きだ。増えていく缶と、鈍くなっていく思考。「なんだか小生、酔ってしまったようで…眠たくなってきちゃいました」まあ、嘘ですけどね。嘘ですけど、膝を、貸して欲しいのです。
🎲「なあ!今日○○ん家行っていい?…えー、久々に会ったのにもう解散かよ」
明日仕事だから、と断られた彼はあからさまに不機嫌に。ちょっと離れて歩く背中はなんだか寂しそうだった。あまり甘やかしてはいけないとわかっていながらも彼女はその背に声をかけてしまう。「……え、いいの?でもさっき…」彼はまだ少し不機嫌。暗闇に紛れる場所で頬にキスをして、行くよ!と強く手を引いた。今どきドラマや漫画じゃあるまいし、と彼女は内心赤面。けれど「やりぃ!○○ん家、落ち着くんだよなー!」なんて嬉しそうな声を聞いたなら羞恥など吹き飛んだ。そして、なんだかんだで甘やかし続けてしまう。
💉「………今日、泊まって行ったら?」
食後のコーヒーを飲みながらテレビを見てまったり。そんな時彼がふと切り出した。彼女とて泊まりたいのは山々だが明日は仕事。着替えも無い。いまいち煮え切らない返事をすると「仕事と着替えのことを心配してるの?」とドンピシャな質問。肯定すれば、「夜は私の服を着たらいいし、明日は早めに車で送るよ?」と食い下がってくる彼。いつのまにか距離が近い。手が重なり、唇が重なり、鼓動が重なる。こんな高鳴った気持ちのまま、帰宅することが出来ようか。「……で、どうする?帰っちゃう?」あまりにも優しい瞳と声色が、この上なく狡猾ものに感じられた。帰るなんて選択肢はない。
🍸「えっと…その……も、もう、帰っちゃう…?」
テーブルを挟んで向こう側にいる彼女の手にそっと手を重ね、上目遣いで彼はそう述べた。お酒が入って瞳の潤んだ彼の瞳はこの上なく美しい。彼女はつい、お店でもこうなのかな、とかそんなことばかりを考えてしまう。「……あー!いま○○ちゃん、お店でもこうなの?とか考えてたっしょ?!俺っちわかるよ!そーゆーの、なんとなくわかんの!!」ムスッとした表情は忽ち愛らしいものに。謝って、もう少し居ることを告げて、もう一度謝れば彼は少し機嫌を直したようだ。「……あ、あんま、意地悪すると……えと……あ、後で後悔するかんな!」
👔「もう少し一緒に居たいんだが…俺も○○も明日仕事だもんな………え、い、いいのか?!」
一人で会話を終わらせようとしていたので慌てて返事。もう少しと言わず泊めてくれても…とは言い出せず、嬉しそうな彼の表情を眺める彼女。「酒……開ける?」ソワソワしながら彼は冷蔵庫から缶を取り出した。さほど酒に強くない彼女は、飲むのならばやはり泊まりたい。彼もきっとそれを察しているはずだ。「……あー…その………回りくどくてすまん。今日……泊まってく?」待っていたその一言に彼女は小さく頷いた。安堵した彼から缶を受け取り、ついでにキスをして、ほろ酔い気分で大人の時間へ。明日のことはもう考えない。