DX1~熱闘編~
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「最強の眼!」(コハク)
「最強の耳!」(羽京)
「最強の頭脳!」(千晶)
「新生クロム調査隊! 見つけてやるぜ! 相良油田!!」
国産の石油を探しに、コハク、クロム、羽京、そして千晶が探索チームとなり、出発した。
「滝…の音?」
東海道新幹線の全停車駅(とその駅周辺情報)を暗記していた千晶は、山の位置などに違和感を覚え、いち早く地殻変動の可能性に気づいた。
「太平洋プレートは常に西へ移動し、沈み、地上の地殻を押し上げ、地震を伴って大規模な地形の変動を生み出す。旧時代、チョモランマ(エベレスト)が毎年その高度を増していたことがなによりの証拠。あれはインド半島がプレートの動きで常に大陸へと移動し続けているためだ。…考えてみればわかることだったんだ。三千年。三千年だよ? 4つものプレートから成っている日本は、地震大国で、地震のたびに……。」
「…ってことは……。」
地形が、ダイナミックに変わってしまった。
千空は、それを、富士山の噴火の積み重ねと考えたのに対し、
千晶は、それを、プレートの移動による地殻変動と推測した。
「…記憶の中の地図は、役に立たない。」
そう言うなり千晶は、肩を落とした。
「あたしの知識は、この場に於いて何の役にも立たない……。」
「千晶……。」
地面を睨みつけ肩を震わせる千晶に、羽京が寄り添った。
「新しい地図が、必要だね。」
~~場面転換~~
調査のためとはいえ無害な野生動物を狩ったことで、羽京は罪悪感に苛まれていた。
そんな縮こまっている背中を見つけた千晶が、寄り添うように隣に腰掛けた。しばらく黙ったままだったが、落ち着いて口を開いた。
「あなたがいてくれてよかった。あなたみたいな人がいてくるから、我々は人としての道を踏み外さずに済むんだと思うよ。」
はっとして羽京は、彼女の方を向いた。千晶は続ける。
「此処で出逢えたのがあなたでよかった。」
優しい眼差しで語り掛ける彼女に、羽京は永遠にそこに縛り付けられたような錯覚に襲われた。
このまま、時間が止まってしまえばいいのにと。
「千晶ー! これ何て言うんだー?!」
〈ドクン〉
千晶を呼ぶクロムの声。この後に千晶がここから離れるのだと予想できてしまう。
「え? なにー?」
〈ドクン〉
咄嗟に彼女の手を掴みそうな衝動に駆られた。
(待っ……)
彼女を行かせまいと。
(…………え?)
後方からの呼びかけに応えた千晶は、ゆっくりと立ち上がり、羽京の元を離れて行った。
〈ドクン、ドクン……〉
(……なぜ?)
一人その場に残された羽京は、みるみる体中が熱くなり、
意識という意識すべてが、
感覚という感覚すべてが、
『相方。』
千晶、という概念に支配されていた。
「ヤベーーー! これ、超おもしれェな!」
「あはは!」
無邪気な声に振り向いたその瞳には、もう千晶しか映っていなかった。
DX1 熱闘編 終
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(♪)
"She comes to me when I'm feelin' down
Inspires me without a sound
She touches me and I get turned around"
Billy Joel - SHE'S GOT A WAY 『Cold Spring Harbor』1971
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
DX2 微熱編 へ続く
微熱編は、ラブコメでっす! お楽しみに?
DX1は2024年10月16日までに書き上げた作品です。
「最強の耳!」(羽京)
「最強の頭脳!」(千晶)
「新生クロム調査隊! 見つけてやるぜ! 相良油田!!」
国産の石油を探しに、コハク、クロム、羽京、そして千晶が探索チームとなり、出発した。
「滝…の音?」
東海道新幹線の全停車駅(とその駅周辺情報)を暗記していた千晶は、山の位置などに違和感を覚え、いち早く地殻変動の可能性に気づいた。
「太平洋プレートは常に西へ移動し、沈み、地上の地殻を押し上げ、地震を伴って大規模な地形の変動を生み出す。旧時代、チョモランマ(エベレスト)が毎年その高度を増していたことがなによりの証拠。あれはインド半島がプレートの動きで常に大陸へと移動し続けているためだ。…考えてみればわかることだったんだ。三千年。三千年だよ? 4つものプレートから成っている日本は、地震大国で、地震のたびに……。」
「…ってことは……。」
地形が、ダイナミックに変わってしまった。
千空は、それを、富士山の噴火の積み重ねと考えたのに対し、
千晶は、それを、プレートの移動による地殻変動と推測した。
「…記憶の中の地図は、役に立たない。」
そう言うなり千晶は、肩を落とした。
「あたしの知識は、この場に於いて何の役にも立たない……。」
「千晶……。」
地面を睨みつけ肩を震わせる千晶に、羽京が寄り添った。
「新しい地図が、必要だね。」
~~場面転換~~
調査のためとはいえ無害な野生動物を狩ったことで、羽京は罪悪感に苛まれていた。
そんな縮こまっている背中を見つけた千晶が、寄り添うように隣に腰掛けた。しばらく黙ったままだったが、落ち着いて口を開いた。
「あなたがいてくれてよかった。あなたみたいな人がいてくるから、我々は人としての道を踏み外さずに済むんだと思うよ。」
はっとして羽京は、彼女の方を向いた。千晶は続ける。
「此処で出逢えたのがあなたでよかった。」
優しい眼差しで語り掛ける彼女に、羽京は永遠にそこに縛り付けられたような錯覚に襲われた。
このまま、時間が止まってしまえばいいのにと。
「千晶ー! これ何て言うんだー?!」
〈ドクン〉
千晶を呼ぶクロムの声。この後に千晶がここから離れるのだと予想できてしまう。
「え? なにー?」
〈ドクン〉
咄嗟に彼女の手を掴みそうな衝動に駆られた。
(待っ……)
彼女を行かせまいと。
(…………え?)
後方からの呼びかけに応えた千晶は、ゆっくりと立ち上がり、羽京の元を離れて行った。
〈ドクン、ドクン……〉
(……なぜ?)
一人その場に残された羽京は、みるみる体中が熱くなり、
意識という意識すべてが、
感覚という感覚すべてが、
『相方。』
千晶、という概念に支配されていた。
「ヤベーーー! これ、超おもしれェな!」
「あはは!」
無邪気な声に振り向いたその瞳には、もう千晶しか映っていなかった。
DX1 熱闘編 終
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(♪)
"She comes to me when I'm feelin' down
Inspires me without a sound
She touches me and I get turned around"
Billy Joel - SHE'S GOT A WAY 『Cold Spring Harbor』1971
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DX2 微熱編 へ続く
微熱編は、ラブコメでっす! お楽しみに?
DX1は2024年10月16日までに書き上げた作品です。
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