DX1~熱闘編~
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"ガチファン"・ニッキーのスパルタ特訓により、ゲンの演じるリリアンは各段にブラッシュアップした。
「じゃあ早速、仲間を増やす作戦を始めようじゃないか!」
「私ね、千晶ちゃんがいいと思うんだ。だって、千晶ちゃん…」
「あー、千晶はダメだね。」
杠の提案を、ニッキーが即、却下した。
「え、なんで?」
「知らないの? 千晶って、司帝国の軍師だよ?」
「グンシ??」
「戦争とかで、戦い方・詰め方を考える、いわば頭脳部門だ。あたいらが武力で戦うとしたら、千晶は頭脳で戦うタイプってわけ。」
「戦う? 誰…と?」
「千空に決まってんじゃん。」
「え…?」
「本陣で日々、千空の出方を探ってる。そのために、人員配置をどうするかとか、どんな設備を造るのかとか、作戦会議をしてるらしいよ。そんな彼女に知られたら、せっかくの作戦が司に筒抜けになっちまう。」
「……そう…なんだ……。」
杠は、なんだか千晶に裏切られたような気分になってしまっていた。
「~~♪」
千晶の横を通り過ぎる者が、どこかで聞いたことのある曲を鼻歌で奏でていた。
(あれは確か、リリアン・ワインバーグの……。)
エンタメクイズ対策でヒット曲というヒット曲をその頭に叩き込んだ千晶の耳は確かだった。
そんな様子はその一人だけでなく、何人かいることに、千晶は気づいた。
「その歌、今、流行ってるの?」
「え? あ、千晶か……どうする?」
「え? えーと……でも、千晶って司くんの……。」
「だよな……。」
司帝国の幹部・千晶を前に、"調教された"人々は、口ごもる。
「?? …あたしに、言えないこと?」
「いやっ、なんてーか……、あっ、そうだ、大樹たちに聞いてみれば?」
「そうだ! そうそう! 大樹たちに聞いてみなよ。」
リスクの責任をとりたくない。そんな意図が、千晶には筒抜けだった。
彼らが大樹たちと接触し、何らかの情報を得たのだと、千晶は推測した。羽京に知らせ、大樹たちの行動を注視することをすすめる。
「そんなに気になるなら、君も行ってみればいいのに?」
「あたしは警戒されてるから、近寄れもしないと思うな。」
「じゃあ、一緒に行ってみる?」
【千空の墓】に程近い場所に、羽京と千晶は潜伏した。
『リリアン・ワインバーグです! アメリカはもう復興しています!』
「うおおおおおお!!!」
「……電話?」
「千空が、作った…?」
同時にサブイボが立ったふたりは、しばらく様子を見ていた。
「……ハッタリ、だよね?」
「うん、僕も、そう思う。」
「これでこの場の全員を寝返らせて、司帝国を内部崩壊させようというの?」
「けど、詰めが甘い。」
「え?」
「ちょっと、行ってくるよ。」
羽京は、集会所へ歩み出した。
「ゲ・ン。」
その耳でゲンのモノマネを見破った羽京。千空との話し合いで、一人の死者も出さないことを約束させた。
(※やりとりの詳細は、原作を参照のこと)
「ちょっと待ってて、この場にぴったりなゲストを連れてくるから。」
そう言って、羽京は軽い身のこなしで、一人の小柄な女性をお姫様だっこで連れてくる。
「なんでやねん! 自力で歩いてこられるわ!」by千晶
「あはは。」by羽京
よッ! 出ました夫婦漫才!
