#hpmiプラスまとめ
夜、なかなか眠らない彼女
2019/06/01 15:441️⃣「まだ起きてたのか?」依頼が長引き夜遅くに帰宅した彼。時計の針はとうに日付を越えている。集中していたらこんな時間であった事を述べれば愛しの彼からは溜息。「無理すんなっていつも言ってんだろ?」頭にポンと手を置き、そのままの流れで唇が触れた。微睡みかけていた脳内が心成しかクリアになる。「それとも…もうちょい待ってる?…なんつって。俺今から飯だし、明日も依頼あるし。お前もさっさと寝ろよー」待っていたら怒るだろうか、それとも喜ぶのだろうか。出るはずのない答えを確かめる為に、布団に潜り狸寝入り。暫しして聞こえた「…よっし、寝てる寝てる」との保護者のような物言いに、今日の所は寝るべきであると判断した。
2️⃣ゲームは一区切り。トイレを済ませて寝よう…とした深夜、リビングには灯りが煌々と。ドアを開ければそこには、案の定だが彼女の姿。「…○○ちゃん、まだ起きてたの?早く寝ろよなぁ」と言いつつ隣に腰を下ろした。真剣な表情から一転、彼の姿を見て目を綻ばせる。「で、まだ寝ないわけ?」そう問えば、もう眠いと引っ付いた彼女。甘える姿は愛おしく、当然振り払えるわけがない。「んじゃ……お、俺と、寝る?」頬を赤らめ横を見遣れば、幸せそうに微笑む彼女がいた。それはつまり、OKと受け取って良いのだろうか。否、それよりも今は彼女を寝付かせることが最優先だ。「つか、し、仕事…頑張りすぎ……は、早く…寝ろって……!」
3️⃣「僕もう寝ますけど…○○さんはまだ……そう、ですか」もう少し、と答えれば少し寂しげな表情を一瞬浮かべた彼。普段のようにそれ以上何も言わず去るのかと思いきや「でも……昨日もその前も…夜中まで起きでしたよね」と隣に腰を下ろした。「根を詰めたところで、いい事なんてないですよ」つまらなそうな声は正論を述べた。何か言おうと顔を上げれば「やっとこっち見た」と不機嫌な瞳と視線がぶつかる。妙に気まずく、寝ると答えれば忽ち機嫌を直すなんて彼もまだまだ幼いものだ。「……待ってますから、早く来てくださいね?絶対ですよ」隈、酷いんですから…小さな声でそう聞こえ、彼女は一人、心の中で反省した。「あと、エナジードリンクの乱用は明日から禁止です」
🐴「まーだ起きてんのか。だから育たねぇんだぞ」背後から胸部に触れた彼。突然の行為に鼓動を高鳴らせながらも思い切りよく振り払えば、彼は悪戯っ子のような表情を浮かべご満悦だ。邪魔をしないでほしい事を伝えるや否や羽交い締めに。背中には彼の鼓動が響く。「なぁ……もう寝ろよ、お前、昨日も遅かっただろ」諌めるような宥めるような、なんとも言えない声だった。そういえば彼には妹がいるそうではないか。兄としての彼はもしかするとこうなのかもしれない。だが自身の立場は恋人。下心全開で一緒に寝てくれるのか問えば頬に唇が触れた。「どういう意味だ?」と彼は意味有りげにニヤリと笑う。そういう意味、と彼女はキスで答えを返した。思惑通り、眠らせてはくれないだろう。
🐰「さっさと寝ろ。あ?俺はいいんだよ」自身とて毎晩遅い。そのくせ彼女にのみ忠告しパソコンに向き合っている。だから彼女も手を止めはしない。カタカタと響く2人分のキーの音。こうも静かな空間は久々だ。静寂を切り裂いたのは彼の声。「……なあ。今度の休み、時間あるか?」寝ろと豪語していた彼はそのまま続ける「たまにはどうだ、遠出でも」。嬉々として返事をしたが、であれば今手を付けているこれはもう少し進めねばなるまい。「…で。終わったのか?俺はもう寝るぞ」待ってはくれない彼を追い、眠たい目を擦りながら区切りを付けた。明日頑張ればとそっとベッドに潜り込む。「ま、明日やりゃどうにかなんだろ」隣から聞こえたらしくない、少し投げやりな態度にときめきを抱きながら眠りに就く。「だから今日はもう寝ろ」
