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#hpmiプラスまとめ

職場に迎えに来て一緒に帰宅

2019/03/02 13:05
1️⃣そろそろ定時。大きく伸びをして外を見遣ると、朝会ったはずの見慣れた顔が。遠目ながらに目が合い、大きく手を振る彼。よく懐いた大型犬のようで心がきゅっとなる。そそくさと仕事を切り上げ慌てて外へ。彼は彼女に気付くなり、真剣にソシャゲに打ち込む顔から太陽のような笑顔に。「おーっす!お疲れ!今日の依頼この辺でさ、ついでと思って迎えに来ちゃった。仕事大丈夫なの?」駄目だったら今ここにいない、なんて釣れない返事をして手を繋ぐ。指を絡めた彼はとてもご機嫌だ。「帰ろっか」何ともないその言葉がとても心地良くて、こんな日が毎日続けば、などと叶いもしない願いを抱く。「俺が迎えに来たらさ、毎日定時に上がれる?…なんつって」仕事は仕事、終わらない日もある。そんなことをそんな年で、彼は身をもって、嫌という程知っているのだろう。

2️⃣(彼女:アパレル店員)
その日最後のお客さまを見送りに店外へ。礼を終えて顔を上げると、 少し離れた所から愛しの彼が向かって来た。「今日遅番て言ってたよね?心配だから迎えに来た」目を逸らして恥ずかしそうに告げる姿がとても愛おしい。締めもあるしまだ時間がかかる旨の返答に顔を歪め「んじゃその辺で待ってるから」と、それだけ言い残し去ってしまった。自身の感じの悪さを反省しつつ閉店・レジを締め外へ。そこにはどこかで時間を潰しているはずのその人物。「終わった?帰ろーよ」手を引くと同時にキスをして、寂しかったと言わんばかりの瞳が真っ直ぐ目を見て逸らさない。もう一度キスをして「早く帰ろ?待ってたんだよ?」。この熱い瞳はきっと、紛れもなく誘っている、強請っている。

3️⃣(彼女:コンビニバイト)
いらっしゃいませーと入店者に笑顔を向ける。そこには同じく笑顔の彼が。「見事な営業スマイルですね」棘のある物言いは紛れもなく本人そのものだ。驚きのあまり何も言い返せずにいると無言で雑誌コーナーへ。彼女は慌てて後を追い、なんで?とだけ声を掛けた。「自分の彼女を迎えに来ちゃ駄目なんですか?」手近な週刊マンガ雑誌を手に取りペラペラと捲る。そうこうしている間にレジには客が。接客を済ませ再び声を掛けると「随分愛想良く振る舞うんですね」。普段自分に向けられるものとは違う笑顔に嫉妬。あと15分だから、と告げれば「良い子に待ってますよ」と雑誌から目を離さずに返ってきた。遇らうような態度にさえもときめきを感じてしまう。一秒でも早く切り上げたい。そして一秒でも長く彼と時間を共有したい。「バイトなんて辞めちゃえばいいのに」言えるはずのないその想いは、聞こえるはずのない音量で。


🐴事務所近くに停まった黒塗りの車。明らかに彼だ。窓の外を見た同僚達は騒ついているが、今朝言っていた『迎えに行ってやる』を実行に移したに過ぎないのだ。でもまさか、本当に来るとは。そしてまだ定時前。声を掛けるわけにも行かず、一人皆んなとは違う緊張感に包まれながら仕事をこなす。スマホの画面にはメッセージの受信を報せる通知が沢山。一刻も早く切り上げ彼の元へと駆け寄りたい。終業と同時に車に向かえば、運転席の窓が開き不機嫌な顔が覗く。「遅かったじゃねーか」腹立たしげなその声に定時で上がったと返せば不思議な顔。なるほど、時間を間違えていたらしい。気まずそうに赤面したのち「…帰るぞ」とエンジンをかける。助手席に乗り込み、愛しさ余って頬にキス。「帰るまで待てねぇのか?」そう言いつつも彼は舌を捩じ込む。翌日の事など考えまい。

