DX1~熱闘編~
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時はストーン・ウォーズ(SW)開戦前。
ゲンが箱根へ単身向かうことが決まったときのこと。
【ブレーン枠】の補充要員として白羽の矢が立ったのは、現役高校生クイズ女王としてその名が知られつつあった大谷千晶(だいや・ちあき)。
南が司に解説する。
「彼女が凄いのはその知識量だけじゃなくて、戦術眼。囲碁、将棋、チェス、麻雀……とにかくいろんな頭脳系対戦試合、すべての国内大会ジュニアの部でベスト4以内に入ってる、凄腕ゲームプレーヤーなの。」
「戦術眼…確かに、勝つためには必要な視点だね。どんなに力だけが優れていても、その使い方を知らなければ、その力は何の意味も持たない。うん、そうだね、千晶を目覚めさせよう。」
帝国の長の決定権は、絶対である。
「お久しぶりね、千晶ちゃん。特番で初めて顔合わせした以来の再会が、こんなところになるなんてね。あ、お目覚めだから、オハヨーの方がよかったのかな?」
「?? ……あさぎり…ゲン?」
「ピンポンピンポーン♪ さっすがクイズ女王。」
「ようこそ、地上の楽園へ。」
(獅子王…司?!)
かくして、千晶は、司帝国の【ブレーン】として、石化状態から復活させられた。
「じゃあ、あなたは一応、女の子だから、あたしから説明させてもらうわね。」
記者で情報通の北東西南(ほくとうざい・みなみ)が、復活したての千晶に、現状を説明する。
ある日、全世界に石化光線が降り注ぎ、地球上の全ての人類が、石化状態になってしまったこと。
それから、3700年も経過し、ある男が石化状態から復活したこと。
「千空?!」
「知ってるの? じゃあ話は早いわ、彼の説明は省略ね。」
石化状態を解く硝酸混合液を千空が発見したこと。
千空は更に硝酸混合液を精製し、司を復活させたが、その科学力を恐れた司によって、
「殺された…"らしい"?」
「うん。これは推測になるんだけど、もしかしたら、何らかの方法によって彼は息を吹き返し、どこかに潜伏しているかもって、司くんは言うのよね。」
千晶は力なくその場に座り込み、俯いたまま何かを考えているようだった。
「…まあ、信じられないよね、誰だってこんなこといきなり説明されたら。あたしだって、最初司くんから言われたときは、新手の口説き文句かとときめいていいのかどうか迷っちゃったくらいなんだけど…ああそれはいいか。まあとにかく、今、話したことが、基本情報。あとは、今の勢力図なんだけど…。大丈夫? ついてこられそう?」
「うん、問題ない。続けて。」
千晶は、力強く顔を上げた。
南の口から、司帝国の実質的幹部が語られる。
獅子王司(ししおう・つかさ)を頂点に、帝国の実質的3トップは氷月と羽京だという。
「暁氷月(あかつき・ひょうが)。司帝国の実質的No.2で、【管槍】と呼ばれる特殊な槍の使い手よ。その圧倒的な実力もさることながら、正確な状況把握力・冷静な判断力が見込まれているわ。言葉遣いも丁寧で、とにかく"ちゃんとしてる"ことが彼の基準みたい。」
(力だけでなくブレーンも兼ねている…。)
「西園寺羽京(さいおんじ・うきょう)。司帝国の実質的No.3で、彼は元自衛官。」
「自衛官?! 自衛隊?!」
「そう、海上自衛隊のソナーマンとして、その聴力は人並外れているっていうのが最大の特長。」
「聴力?」
「そう、あたしも取材で初めてその凄さを目の当たりにしたんだけど、常人には到底聞き分けられない微細な音の違いも、彼にははっきりわかるのね。そんなに凄い能力を持っているのに、彼、全然自慢しないし、それどころか謙虚で、物腰も柔らかで、見るからに好青年って感じなのよね。とても強そうには見えないけど、脱いだら筋肉バッキバキの細マッチョ。怒らせたら一番怖いタイプかも?」
「へえ…(後半はわりとどうでもいい)。」
「あとは、その次点を虎視眈々と狙う、元警察官の上井陽(うえい・よう)。」
「警察官?!」
「あーー、元・警察官ね。拳銃の扱いが優れていたらしいんだけど…、警察官らしからぬインモラルな考え方の持ち主なのが、復活後にわかってしまってね。彼の扱いをどうしようか、頭を悩ませているってとこ。まあ今んとこ、秩序をはみ出した不届き者を粛清する役を喜んでやっているわ。どの口がって感じだけど。」
(要注意人物かもしれない。)
「あさぎりゲン…は、あなたテレビで共演してたんですって? なら説明不要ね。彼はこれから、千空の潜伏先を探りに行くの。今のところ、彼が抜けて空いた頭脳枠の穴を埋めるってことで、あなたは復活となった。」
「なるほど(あたしはあくまで補充要員)。」
「長くなっちゃったから、これで最後にするわね。最後は、花田仁姫(はなだ・にき)。180cmの大柄な体格の、柔道やってる女の子よ。あだ名はニッキー。彼女は今、監視役をしているわ。」
「監視役?」
「千空の"墓参り"をしているという、大樹と杠の二人を、ね。」
「!!」
「こんなもんでいいかな。まだわかんないことあったら、あとで個別に教えてあげるわ。とりあえず今は復活したてで混乱してるだろうから、休んでたらいいわよ。」
「あ、ありがとう…ございます。」
「いーのいーの。貴重な女子復活者同士、仲良くしてこーね♪」
(貴重な? 目下の労働力として、男子が多いのか? それとも、戦力、駒として…?)