🐦「小官は本来ならばとっくに眠っている時間だ…ということで、寝るぞ」日頃からそこまで早く眠ってはいなかった気がしたが、仕事が立て込んでいる身としては彼が寝てしまおうが問題はない。おやすみと声を掛けパソコンに向かう。けれど彼はそこに突っ立ったまま。何かあったのかと問えば「寝てしまって良いのか」などと呟いた。ああ、一緒に寝たいのか。そう気付いたもののまだ床に就くわけにはいかない。黙々とキーを叩く。だが彼は気にも留めない様子で「……そろそろ寝る時間だろう」と強行突破。彼女を抱え上げ寝室へ。抵抗など無駄だとわかっているから従った。“共に眠ろう”初めからそう言えば良いものを。そんな彼が愛おしく、小さな笑みを零せば額に唇が触れた。
🍭「夜更かし禁止ー!お肌に悪いよ!め!」とはいえ彼女の作業を妨害したりはしない。なぜなら彼とて必要な時は夜更かしくらいするから。「そんじゃおやすみー。でも早く寝るんだよぉ〜」気怠げに、大人しく引き下がったかと思いきや何やらキッチンでガタガタ。唐突に「はい」と差し出されたのはブラックコーヒー。ソファに沈み込み、彼もコーヒーを流し込んでいる。「待っててあげるからさっさと終わらせなよね」スマホに目を落とす様は少しだけつまらなそうにも見えた。監視の目があっては当然サボるわけにはいかない。手早く片付け、甘い飴を貰わなければ。「あ。サボったら罰としてぇ……んふふ、それはその時のオタノシミ、ね☆」
📚「作家とは総じて不摂生なものでしょう。だから小生はいいんです。でも貴女はダメ。ささっお眠りなさい」布団へ促され、あれよあれよと就寝スタイル。まだ寝るわけにはと抗うも予想外の強い力で押さえ込まれ起き上がれはしない。「貴女まで不健康になったら……誰が小生を看取るんです?…あ、いや、冗談ですよ?死ぬわけがないじゃないですか」どこまでが本当なのかわからないその言葉に少しだけ胸が騒ついた。横になり目線を合わせる彼の瞳は虚ろだ。貴方こそ早く眠るべきなのに…いつも言えないその言葉は、告げることの出来る今のうちに。頭に手を伸ばしそっと撫でる。「……ダメ、締め切り近いんです。眠ってしまいます…ダメ、本当にダメですってば…」彼は今日も身を削る。
🎲「おーっす!まだ起きてんの?いやー、でも起きててくれて助かったぜ!つーことで、今日泊めて?」無用心にも鍵の開いた状態になっていた玄関。そして「俺風呂借りたらもう寝るから、お前も寝ろよなー!」とズカズカと入り込み我が物顔で風呂を拝借する彼。この関係にも慣れたものだが、本当にこのままで良いのだろうか。そんな彼女の不安を余所に、温かな風呂で清められた彼が自身と同じ香りをさせながら纏わり付いてくた。「なぁ、クマひでーよ?もう寝ろよ。つか寝よ?な?」そういった彼により半ば強引に寝室へ。乾き切っていない髪の毛から雫が落ちる。「お前さ、マジで頑張りすぎ。肩の力抜いて…あっ違うからな?今のはその……変なイミじゃねえから…」変な意味でないのなら、彼女はただの宿的存在。ばか、と呟き抱き着いた。「悪りぃ…」とだけ答えた彼に抱き締められ、何も起こらず朝を迎える。
