DX1~熱闘編~
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「全軍、出撃だ!!」
科学王国サイド。クロム救出を兼ね、いよいよ司帝国に出陣というとき、ゲンは要注意人物の名を挙げる。そのブレーンとして千晶の名が挙がると、千空は反応し、不気味に笑い出した。
「千晶…。ゲン、お前今、千晶って言ったか。」
「ああ、そうだけど、何か?」
「千晶…そうか千晶……アイツもいたのか…ククッ。」
「え、なになに千空ちゃん、知り合い?」
「ああ、知ってるやつだ。知ってるどころか、アイツは、」
「もしかして、味方?!」
「天敵だ。」
「ヘッ?」
「できることなら敵側にいてほしくなかったところだなあ。」
「どゆこと?」
「アイツの頭脳は本物だ。」
「クイズ女王は伊達じゃない、と。」
「ああ。いわば、あちらさんに、俺がもう一人いる、ってところだろうよ。」
「ヒエッ! それってジーマーでバイヤーなやつじゃなーい?!」
「ああ、こちらの出方もあらかた予測されてるに違いねえ。」
話を聞いていた科学王国メンバーの顔にも、緊張が走る。
「ん? 千空ちゃんがもう一人ってことは、その、千晶ちゃんもその腕でクラフトしちゃったりするの?」
ノンノン、と振った指を、こめかみにトントン、として千空は言った。
「いや、あいつはココ、頭脳戦でその力を発揮するタイプだ。恐らく、俺対策のためにたたき起こされたんだろうよ。」
「うわあ…ジーマーなやつだ…。」
「だが、問題ねえ。俺らはそのずっと上を行けばいいんだからな!!」
「ハッ! 千空の言う通りだ! 我々の科学力を司帝国に知らしめてやろうぞ!!」
「おおーーー!!」
千空とコハクの気合が、科学王国メンバーに活力をもたらした。
「千空は、動力を使ってここまで来るだろう。例えば、蒸気機関を作ってね。」
千空の方から攻めてくるとしたら、の司帝国幹部会議。既に千空の姿を目撃した氷月らを交え、千晶も対千空の案をまとめる。
「材料さえ揃えば、不可能じゃない。千空なら……」
千晶は戦況をシミュレーションする。千空の攻め込み方の可能性を、その確率とともに。
「正面突破4割、洞窟の強奪1割、その他5割。」
「その他、というと?」
「例えば、広範囲に人を配備し、狼煙などの合図で一気に中央へ攻め込む。」
「それが一番脅威なのでは?」
冷静に聞いていた氷月が指摘する。
千晶は、自信たっぷりに答えてみせた。
「我々相手にそれが通用すると思う? こちらには、周囲の見張りに最強の駒を有している。それは、誰?」
「…羽京か。」
「ピンポンピンポーン! せいかーい♪」
「さながらクイズ番組、ってとこですね。ある意味、千晶さんらしくて、ちゃんとしている。」
「羽京の耳は、そんな怪しい動きを聞き逃すわけがない。それに、駒数の少ない彼らに、そんな大がかりな作戦ができるとは、とても。他にも手のかかる作戦はいくらでもあるけど、いかんせん時間も物資も足りない。その他に放り込んだものは実現可能性が低い。ほとんど無視できるレベルだ。」
続けて千晶は、最も確実性、確率の高いケースを言ってみせ、その対策を講じる。
「来るとしたら正面突破、だね。その武器という武器すべてを搭載した車で、ここ、本陣に乗り込み、クロムを救出したのちそのまま司の首を狙うだろう。」
「しかし千晶くん、そんなにシンプルな進軍をするのかな。」
「準備期間の短さや、数的不利を打開するための唯一の方法が、奇襲。一気に仕掛けて、短時間で決着する。いわば、ゲリラの戦い方だね。」
「ふうむ。」
「だから、対策としては圧倒的な人の数で、その威力を押さえ込む。洞窟メンバーも招集しよう。」
「奇跡の洞窟は、放置でいいのですか?」
やはり冷静に物事を捉える氷月は、その穴をも指摘する。
それでも千晶は、くってかかる。
「問題ない。クロム君が捕らえられたのは洞窟付近だって、羽京の報告にあったでしょ。警備が手厚いとクロム君から報告してくれるはずだ、攻略には時間がかかるとね。一刻も早く決着をつけたい場合、洞窟なんぞに寄り道する余裕なんてないよ。」
「なるほど。うん、やっぱり、君を味方につけて正解だった。一対一で戦うことばかりだった僕には、考えもつかないことばかりで、目から鱗だよ、うん。」
「まあ、それは、そうですね。」
「配置変更! 今すぐ、現場リーダーに伝えよう。」
しかし、千晶の直感では、千空はいの一番に洞窟を攻略するような気がしていた。作戦として成功率は低いだろうが、千空としては喉から手が出るほど硝酸が欲しいに違いない、とも。
でも、それは敢えて、言わなかった。
そして、千空をよく知る千晶は、肝心なことを司らに言わなかった。
千空は、冒険すると。
千晶の口に出したものを遥に凌ぐ科学力を引っ提げてくるだろうことを。
「再現性の担保された知識と技術こそが科学なんだよ。」