「千晶ちゃん?!」
その意外な人物の登場に、この場で一番驚いたのは杠だった。
「ほら、感動のご対面…って言っても、声だけだけど。」
羽京は千晶を下ろし、受話器に誘導した。千晶が千空に会いたがっていることを、羽京は、知っていた。
「……千空?」
『! 千晶、か?』
『わーお、因縁のライバルのご対面~声だけだけど。』
『ああ、一番会いたくなかった奴だな。』
緊張していた千晶の口元に、笑みが見えた。
「それはこっちのセリフだよ。てっきり地獄の底にいるんだとばかり。」
『ああ、地獄からたった今、這い上がってきたぜェ。といってもまた、そう遠くない未来でまた突き落とされるんだろうがな。ククッ。』
泣きそうになるのを必死で堪え、千晶は、千空と作戦会議に出る。
「勝算は?」
『100億パーセント、俺ら科学王国が勝つ。』
「みんな、科学の力で生き残れるんだね。」
『当たり前だ、たった今、そこの羽京とも約束した。誰一人死なせない、と。』
『なかなかハードなクリア条件みたいだけどォ~。』
「よし、乗った。千空側、科学王国が優位に動けるよう、司の動きを封じる作戦を考えないとね。」
『そうだな、いくら周りを説得しても、肝心の大将がその鶴の一声をあげれば形勢は元の木阿弥だ。司の動きを止める。これが一番重要だ。』
「司を…でも、どうやって…。」
『科学の力、だよ。ノーベル賞ものの科学の"力"を見せつけるんだ。まずは奇跡の洞窟を攻略する。いけるか?千晶。』
「攻略? ノーベル賞…科学の"力"…。はっ、まさか…でもそれって、すごく危険な…?!」
『ククッ、さすが千晶。察しがいいじゃねえか。』
ギリシア語で"力"。
発明者の名をとって、「ノーベル賞」が発足した。
この場で、【その意味するもの】に気づいたのは千晶だけであった。
使い様によっては、大虐殺も可能な、科学の"力"。
「……本当に、死人を出さずに済むの?」
『100億パーセント、間違いねえ。羽京に誓う。』
千晶は振り返り、羽京と目を合わせた。その目に迷いはなかった。
『俺に任せろ。お前は洞窟周辺の掃除でもしとくんだな。』
悪戯な笑みを浮かべて千晶は受話器に視線を戻した。
「掃除、ね。ふふ、実はもうあらかた済んでるんだよなあ。」
『なんだよ、準備がいいじゃねえか。』
「それ、どういう…?」
「あたしと千空はライバルなんだ。千空の考えることは、だいたい、わかる。」
『俺は認めてねーぞー。』
「司を足止めしつつ、洞窟を奪還。準備が整い次第、司と交渉の場を作る。そういうことだね。」
『ククッ、100億点満点だ。そっちは任せたぞ、千晶。』
最終決戦まで、あと、1時間。
「じゃあ早速、仲間を増やす作戦を始めようじゃないか!」
「私ね、千晶ちゃんがいいと思うんだ。だって、千晶ちゃん…」
「あー、千晶はダメだね。」
杠の提案を、ニッキーが即、却下した。
「え、なんで?」
「知らないの? 千晶って、司帝国の軍師だよ?」
「グンシ??」
「戦争とかで、戦い方・詰め方を考える、いわば頭脳部門だ。あたいらが武力で戦うとしたら、千晶は頭脳で戦うタイプってわけ。」
「戦う? 誰…と?」
「千空に決まってんじゃん。」
「え…?」
「本陣で日々、千空の出方を探ってる。そのために、人員配置をどうするかとか、どんな設備を造るのかとか、作戦会議をしてるらしいよ。そんな彼女に知られたら、せっかくの作戦が司に筒抜けになっちまう。」
「……そう…なんだ……。」
杠は、なんだか千晶に裏切られたような気分になってしまっていた。
「~~♪」
千晶の横を通り過ぎる者が、どこかで聞いたことのある曲を鼻歌で奏でていた。
(あれは確か、リリアン・ワインバーグの……。)
エンタメクイズ対策でヒット曲というヒット曲をその頭に叩き込んだ千晶の耳は確かだった。
そんな様子はその一人だけでなく、何人かいることに、千晶は気づいた。
「その歌、今、流行ってるの?」
「え? あ、千晶か……どうする?」
「え? えーと……でも、千晶って司くんの……。」
「だよな……。」
司帝国の幹部・千晶を前に、"調教された"人々は、口ごもる。
「?? …あたしに、言えないこと?」