おおよその持ち場やそれぞれのふんわりとした役割を説明され、そのまま女子だけの暮らすエリアで一夜、体を休めた。
(千空のこと、聞きたかったんだけど、な……。)
その場に杠はいなかった。
翌朝。
司の元へ直接話をしに行こうと千晶は本陣へと移動する。
その一人歩く姿を、じっと見つめる者があった。
「君が、新入りの子か。」
さわやかな口調で話しかけられた千晶は、その声の主の方を向く。
木の上から、こちらを見下ろすその姿は、まるで森の精だった。
「司から聞いているよ。君、クイズが得意なんだって?」
「あなたは?」
「ああ失礼、自己紹介がまだだったね。僕は、西園寺羽京。今はこの辺りを監視している。」
「そう。その聴力を活かして、耳で情報を得ているわけか。」
「僕のこと、知ってるんだ。」
「さっき、聞いた。」
これがふたりの、ファースト・インプレッションだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
3700年分の1日くらいなら、「さっき」でしょうよ(言い訳)
いやあ、初めて、初めての出会いを書きました(今頃感パネエ)
ゲンが箱根へ単身向かうことが決まったときのこと。
【ブレーン枠】の補充要員として白羽の矢が立ったのは、現役高校生クイズ女王としてその名が知られつつあった大谷千晶(だいや・ちあき)。
南が司に解説する。
「彼女が凄いのはその知識量だけじゃなくて、戦術眼。囲碁、将棋、チェス、麻雀……とにかくいろんな頭脳系対戦試合、すべての国内大会ジュニアの部でベスト4以内に入ってる、凄腕ゲームプレーヤーなの。」
「戦術眼…確かに、勝つためには必要な視点だね。どんなに力だけが優れていても、その使い方を知らなければ、その力は何の意味も持たない。うん、そうだね、千晶を目覚めさせよう。」
帝国の長の決定権は、絶対である。
「お久しぶりね、千晶ちゃん。特番で初めて顔合わせした以来の再会が、こんなところになるなんてね。あ、お目覚めだから、オハヨーの方がよかったのかな?」
「?? ……あさぎり…ゲン?」
「ピンポンピンポーン♪ さっすがクイズ女王。」
「ようこそ、地上の楽園へ。」
(獅子王…司?!)