💉「おや?まだ起きていたの?もしかして…私のことを待っていてくれた、とか?」ふふ、と微笑む彼は年甲斐もなく可愛らしい。待っていたわけではないが、待っていなかったわけでもない。何せ恋人なのだから、帰ってきたらいいな…という淡い期待くらい当然抱いていた。「でも、体の為にももう寝ようね?」肩に手が回り重なる唇。カサついた感触が彼の存在をすぐそばに感じさせた。名残惜しいけれど眠ることを告げ再び口付けを。「…おやすみ。私もじきに眠るから」触れてしまえば離れ難い。端から期待などせず、待たなければよかった。何せ、明日の為にも眠らなければならないのだから。彼の瞳がギラついている。「やめておこうね」と言いながらも熱い唇が重なった。仕事など無くなればいいのに。
🍸「ねー、もう寝ようよー。俺っちネームーイー」いつもならこの時間は大いに盛り上がっているはずの彼がこんな時間に眠いだなどと、俄かには信じ難い。そう思うものの、たしかに瞳は潤み心成しか普段以上の駄々っ子ですらある気も。眠いのなら先に…と口にすれば驚いたのち悲しい顔。「俺っちと一緒に寝るの、や?」それはわざとなのか、本能なのか。こうも可愛らしく強請られては強く跳ね除けることなど到底出来はしなかった。ため息を吐き、渋々了承しベッドイン。少し悲しげな蜜色の瞳については見て見ぬ振りをした。「へへ、あったけーね」嬉しそうに手を握る彼。何か言いたそうに口を開きかけたが「おやすみ」とだけ呟いた。彼が眠ったらベッドから出て仕事の続きを…そう思っていたはずなのに、気付いた時には朝陽が昇っていた。
👔「えっ?!お前まだ起きてたの?!早く寝ろって、何時だと思ってんだ…」“何時だと思ってんだ”それは彼自身にも痛い程に突き刺さる言葉だ。今日も終電、きっと明日も終電。毎日毎日“何時だと思ってんだ”。仕事の手を止め彼を労わり、軽めの夕食を用意した。「先…寝てていいんだからな?」ぼんやりと食事を眺めていた彼女に控えめに投げかける。だが彼女は生返事を返し再びパソコンに向かった。状況を察した彼は黙々と食事を終え、入浴を終え、そして未だ仕事を続ける彼女に抱き着いた。「社畜は俺だけで十分だろ。もう寝ろって…」ミントの香りが充満する唇を重ね、明けてしまう夜を少しだけ憎みながら眠りに就いた。「朝なんて来なきゃいいのに」切なる願いは2人の願い。もう少し、あと少し、布団から出たくない。人類皆の願いかもしれない。
2️⃣ゲームは一区切り。トイレを済ませて寝よう…とした深夜、リビングには灯りが煌々と。ドアを開ければそこには、案の定だが彼女の姿。「…○○ちゃん、まだ起きてたの?早く寝ろよなぁ」と言いつつ隣に腰を下ろした。真剣な表情から一転、彼の姿を見て目を綻ばせる。「で、まだ寝ないわけ?」そう問えば、もう眠いと引っ付いた彼女。甘える姿は愛おしく、当然振り払えるわけがない。「んじゃ……お、俺と、寝る?」頬を赤らめ横を見遣れば、幸せそうに微笑む彼女がいた。それはつまり、OKと受け取って良いのだろうか。否、それよりも今は彼女を寝付かせることが最優先だ。「つか、し、仕事…頑張りすぎ……は、早く…寝ろって……!」
3️⃣「僕もう寝ますけど…○○さんはまだ……そう、ですか」もう少し、と答えれば少し寂しげな表情を一瞬浮かべた彼。普段のようにそれ以上何も言わず去るのかと思いきや「でも……昨日もその前も…夜中まで起きでしたよね」と隣に腰を下ろした。「根を詰めたところで、いい事なんてないですよ」つまらなそうな声は正論を述べた。何か言おうと顔を上げれば「やっとこっち見た」と不機嫌な瞳と視線がぶつかる。妙に気まずく、寝ると答えれば忽ち機嫌を直すなんて彼もまだまだ幼いものだ。「……待ってますから、早く来てくださいね?絶対ですよ」隈、酷いんですから…小さな声でそう聞こえ、彼女は一人、心の中で反省した。「あと、エナジードリンクの乱用は明日から禁止です」
