#hpmiプラスまとめ
喧嘩したままデート当日
2019/02/03 17:361️⃣「やーっと来た。遅えし…寒いからどっか入ろっか」何事もなかったかのように手を差し出した彼。その手は酷く冷たく、この場でどれほど待ったのかなど想像に難くない。「……この前はゴメンな」歩き出したと同時に呟かれた謝罪。似たような言葉を返せば「許してくれる?」と彼は立ち止まる。彼女が小さく頷いたのを見逃さず、人目を憚りそっと口付けた。「俺も」たった数日の空白だというのに、彼女の目には彼の笑顔が堪らなく愛おしく映る。「今日はきっちり埋め合わせしような?」
2️⃣「え?や……俺も今来たばっかだし」赤くなった鼻を見ればそれが嘘であると即座に理解できた。「あ、あの…来てくれてアリガト。そんで、さ……○○ちゃんは…俺のこと、まだ好き?」もし嫌いになっていたらこんな所来ないのに。“好きだよ”の一言、彼はそれが欲しいだけ。艶やかな唇から紡がれる、彼の求めていた言葉。精一杯返す己の気持ち「……っ俺も!俺も…○○ちゃんのこと、好き」。滲んだ涙を陰で拭い、誤魔化すように手を繋いだ。「…行こっか」予定は何も決まっていないけれど。
3️⃣「…………遅い」手のひらに息を吹きかけながら彼は呟く。薄っすらと浮かぶ涙は寒さ故だろうか。遅れたことへの謝罪を述べれば「僕こそ…ごめんなさい」と先日の喧嘩に対する謝罪が告げられた。「…まだ……怒ってます?」気まずそうな瞳と視線がぶつかる。怒っていないと答えたが「本当に?」と意外にも彼は信じていない。「じゃあ…キスしよ?」出来るでしょ?といった高圧的な雰囲気ではなく、懇願するような柔らかな空気感に引き寄せられ、彼女は自ら唇を重ねた。「……嫌われたかと思ってた」
🐴「俺様をこんな待たすとは…ほんっといい根性してやがるよな」怒ったような、悲しいような表情。それよりもその、ちょっとコンビニへくらいの薄着が気になる。「あ?寒かねぇよ」強がる彼に対し、マフラーを外しぐるぐると巻き付ける。隠れた口元からは小さな声で「……さんきゅ」と聞こえてきた。少し和んだ二人の空気。それに乗じて彼女は謝罪を述べる。「俺こそすまねぇ…この前はその……言い過ぎた」バツが悪いのか温まったのか、染まった頬を見て彼女は笑みを溢した。「んだよ…ニヤニヤしやがって」強く掴まれた手はじんわりと冷たい。
🐰「寒ィ!早くどっか入んぞ!」漸く来た彼女の手を勢い良く掴み、早足で屋内を目指す。先日の喧嘩について謝ろうと口を開くが、付いて行くのに精一杯で言葉を発することは許されない。落ち着いた喫茶店に入り席に着く。座るなり目を逸らして彼は言う「この前は悪かった」。彼女は此方を向かせ再度言うように催促する。「わ、悪かった…いやその……すまない。俺はお前以外有り得ねぇから…許してくれ」まあ、もう怒ってはいないのだけど。「…あぁ、好きだよ」ふわりと綻んだ口元に胸が詰まった。
🐦彼を見つけ、駆け寄る彼女。待たせたことへの謝罪を告げた。「これくらいどうってことない」そう言って笑う彼の表情はとても優しい。言い淀む彼女に「先日はすまなかった」と述べ、真っ直ぐな瞳でジッと見つめる。「小官のこと……嫌いになっただろうか?」この数日で嫌いになれという方が難しいのに。首を振り否定する彼女。俯きがちな顔に手を添え、自身の方を向かせる。これはそういう雰囲気だと伏せられた瞳。ふわりと触れただけで離れた唇は意地悪く笑う。「……まったく、欲しがりだよな」