千空は、きっと、やってくれる。
千晶の戦略だった。
科学王国サイド。クロム救出を兼ね、いよいよ司帝国に出陣というとき、ゲンは要注意人物の名を挙げる。そのブレーンとして千晶の名が挙がると、千空は反応し、不気味に笑い出した。
「千晶…。ゲン、お前今、千晶って言ったか。」
「ああ、そうだけど、何か?」
「千晶…そうか千晶……アイツもいたのか…ククッ。」
「え、なになに千空ちゃん、知り合い?」
「ああ、知ってるやつだ。知ってるどころか、アイツは、」
「もしかして、味方?!」
「天敵だ。」
「ヘッ?」
「できることなら敵側にいてほしくなかったところだなあ。」
「どゆこと?」
「アイツの頭脳は本物だ。」
「クイズ女王は伊達じゃない、と。」
「ああ。いわば、あちらさんに、俺がもう一人いる、ってところだろうよ。」
「ヒエッ! それってジーマーでバイヤーなやつじゃなーい?!」
「ああ、こちらの出方もあらかた予測されてるに違いねえ。」
話を聞いていた科学王国メンバーの顔にも、緊張が走る。
「ん? 千空ちゃんがもう一人ってことは、その、千晶ちゃんもその腕でクラフトしちゃったりするの?」
ノンノン、と振った指を、こめかみにトントン、として千空は言った。
「いや、あいつはココ、頭脳戦でその力を発揮するタイプだ。恐らく、俺対策のためにたたき起こされたんだろうよ。」
「うわあ…ジーマーなやつだ…。」
「だが、問題ねえ。俺らはそのずっと上を行けばいいんだからな!!」
「ハッ! 千空の言う通りだ! 我々の科学力を司帝国に知らしめてやろうぞ!!」
「おおーーー!!」
千空とコハクの気合が、科学王国メンバーに活力をもたらした。
「千空は、動力を使ってここまで来るだろう。例えば、蒸気機関を作ってね。」
千空の方から攻めてくるとしたら、の司帝国幹部会議。既に千空の姿を目撃した氷月らを交え、千晶も対千空の案をまとめる。
「材料さえ揃えば、不可能じゃない。千空なら……」
千晶は戦況をシミュレーションする。千空の攻め込み方の可能性を、その確率とともに。
「正面突破4割、洞窟の強奪1割、その他5割。」
「その他、というと?」
「例えば、広範囲に人を配備し、狼煙などの合図で一気に中央へ攻め込む。」
「それが一番脅威なのでは?」
冷静に聞いていた氷月が指摘する。
千晶は、自信たっぷりに答えてみせた。
「我々相手にそれが通用すると思う? こちらには、周囲の見張りに最強の駒を有している。それは、誰?」
「…羽京か。」
「ピンポンピンポーン! せいかーい♪」
「さながらクイズ番組、ってとこですね。ある意味、千晶さんらしくて、ちゃんとしている。」
「羽京の耳は、そんな怪しい動きを聞き逃すわけがない。それに、駒数の少ない彼らに、そんな大がかりな作戦ができるとは、とても。他にも手のかかる作戦はいくらでもあるけど、いかんせん時間も物資も足りない。その他に放り込んだものは実現可能性が低い。ほとんど無視できるレベルだ。」
続けて千晶は、最も確実性、確率の高いケースを言ってみせ、その対策を講じる。
「来るとしたら正面突破、だね。その武器という武器すべてを搭載した車で、ここ、本陣に乗り込み、クロムを救出したのちそのまま司の首を狙うだろう。」
「しかし千晶くん、そんなにシンプルな進軍をするのかな。」
「準備期間の短さや、数的不利を打開するための唯一の方法が、奇襲。一気に仕掛けて、短時間で決着する。いわば、ゲリラの戦い方だね。」
「ふうむ。」
「だから、対策としては圧倒的な人の数で、その威力を押さえ込む。洞窟メンバーも招集しよう。」
「奇跡の洞窟は、放置でいいのですか?」
やはり冷静に物事を捉える氷月は、その穴をも指摘する。
それでも千晶は、くってかかる。
「問題ない。クロム君が捕らえられたのは洞窟付近だって、羽京の報告にあったでしょ。警備が手厚いとクロム君から報告してくれるはずだ、攻略には時間がかかるとね。一刻も早く決着をつけたい場合、洞窟なんぞに寄り道する余裕なんてないよ。」
「なるほど。うん、やっぱり、君を味方につけて正解だった。一対一で戦うことばかりだった僕には、考えもつかないことばかりで、目から鱗だよ、うん。」
「まあ、それは、そうですね。」
「配置変更! 今すぐ、現場リーダーに伝えよう。」
しかし、千晶の直感では、千空はいの一番に洞窟を攻略するような気がしていた。作戦として成功率は低いだろうが、千空としては喉から手が出るほど硝酸が欲しいに違いない、とも。
でも、それは敢えて、言わなかった。
そして、千空をよく知る千晶は、肝心なことを司らに言わなかった。
千空は、冒険すると。
千晶の口に出したものを遥に凌ぐ科学力を引っ提げてくるだろうことを。
「再現性の担保された知識と技術こそが科学なんだよ。」
千空は、きっと、やってくれる。
千晶の戦略だった。