🐴「まーだ起きてんのか。だから育たねぇんだぞ」背後から胸部に触れた彼。突然の行為に鼓動を高鳴らせながらも思い切りよく振り払えば、彼は悪戯っ子のような表情を浮かべご満悦だ。邪魔をしないでほしい事を伝えるや否や羽交い締めに。背中には彼の鼓動が響く。「なぁ……もう寝ろよ、お前、昨日も遅かっただろ」諌めるような宥めるような、なんとも言えない声だった。そういえば彼には妹がいるそうではないか。兄としての彼はもしかするとこうなのかもしれない。だが自身の立場は恋人。下心全開で一緒に寝てくれるのか問えば頬に唇が触れた。「どういう意味だ?」と彼は意味有りげにニヤリと笑う。そういう意味、と彼女はキスで答えを返した。思惑通り、眠らせてはくれないだろう。
🐰「さっさと寝ろ。あ?俺はいいんだよ」自身とて毎晩遅い。そのくせ彼女にのみ忠告しパソコンに向き合っている。だから彼女も手を止めはしない。カタカタと響く2人分のキーの音。こうも静かな空間は久々だ。静寂を切り裂いたのは彼の声。「……なあ。今度の休み、時間あるか?」寝ろと豪語していた彼はそのまま続ける「たまにはどうだ、遠出でも」。嬉々として返事をしたが、であれば今手を付けているこれはもう少し進めねばなるまい。「…で。終わったのか?俺はもう寝るぞ」待ってはくれない彼を追い、眠たい目を擦りながら区切りを付けた。明日頑張ればとそっとベッドに潜り込む。「ま、明日やりゃどうにかなんだろ」隣から聞こえたらしくない、少し投げやりな態度にときめきを抱きながら眠りに就く。「だから今日はもう寝ろ」
🐦「小官は本来ならばとっくに眠っている時間だ…ということで、寝るぞ」日頃からそこまで早く眠ってはいなかった気がしたが、仕事が立て込んでいる身としては彼が寝てしまおうが問題はない。おやすみと声を掛けパソコンに向かう。けれど彼はそこに突っ立ったまま。何かあったのかと問えば「寝てしまって良いのか」などと呟いた。ああ、一緒に寝たいのか。そう気付いたもののまだ床に就くわけにはいかない。黙々とキーを叩く。だが彼は気にも留めない様子で「……そろそろ寝る時間だろう」と強行突破。彼女を抱え上げ寝室へ。抵抗など無駄だとわかっているから従った。“共に眠ろう”初めからそう言えば良いものを。そんな彼が愛おしく、小さな笑みを零せば額に唇が触れた。
🍭「夜更かし禁止ー!お肌に悪いよ!め!」とはいえ彼女の作業を妨害したりはしない。なぜなら彼とて必要な時は夜更かしくらいするから。「そんじゃおやすみー。でも早く寝るんだよぉ〜」気怠げに、大人しく引き下がったかと思いきや何やらキッチンでガタガタ。唐突に「はい」と差し出されたのはブラックコーヒー。ソファに沈み込み、彼もコーヒーを流し込んでいる。「待っててあげるからさっさと終わらせなよね」スマホに目を落とす様は少しだけつまらなそうにも見えた。監視の目があっては当然サボるわけにはいかない。手早く片付け、甘い飴を貰わなければ。「あ。サボったら罰としてぇ……んふふ、それはその時のオタノシミ、ね☆」
📚「作家とは総じて不摂生なものでしょう。だから小生はいいんです。でも貴女はダメ。ささっお眠りなさい」布団へ促され、あれよあれよと就寝スタイル。まだ寝るわけにはと抗うも予想外の強い力で押さえ込まれ起き上がれはしない。「貴女まで不健康になったら……誰が小生を看取るんです?…あ、いや、冗談ですよ?死ぬわけがないじゃないですか」どこまでが本当なのかわからないその言葉に少しだけ胸が騒ついた。横になり目線を合わせる彼の瞳は虚ろだ。貴方こそ早く眠るべきなのに…いつも言えないその言葉は、告げることの出来る今のうちに。頭に手を伸ばしそっと撫でる。「……ダメ、締め切り近いんです。眠ってしまいます…ダメ、本当にダメですってば…」彼は今日も身を削る。