🍭「超待ったんですけど〜。クレープ奢ってよね〜」 いつも通りの彼。いつも通りの遅刻の文句。手は繋がず、腕も組まず、クレープ屋を目掛けて彼は歩く。彼女が追いついた途端、はたと足を止め「この前はゴメン」と呟いた。なんのことかわからないといった雰囲気を装い手を取れば「なんでもなーい!」と彼は笑う。お気に入りのクレープを手渡し同じように謝ったが、今度は彼が「なんのことー?」。顔を見合わせ笑い合い、クリームを口いっぱいに頬張った。「この後さ、僕ン家来ない?……○○ちゃんだって寂しかったでしょ?」
📚「別に?全然待ってませんよ?」震えるような声が告げる大嘘。冷え切った手を掴み、口を衝いたのは罵りの言葉。「それはちょっとあんまりじゃないですか?」その優しい声がまた彼女の心を締め付ける。こんな寒い中待っていたなんて。連絡したらよかった、連絡してくれたらよかった。後悔ばかりが脳内を駆け巡る。「いま、くだらない事を考えているでしょう」冷たい手が振り払われ、頬に触れた。同じく冷たい唇が重なり、白い吐息が顔に掛かる。「目の前の愚かな男を、許してはくれませんか?」
🎲「お、おう…待ってた……」なんなら、数日前からこの公園で寝泊まりしていた。他の誰かに泊めてもらう気にもなれず、極々稀に立ち寄る自宅に出向く気にもなれず。段ボールと新聞紙で暖を取り過ごした。「もしかして俺臭う…?」おちゃらけて見せるがそうじゃない。本当に言いたいのは“ゴメン”の一言。その言葉は彼女に先を越され、より立場がない。苦し紛れの言葉は「…………今日、泊めて?」。仕方ないなと笑う彼女に「この前はゴメン!」と漸く切り出した。「情けねえな、俺」不満げに背を丸める彼を連れ帰路に着く。彼の頑丈さが羨ましい。
💉「良かった。来てくれないかと思ったよ」向けられた笑顔に胸が痛む。彼女にそのつもりはなかった。居たら困るからちょっと様子を見ておこう、それくらいの気持ちしか。踵を返した彼女の腕を掴み抱き寄せる。放してと聞こえたが「この間はゴメンね」と彼は一層力を込めた。彼の体に押し付けられたままの彼女は何も言えずにいる。嫌いになったわけでも別れたいわけでもない。今更、彼の興味を繋ぎ止める術が見つからないだけ。「お願いだから…もう少しだけ、私の側に居てくれないだろうか」彼の気持ちは既に“興味”では片付けられない域に達している。彼女はそれに、いい加減気付くべきだ。
🥂「偉いだろう?子猫ちゃん達に声を掛けずにこの僕が待っていられたなんて」自慢気に語る彼の目元にはくっきりと隈があった。肌の調子も良さそうには見えない。きっと、仕事を終え鎧を脱ぎ捨てては後悔し、大して眠れぬ日々を過ごしたのだろう。そんな彼を寒空の下待たせて居たのかと思うと別れなど告げられない。「…僕とお別れしたいの?」相手はNO.1ホスト。女の顔色を伺うなどはお手の物。彼女は下手な笑顔を向け否定する。「そ。なら良かった。君に見捨てられたら…僕らはゲームオーバーだからね」自然な流れで手の甲にキスをする彼。座った瞳が目に入る。他の子にもそうやって…とは口が裂けても言えない。くだらない共依存の始まりだ。
👔「ゆ、許してくれとは言わない…から……俺のこと…き、嫌いにならないでくれ」待合せ場所に現れた彼女を見るなり詰め寄った。彼女はふと思う、取引先相手にはこんな必死の形相を浮かべるのかと。そう考えてしまうと不意に込み上げてくる笑み。彼はそれを見て「……怒って…ない?」と問う。曖昧な返事をして冷たい手を掴んだ彼女。引き寄せ、唇を重ねた。嫌いな人にこんなことしないだとかなんとか、愉しげに笑う。「び、びっくりする、だろ……」やけに赤い頬は何由来だろう。もし熱があるのならば大変だ。わざとらしい口実を述べ、彼を家へ招く。「…い、いいの?」跳ね上がる心拍数。高揚する頬。残念ながら、今日も元気いっぱいです。