かくして、千晶は、司帝国の【ブレーン】として、石化状態から復活させられた。
「じゃあ、あなたは一応、女の子だから、あたしから説明させてもらうわね。」
記者で情報通の北東西南(ほくとうざい・みなみ)が、復活したての千晶に、現状を説明する。
ある日、全世界に石化光線が降り注ぎ、地球上の全ての人類が、石化状態になってしまったこと。
それから、3700年も経過し、ある男が石化状態から復活したこと。
「千空?!」
「知ってるの? じゃあ話は早いわ、彼の説明は省略ね。」
石化状態を解く硝酸混合液を千空が発見したこと。
千空は更に硝酸混合液を精製し、司を復活させたが、その科学力を恐れた司によって、
「殺された…"らしい"?」
「うん。これは推測になるんだけど、もしかしたら、何らかの方法によって彼は息を吹き返し、どこかに潜伏しているかもって、司くんは言うのよね。」
千晶は力なくその場に座り込み、俯いたまま何かを考えているようだった。
「…まあ、信じられないよね、誰だってこんなこといきなり説明されたら。あたしだって、最初司くんから言われたときは、新手の口説き文句かとときめいていいのかどうか迷っちゃったくらいなんだけど…ああそれはいいか。まあとにかく、今、話したことが、基本情報。あとは、今の勢力図なんだけど…。大丈夫? ついてこられそう?」
「うん、問題ない。続けて。」
千晶は、力強く顔を上げた。
南の口から、司帝国の実質的幹部が語られる。
獅子王司(ししおう・つかさ)を頂点に、帝国の実質的3トップは氷月と羽京だという。
「暁氷月(あかつき・ひょうが)。司帝国の実質的No.2で、【管槍】と呼ばれる特殊な槍の使い手よ。その圧倒的な実力もさることながら、正確な状況把握力・冷静な判断力が見込まれているわ。言葉遣いも丁寧で、とにかく"ちゃんとしてる"ことが彼の基準みたい。」
(力だけでなくブレーンも兼ねている…。)
「西園寺羽京(さいおんじ・うきょう)。司帝国の実質的No.3で、彼は元自衛官。」
「自衛官?! 自衛隊?!」
「そう、海上自衛隊のソナーマンとして、その聴力は人並外れているっていうのが最大の特長。」
「聴力?」
「そう、あたしも取材で初めてその凄さを目の当たりにしたんだけど、常人には到底聞き分けられない微細な音の違いも、彼にははっきりわかるのね。そんなに凄い能力を持っているのに、彼、全然自慢しないし、それどころか謙虚で、物腰も柔らかで、見るからに好青年って感じなのよね。とても強そうには見えないけど、脱いだら筋肉バッキバキの細マッチョ。怒らせたら一番怖いタイプかも?」
「へえ…(後半はわりとどうでもいい)。」
「あとは、その次点を虎視眈々と狙う、元警察官の上井陽(うえい・よう)。」
「警察官?!」
「あーー、元・警察官ね。拳銃の扱いが優れていたらしいんだけど…、警察官らしからぬインモラルな考え方の持ち主なのが、復活後にわかってしまってね。彼の扱いをどうしようか、頭を悩ませているってとこ。まあ今んとこ、秩序をはみ出した不届き者を粛清する役を喜んでやっているわ。どの口がって感じだけど。」
(要注意人物かもしれない。)
「あさぎりゲン…は、あなたテレビで共演してたんですって? なら説明不要ね。彼はこれから、千空の潜伏先を探りに行くの。今のところ、彼が抜けて空いた頭脳枠の穴を埋めるってことで、あなたは復活となった。」
「なるほど(あたしはあくまで補充要員)。」
「長くなっちゃったから、これで最後にするわね。最後は、花田仁姫(はなだ・にき)。180cmの大柄な体格の、柔道やってる女の子よ。あだ名はニッキー。彼女は今、監視役をしているわ。」
「監視役?」
「千空の"墓参り"をしているという、大樹と杠の二人を、ね。」
「!!」
「こんなもんでいいかな。まだわかんないことあったら、あとで個別に教えてあげるわ。とりあえず今は復活したてで混乱してるだろうから、休んでたらいいわよ。」
「あ、ありがとう…ございます。」
「いーのいーの。貴重な女子復活者同士、仲良くしてこーね♪」
(貴重な? 目下の労働力として、男子が多いのか? それとも、戦力、駒として…?)
おおよその持ち場やそれぞれのふんわりとした役割を説明され、そのまま女子だけの暮らすエリアで一夜、体を休めた。
(千空のこと、聞きたかったんだけど、な……。)
その場に杠はいなかった。
翌朝。
司の元へ直接話をしに行こうと千晶は本陣へと移動する。
その一人歩く姿を、じっと見つめる者があった。
「君が、新入りの子か。」
さわやかな口調で話しかけられた千晶は、その声の主の方を向く。
木の上から、こちらを見下ろすその姿は、まるで森の精だった。
「司から聞いているよ。君、クイズが得意なんだって?」
「あなたは?」
「ああ失礼、自己紹介がまだだったね。僕は、西園寺羽京。今はこの辺りを監視している。」
「そう。その聴力を活かして、耳で情報を得ているわけか。」
「僕のこと、知ってるんだ。」
「さっき、聞いた。」
これがふたりの、ファースト・インプレッションだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
3700年分の1日くらいなら、「さっき」でしょうよ(言い訳)
いやあ、初めて、初めての出会いを書きました(今頃感パネエ)