🎲「おーっす!まだ起きてんの?いやー、でも起きててくれて助かったぜ!つーことで、今日泊めて?」無用心にも鍵の開いた状態になっていた玄関。そして「俺風呂借りたらもう寝るから、お前も寝ろよなー!」とズカズカと入り込み我が物顔で風呂を拝借する彼。この関係にも慣れたものだが、本当にこのままで良いのだろうか。そんな彼女の不安を余所に、温かな風呂で清められた彼が自身と同じ香りをさせながら纏わり付いてくた。「なぁ、クマひでーよ?もう寝ろよ。つか寝よ?な?」そういった彼により半ば強引に寝室へ。乾き切っていない髪の毛から雫が落ちる。「お前さ、マジで頑張りすぎ。肩の力抜いて…あっ違うからな?今のはその……変なイミじゃねえから…」変な意味でないのなら、彼女はただの宿的存在。ばか、と呟き抱き着いた。「悪りぃ…」とだけ答えた彼に抱き締められ、何も起こらず朝を迎える。
💉「おや?まだ起きていたの?もしかして…私のことを待っていてくれた、とか?」ふふ、と微笑む彼は年甲斐もなく可愛らしい。待っていたわけではないが、待っていなかったわけでもない。何せ恋人なのだから、帰ってきたらいいな…という淡い期待くらい当然抱いていた。「でも、体の為にももう寝ようね?」肩に手が回り重なる唇。カサついた感触が彼の存在をすぐそばに感じさせた。名残惜しいけれど眠ることを告げ再び口付けを。「…おやすみ。私もじきに眠るから」触れてしまえば離れ難い。端から期待などせず、待たなければよかった。何せ、明日の為にも眠らなければならないのだから。彼の瞳がギラついている。「やめておこうね」と言いながらも熱い唇が重なった。仕事など無くなればいいのに。
🍸「ねー、もう寝ようよー。俺っちネームーイー」いつもならこの時間は大いに盛り上がっているはずの彼がこんな時間に眠いだなどと、俄かには信じ難い。そう思うものの、たしかに瞳は潤み心成しか普段以上の駄々っ子ですらある気も。眠いのなら先に…と口にすれば驚いたのち悲しい顔。「俺っちと一緒に寝るの、や?」それはわざとなのか、本能なのか。こうも可愛らしく強請られては強く跳ね除けることなど到底出来はしなかった。ため息を吐き、渋々了承しベッドイン。少し悲しげな蜜色の瞳については見て見ぬ振りをした。「へへ、あったけーね」嬉しそうに手を握る彼。何か言いたそうに口を開きかけたが「おやすみ」とだけ呟いた。彼が眠ったらベッドから出て仕事の続きを…そう思っていたはずなのに、気付いた時には朝陽が昇っていた。
👔「えっ?!お前まだ起きてたの?!早く寝ろって、何時だと思ってんだ…」“何時だと思ってんだ”それは彼自身にも痛い程に突き刺さる言葉だ。今日も終電、きっと明日も終電。毎日毎日“何時だと思ってんだ”。仕事の手を止め彼を労わり、軽めの夕食を用意した。「先…寝てていいんだからな?」ぼんやりと食事を眺めていた彼女に控えめに投げかける。だが彼女は生返事を返し再びパソコンに向かった。状況を察した彼は黙々と食事を終え、入浴を終え、そして未だ仕事を続ける彼女に抱き着いた。「社畜は俺だけで十分だろ。もう寝ろって…」ミントの香りが充満する唇を重ね、明けてしまう夜を少しだけ憎みながら眠りに就いた。「朝なんて来なきゃいいのに」切なる願いは2人の願い。もう少し、あと少し、布団から出たくない。人類皆の願いかもしれない。