🐰外にパトカーが…と騒つく社内。なんとなく察しはつくけれど、一応外を確かめる。まあ、予想通り彼だ。知り合いです、と発し急ぎ彼の元へ。「もう帰れるのか?」貴方こそまだ勤務中でしょうに。まだ仕事、と返せばそのまま口を塞がれ唖然。会社から見えるから!と焦る様子にご満悦。「じゃあまた定時頃に来るわ」そう言い残しひとまず退散。安堵も束の間、室内に戻れば質問攻め。彼は見えているのが解った上でキスしたのだ。観念して恋人だと答えれば案の定問い正され、最終的には応援され、定時ピッタリの退社を促された。定時頃に来ると言ったくせに外には誰もおらず、会社の中から見守る野次馬達の視線に気まずささえ覚える。徐に停車した一台の車からは「早かったんだな」と彼が。野次馬の気配に気付いたのか手招きをした彼。見せ付けるような熱い口付けを披露する羽目に。さすがにこれは、帰ったらお仕置きをしなくては。

🐦受付から笑いを堪えた内線『○○さん、彼氏さん来てま〜す』。 驚愕のあまり階段でロビーまで駆け下りる。息を切らしながら確かめると、一般企業には不釣り合いな軍人ルックのその人物が。どうしたのかと声を上げれば「そろそろ定時だと思ってな」と、悪怯れる様子もなく低く心地良い声が響く。確かにもう少しで終業時刻ではあるものの、その時間に上がれるというものでもない。「まだ…帰れそうにないのか?」しゅんとした表情は反則だ。フロアに戻り、最低限の仕事を大急ぎで片付ける。定時を少し過ぎた辺りで再びダッシュ。行儀良くソファに腰掛ける彼の肩を叩けば、パッと花が咲いたかのような表情に。つい、彼には甘くなってしまう。社屋を出ると同時に指を絡め、静かに、ゆっくりと帰路に着く。忙しかったけれど、なんだかんだで幸せだ。好き、と呟けば「小官もだ」と小さな返事を受け取った。


🍭仕事中、外で一服していると彼から電話が。何かあったのかと不安に駆られながら通話をON。『やっほー、迎えに来ちゃった☆』辺りを見回すと少し離れた場所にピンクの頭がぴょこぴょこ。驚いているうちに電話は切れ、彼はすぐそこまで来ていた。「仕事もう少しだよね?その辺で遊んで待ってるよ〜♪」その“遊ぶ”とはもしかしてもしかするとナンパなのでは?。ナンパするのか問えばはぐらかされスッキリしない。答えてよ、が言えずにいる彼女の唇を奪い「意外とキツいやつ吸ってるよね」なんて的外れな答え。もう知らない、と仕事に戻るも集中など出来るはずもなく、潔く諦め定時に退社。「もー帰れるの?」聞きなれたその声。聞きたかったその声。何も言わずにいれば手を取られ「帰ろ。いい加減、○○ちゃんしか見てないってことはっきりわからせてあげる」。声色こそ普段と変わらないが、少しだけ不機嫌そうだった。気付かぬうちに地雷を踏んだのかもしれない。

📚今日は久々に彼の家にお泊まり。仕事を早く切り上げ、化粧をしっかり直し、完璧な状態で訪問するつもりだ。さて、と気持ちを切り替えた瞬間、信じ難い人物が目についた。オフィスビルだから色々な人が行き交うものの、流石に和服は目立つ。そう、あろうことか彼は会社の入るフロアにまで平気な顔をして上がり込んで来たのだ。「今日、あとどのくらいで上がれます?」周囲が無人であることを確認し壁に追いやられ唇を塞がれた。何やってんの?!と問えば「迎えに来ました」とにっこり。そうなんだけど、そうじゃなくて。「待ちきれなくて逢いに来たんですよ?もう少し喜んで下さい」そんなヤンデレじみた事をされても喜べません。とにかく大人しく待つように告げ大急ぎで退勤。自身を仕上げる間も無く彼に連れられ道を行く。「迷惑でした?」嬉々として言うのだから、この人は確信犯だ。超迷惑!耳元で囁く叫んで耳朶を噛んでやった。

