第四章(羽翔さんの育児奮闘記)
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第四章 第7話 0y10m
(注:重々承知かと思いますが、この物語はフィクションです。実際の団体とは関係ありません。)
「伝書鳩」羽翔が、都内自宅に届いた区の子ども家庭課からの封書を、未開封のまま、横浜市内の千晶実家に届ける。
娘の体に保湿剤を塗っていた千晶の背中に、区役所から封書が届いたと羽翔は声をかける。と、勢いよく羽翔の手からそれは消えた。忍者かっ。
「どれどれー? どこになったのかなー?」
時期的に、保育所入所案内の通知と思っていた千晶。広げた書面を読み進めるほどに、その顔色から血の気が引いていった。保湿剤のついた空封筒が落ちる音がした。
落選。
「保育園落ちた。日本タヒね。」
かの有名な言葉を、棒立ちで呟いた。
「居住実態が、無い……。」
すぐに区役所に乗り込んだ千晶は、返す言葉が無かった。
毎月のように申請される、都外医療機関受診分の医療費還付。これが審査にマイナスに働いた。
ともすると、その地域で子どもを養育できる環境が整っていて、保育所を必要とする理由に当てはまらない、と見なされてしまったのだ。
この場合、【待機児童】の定義にも当てはまらない、らしい。
「私、医師、なんですけど?」
職業差別にならないよう、職業で優劣をつけることはない、と。まるで形式的に係員に返されるや、千晶は黙り込んでしまった。
「保育所は、保育を必要とする家庭に優先、かあ……。」
放心状態で待合椅子に座る千晶に、かける言葉が見つからない羽翔だった。羽翔の抱っこひもで眠る娘と共に、千晶の傍にいてやることしかできなかった。
「計画……通りじゃ、ない……。」
春から始まるはずだった、親子3人での新生活への夢は、断ち切られた。
「育休延長申請、かなあ。」
千晶母の見守る中、伝い歩きをする娘。
その光景を、少し遠くから眺める千晶。
そんな千晶を、見ている羽翔。
「うんうん、だいぶ足腰が強くなってきたわ。この調子ならもう一人立ちできそうじゃない? ねえ、千晶、見てる?」
「うん。」
千晶母、羽翔の義母は、千晶と違って、とても物腰柔らかで、温かみのある人だ。(と言うと怒りそうなので千晶の前では言わない)
千晶が物怖じせず真っすぐ突き進めるその原動力は、いつでも帰ってこられるこの家と、惜しみない愛と安心を与えてくれるこの母親の存在が大きいのかと、思うことがある。それほどの愛情をもって、子である千晶、そして、孫娘に接してくれている。羽翔は尊敬の念をもって、その子育て熟練者と接していた。
「ねえお母さん。」
「なあに、千晶。」
「今、私がまたワガママ言っても、聞いてくれる?」
「なあに?」
千晶は、まだ諦めていなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
挫折が続く最愛の人を、傍で見守ることしかできない羽翔さん。
愛だナー。
(♪)"Million Tears
君の代わりに泣いてあげたい…
君に 輝きよ戻れ"
カルロス・トシキ&オメガトライブ - 花の降る午後 詞:売野雅勇『花の降る午後』1989
(注:重々承知かと思いますが、この物語はフィクションです。実際の団体とは関係ありません。)
「伝書鳩」羽翔が、都内自宅に届いた区の子ども家庭課からの封書を、未開封のまま、横浜市内の千晶実家に届ける。
娘の体に保湿剤を塗っていた千晶の背中に、区役所から封書が届いたと羽翔は声をかける。と、勢いよく羽翔の手からそれは消えた。忍者かっ。
「どれどれー? どこになったのかなー?」
時期的に、保育所入所案内の通知と思っていた千晶。広げた書面を読み進めるほどに、その顔色から血の気が引いていった。保湿剤のついた空封筒が落ちる音がした。
落選。
「保育園落ちた。日本タヒね。」
かの有名な言葉を、棒立ちで呟いた。
「居住実態が、無い……。」
すぐに区役所に乗り込んだ千晶は、返す言葉が無かった。
毎月のように申請される、都外医療機関受診分の医療費還付。これが審査にマイナスに働いた。
ともすると、その地域で子どもを養育できる環境が整っていて、保育所を必要とする理由に当てはまらない、と見なされてしまったのだ。
この場合、【待機児童】の定義にも当てはまらない、らしい。
「私、医師、なんですけど?」
職業差別にならないよう、職業で優劣をつけることはない、と。まるで形式的に係員に返されるや、千晶は黙り込んでしまった。
「保育所は、保育を必要とする家庭に優先、かあ……。」
放心状態で待合椅子に座る千晶に、かける言葉が見つからない羽翔だった。羽翔の抱っこひもで眠る娘と共に、千晶の傍にいてやることしかできなかった。
「計画……通りじゃ、ない……。」
春から始まるはずだった、親子3人での新生活への夢は、断ち切られた。
「育休延長申請、かなあ。」
千晶母の見守る中、伝い歩きをする娘。
その光景を、少し遠くから眺める千晶。
そんな千晶を、見ている羽翔。
「うんうん、だいぶ足腰が強くなってきたわ。この調子ならもう一人立ちできそうじゃない? ねえ、千晶、見てる?」
「うん。」
千晶母、羽翔の義母は、千晶と違って、とても物腰柔らかで、温かみのある人だ。(と言うと怒りそうなので千晶の前では言わない)
千晶が物怖じせず真っすぐ突き進めるその原動力は、いつでも帰ってこられるこの家と、惜しみない愛と安心を与えてくれるこの母親の存在が大きいのかと、思うことがある。それほどの愛情をもって、子である千晶、そして、孫娘に接してくれている。羽翔は尊敬の念をもって、その子育て熟練者と接していた。
「ねえお母さん。」
「なあに、千晶。」
「今、私がまたワガママ言っても、聞いてくれる?」
「なあに?」
千晶は、まだ諦めていなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
挫折が続く最愛の人を、傍で見守ることしかできない羽翔さん。
愛だナー。
(♪)"Million Tears
君の代わりに泣いてあげたい…
君に 輝きよ戻れ"
カルロス・トシキ&オメガトライブ - 花の降る午後 詞:売野雅勇『花の降る午後』1989