「いやっ、なんてーか……、あっ、そうだ、大樹たちに聞いてみれば?」
「そうだ! そうそう! 大樹たちに聞いてみなよ。」
リスクの責任をとりたくない。そんな意図が、千晶には筒抜けだった。
彼らが大樹たちと接触し、何らかの情報を得たのだと、千晶は推測した。羽京に知らせ、大樹たちの行動を注視することをすすめる。
「そんなに気になるなら、君も行ってみればいいのに?」
「あたしは警戒されてるから、近寄れもしないと思うな。」
「じゃあ、一緒に行ってみる?」
【千空の墓】に程近い場所に、羽京と千晶は潜伏した。
『リリアン・ワインバーグです! アメリカはもう復興しています!』
「うおおおおおお!!!」
「……電話?」
「千空が、作った…?」
同時にサブイボが立ったふたりは、しばらく様子を見ていた。
「……ハッタリ、だよね?」
「うん、僕も、そう思う。」
「これでこの場の全員を寝返らせて、司帝国を内部崩壊させようというの?」
「けど、詰めが甘い。」
「え?」
「ちょっと、行ってくるよ。」
羽京は、集会所へ歩み出した。
「ゲ・ン。」
その耳でゲンのモノマネを見破った羽京。千空との話し合いで、一人の死者も出さないことを約束させた。
(※やりとりの詳細は、原作を参照のこと)
「ちょっと待ってて、この場にぴったりなゲストを連れてくるから。」
そう言って、羽京は軽い身のこなしで、一人の小柄な女性をお姫様だっこで連れてくる。
「なんでやねん! 自力で歩いてこられるわ!」by千晶
「あはは。」by羽京
よッ! 出ました夫婦漫才!
「千晶ちゃん?!」
その意外な人物の登場に、この場で一番驚いたのは杠だった。
「ほら、感動のご対面…って言っても、声だけだけど。」
羽京は千晶を下ろし、受話器に誘導した。千晶が千空に会いたがっていることを、羽京は、知っていた。
「……千空?」
『! 千晶、か?』
『わーお、因縁のライバルのご対面~声だけだけど。』
『ああ、一番会いたくなかった奴だな。』
緊張していた千晶の口元に、笑みが見えた。
「それはこっちのセリフだよ。てっきり地獄の底にいるんだとばかり。」
『ああ、地獄からたった今、這い上がってきたぜェ。といってもまた、そう遠くない未来でまた突き落とされるんだろうがな。ククッ。』
泣きそうになるのを必死で堪え、千晶は、千空と作戦会議に出る。
「勝算は?」
『100億パーセント、俺ら科学王国が勝つ。』
「みんな、科学の力で生き残れるんだね。」
『当たり前だ、たった今、そこの羽京とも約束した。誰一人死なせない、と。』
『なかなかハードなクリア条件みたいだけどォ~。』
「よし、乗った。千空側、科学王国が優位に動けるよう、司の動きを封じる作戦を考えないとね。」
『そうだな、いくら周りを説得しても、肝心の大将がその鶴の一声をあげれば形勢は元の木阿弥だ。司の動きを止める。これが一番重要だ。』
「司を…でも、どうやって…。」
『科学の力、だよ。ノーベル賞ものの科学の"力"を見せつけるんだ。まずは奇跡の洞窟を攻略する。いけるか?千晶。』
「攻略? ノーベル賞…科学の"力"…。はっ、まさか…でもそれって、すごく危険な…?!」
『ククッ、さすが千晶。察しがいいじゃねえか。』
ギリシア語で"力"。
発明者の名をとって、「ノーベル賞」が発足した。
この場で、【その意味するもの】に気づいたのは千晶だけであった。
使い様によっては、大虐殺も可能な、科学の"力"。
「……本当に、死人を出さずに済むの?」
『100億パーセント、間違いねえ。羽京に誓う。』
千晶は振り返り、羽京と目を合わせた。その目に迷いはなかった。
『俺に任せろ。お前は洞窟周辺の掃除でもしとくんだな。』
悪戯な笑みを浮かべて千晶は受話器に視線を戻した。
「掃除、ね。ふふ、実はもうあらかた済んでるんだよなあ。」
『なんだよ、準備がいいじゃねえか。』
「それ、どういう…?」
「あたしと千空はライバルなんだ。千空の考えることは、だいたい、わかる。」
『俺は認めてねーぞー。』
「司を足止めしつつ、洞窟を奪還。準備が整い次第、司と交渉の場を作る。そういうことだね。」
『ククッ、100億点満点だ。そっちは任せたぞ、千晶。』
最終決戦まで、あと、1時間。