🎲そういやあいつ、この辺りが職場だっけ…とふらふら。あー、たぶんここだな。独自の嗅覚で目星を付けた彼は、辺りのベンチに座って彼女を待つ。ベンチなど最早ベッドも同然。暇を持て余せば直ぐにその場で寝入ってしまう。肌寒くなってきた夜19時頃。聞き慣れた声に体を揺り動かされ目を覚ます。「んー…○○?」眠たい目を擦り、顔を上げれば大正解。彼女が心配そうな顔で覗き込んでいた。こんなとこでどうしたの?と髪を撫で付ける彼女。心地良く、思わず目を細めてしまう。「…あ!あー……アレだ、お前のこと迎えに来たんだけどよ…待ってるうちに眠っちまって…アハハ!」まったく…と言いたいのをぐっとこらえ、じゃあ帰ろっか、と手を取る彼女。「お、おう…」寝起きだからか脳と目もぼんやりしていて、彼女がいつもの何百倍も女神に見える。「なぁ…俺のこと、見捨てないでいてくれてアリガトな?」らしくない台詞も、今ならすんなり言えてしまった。


💉非番の日に限って彼女がいない。退屈が拍車を掛け、暇潰しと称し彼女の職場へと足を運ぶ。とはいえ、中に入るなどという不審者的行為は以ての外。近くのカフェで時間を潰し、定時間際に再び社屋へ。非番であることは知っているから、彼女は定時で上がるはずだ。自惚れにも近い確信を抱きながら出口近くに佇む。数名の男とすれ違う度に小さな嫉妬の炎が渦巻いた。そろそろかと腕時計に目を遣ればタイミングを見計らったかのように待ち人が。「やあ、迎えに来たんだ」そう言って笑顔を向けると、驚いたのち幸せそうな笑顔に。何も言わずに腕に飛びつく彼女。「会社の目の前だけど、そんな風にして大丈夫なの?」自分こそ、本当は見せ付けて害虫を追い払いたいというのに。いいの!だなどと元気に答えるものだから、外にも関わらず頭を撫でてしまった。やはり、定期的に迎えに来て害虫は駆除しなければ。


🥂⇒🍸昼休み。入口にいたイケメン見た?!私声掛けられちゃった〜!私も!!と飛び交う黄色い声。嫌な予感は的中。スーツを着込んで、胸元に薔薇を添えた彼がそこには居た。「やぁ、子猫ちゃん☆午後は…君のこと、僕に独り占めさせてくれない?」何言ってんの?と思わず真顔に。早い話が、あまりにも会えない日々への不安や焦燥、溢れんばかりの寂しさから、足りない脳みそを振り絞って出した答えがこれなのだとか。駄目なものは駄目だと追い返したものの、子犬のような表情には流石に胸が痛んだ。定時に仕事を切り上げ足早に外に出ると、スーツ姿ではない彼が。今にも泣き出しそうな顔で震えながら「お、おっかえりー…迎えに来たよ……」と小さく手を振っていた。言われた通り帰宅したものの、会いたい気持ちが抑えられず定時間際に再び足を運んだらしい。「スーツ?あ、あー…迷惑かなって……思ったの」弱々しい彼を連れ足早に歩を進める。帰宅するなり頭を撫でてキスをして、もう一度頭を撫でた。彼の気持ちを汲み取るのならば、それでも足りないくらいだけれど。


👔今日も仕事は終わらない。俺が無能なせいで、使えない奴だから、全部俺のせい…残業しながら脳内ではネガティヴな言葉たちが渦を巻く。そんな折、ふと思い出すのは彼女の温もり。早く会いたい、早く触れたい、ピンク色の思考までもが脳を侵食し始め、最早仕事など手に付かない。意を決して切り上げ外に出ると、脳内で何度も思い浮かべた張本人彼女。「え……お前…何してんの?」待ってた、と短くひと言。俺のことを?待っていた?マイナス思考の脳みそが出す答えは「あ……もしかして、別れ話?」。声が震える、喉が熱くなる、目頭が熱を含む。乾く口からは言葉が出ず、ただただ彼女を見つめていた。彼女はきょとんとしたのち吹き出し、何でそうなるの?もー!と肩を叩く。待っていたら驚くかと行動に移したが予想以上の驚きを与えてしまったらしい。「じゃあ…マジで……別れ話じゃないのか?」バカだなぁ、と絡められた指は脳で反芻したよりも温かく、早くその身を抱き締めたいと思うには効果が強すぎる程だった。

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