2️⃣「え?や……俺も今来たばっかだし」赤くなった鼻を見ればそれが嘘であると即座に理解できた。「あ、あの…来てくれてアリガト。そんで、さ……○○ちゃんは…俺のこと、まだ好き?」もし嫌いになっていたらこんな所来ないのに。“好きだよ”の一言、彼はそれが欲しいだけ。艶やかな唇から紡がれる、彼の求めていた言葉。精一杯返す己の気持ち「……っ俺も!俺も…○○ちゃんのこと、好き」。滲んだ涙を陰で拭い、誤魔化すように手を繋いだ。「…行こっか」予定は何も決まっていないけれど。
3️⃣「…………遅い」手のひらに息を吹きかけながら彼は呟く。薄っすらと浮かぶ涙は寒さ故だろうか。遅れたことへの謝罪を述べれば「僕こそ…ごめんなさい」と先日の喧嘩に対する謝罪が告げられた。「…まだ……怒ってます?」気まずそうな瞳と視線がぶつかる。怒っていないと答えたが「本当に?」と意外にも彼は信じていない。「じゃあ…キスしよ?」出来るでしょ?といった高圧的な雰囲気ではなく、懇願するような柔らかな空気感に引き寄せられ、彼女は自ら唇を重ねた。「……嫌われたかと思ってた」
🐴「俺様をこんな待たすとは…ほんっといい根性してやがるよな」怒ったような、悲しいような表情。それよりもその、ちょっとコンビニへくらいの薄着が気になる。「あ?寒かねぇよ」強がる彼に対し、マフラーを外しぐるぐると巻き付ける。隠れた口元からは小さな声で「……さんきゅ」と聞こえてきた。少し和んだ二人の空気。それに乗じて彼女は謝罪を述べる。「俺こそすまねぇ…この前はその……言い過ぎた」バツが悪いのか温まったのか、染まった頬を見て彼女は笑みを溢した。「んだよ…ニヤニヤしやがって」強く掴まれた手はじんわりと冷たい。
🐰「寒ィ!早くどっか入んぞ!」漸く来た彼女の手を勢い良く掴み、早足で屋内を目指す。先日の喧嘩について謝ろうと口を開くが、付いて行くのに精一杯で言葉を発することは許されない。落ち着いた喫茶店に入り席に着く。座るなり目を逸らして彼は言う「この前は悪かった」。彼女は此方を向かせ再度言うように催促する。「わ、悪かった…いやその……すまない。俺はお前以外有り得ねぇから…許してくれ」まあ、もう怒ってはいないのだけど。「…あぁ、好きだよ」ふわりと綻んだ口元に胸が詰まった。
🐦彼を見つけ、駆け寄る彼女。待たせたことへの謝罪を告げた。「これくらいどうってことない」そう言って笑う彼の表情はとても優しい。言い淀む彼女に「先日はすまなかった」と述べ、真っ直ぐな瞳でジッと見つめる。「小官のこと……嫌いになっただろうか?」この数日で嫌いになれという方が難しいのに。首を振り否定する彼女。俯きがちな顔に手を添え、自身の方を向かせる。これはそういう雰囲気だと伏せられた瞳。ふわりと触れただけで離れた唇は意地悪く笑う。「……まったく、欲しがりだよな」
🍭「超待ったんですけど〜。クレープ奢ってよね〜」 いつも通りの彼。いつも通りの遅刻の文句。手は繋がず、腕も組まず、クレープ屋を目掛けて彼は歩く。彼女が追いついた途端、はたと足を止め「この前はゴメン」と呟いた。なんのことかわからないといった雰囲気を装い手を取れば「なんでもなーい!」と彼は笑う。お気に入りのクレープを手渡し同じように謝ったが、今度は彼が「なんのことー?」。顔を見合わせ笑い合い、クリームを口いっぱいに頬張った。「この後さ、僕ン家来ない?……○○ちゃんだって寂しかったでしょ?」
📚「別に?全然待ってませんよ?」震えるような声が告げる大嘘。冷え切った手を掴み、口を衝いたのは罵りの言葉。「それはちょっとあんまりじゃないですか?」その優しい声がまた彼女の心を締め付ける。こんな寒い中待っていたなんて。連絡したらよかった、連絡してくれたらよかった。後悔ばかりが脳内を駆け巡る。「いま、くだらない事を考えているでしょう」冷たい手が振り払われ、頬に触れた。同じく冷たい唇が重なり、白い吐息が顔に掛かる。「目の前の愚かな男を、許してはくれませんか?」
🎲「お、おう…待ってた……」なんなら、数日前からこの公園で寝泊まりしていた。他の誰かに泊めてもらう気にもなれず、極々稀に立ち寄る自宅に出向く気にもなれず。段ボールと新聞紙で暖を取り過ごした。「もしかして俺臭う…?」おちゃらけて見せるがそうじゃない。本当に言いたいのは“ゴメン”の一言。その言葉は彼女に先を越され、より立場がない。苦し紛れの言葉は「…………今日、泊めて?」。仕方ないなと笑う彼女に「この前はゴメン!」と漸く切り出した。「情けねえな、俺」不満げに背を丸める彼を連れ帰路に着く。彼の頑丈さが羨ましい。
💉「良かった。来てくれないかと思ったよ」向けられた笑顔に胸が痛む。彼女にそのつもりはなかった。居たら困るからちょっと様子を見ておこう、それくらいの気持ちしか。踵を返した彼女の腕を掴み抱き寄せる。放してと聞こえたが「この間はゴメンね」と彼は一層力を込めた。彼の体に押し付けられたままの彼女は何も言えずにいる。嫌いになったわけでも別れたいわけでもない。今更、彼の興味を繋ぎ止める術が見つからないだけ。「お願いだから…もう少しだけ、私の側に居てくれないだろうか」彼の気持ちは既に“興味”では片付けられない域に達している。彼女はそれに、いい加減気付くべきだ。
🥂「偉いだろう?子猫ちゃん達に声を掛けずにこの僕が待っていられたなんて」自慢気に語る彼の目元にはくっきりと隈があった。肌の調子も良さそうには見えない。きっと、仕事を終え鎧を脱ぎ捨てては後悔し、大して眠れぬ日々を過ごしたのだろう。そんな彼を寒空の下待たせて居たのかと思うと別れなど告げられない。「…僕とお別れしたいの?」相手はNO.1ホスト。女の顔色を伺うなどはお手の物。彼女は下手な笑顔を向け否定する。「そ。なら良かった。君に見捨てられたら…僕らはゲームオーバーだからね」自然な流れで手の甲にキスをする彼。座った瞳が目に入る。他の子にもそうやって…とは口が裂けても言えない。くだらない共依存の始まりだ。
👔「ゆ、許してくれとは言わない…から……俺のこと…き、嫌いにならないでくれ」待合せ場所に現れた彼女を見るなり詰め寄った。彼女はふと思う、取引先相手にはこんな必死の形相を浮かべるのかと。そう考えてしまうと不意に込み上げてくる笑み。彼はそれを見て「……怒って…ない?」と問う。曖昧な返事をして冷たい手を掴んだ彼女。引き寄せ、唇を重ねた。嫌いな人にこんなことしないだとかなんとか、愉しげに笑う。「び、びっくりする、だろ……」やけに赤い頬は何由来だろう。もし熱があるのならば大変だ。わざとらしい口実を述べ、彼を家へ招く。「…い、いいの?」跳ね上がる心拍数。高揚する頬。残念ながら、今日も元気いっぱいです。