第四章(羽翔さんの育児奮闘記)
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第四章 第2話 翡翠の子
臨月の千晶は、羽翔と共に横浜の実家で慌ただしく手を動かしていた。
千晶の部屋だったところを育児部屋へと改装。
シングルサイズの布団を2つと、その間にベビー用布団を並べた。
家事スキルゼロの千晶は里帰り育児を選んだ。
身の回りのサポートは実母に頼み、羽翔と共に育児に専念する構えだ。
「もう名前は考えてるの?」
「五月の誕生石が翡翠だから、これに因んだ名前なんてどう?」
希望に満ちあふれる瞳で千晶は言った。
「うん。いいと思う。」
千晶が望むことは、僕の望むことでもあった。
ハンガーにかかった洗いたてのベビー服を眺めながら、僕たちはその時を待ち望んだ。
「間隔が……30分切った……。羽翔、タクシー……」
「わかった、すぐ呼ぶ。」
自身が医師だからといって、陣痛まではコントロールできない。
苦痛に歪む千晶の横で、予め登録しておいた陣痛タクシーに電話をかける。
千晶は歯を食いしばり、額に汗をかいていた。
羽翔は産院に持っていくためにまとめられたボストンバッグを肩にかけ、千晶の手を握ってタクシーが到着するのを待った。
「千晶、頑張っ……」
「あああああああああああああ!!!」
こんな千晶は初めて見た。まさに命がけだ。
出産に立ち会う男は皆こうなのか、何もできずオロオロするだけだった。
「旦那さん、奥さんの手を握ってあげてください?」
「は、はい。」
「ううっ……っああぁぁぁ……。」
僕の手を握り返した千晶の手は、汗でぐしょぐしょになっていた。
「千晶、もう少し、もう少しだ。」
「うん……頑張る……頑張るから……。」
汗と涙で濡れた千晶の顔を、直視することができなかった。
僕自身も、涙が滲んでよく見えていなかった。
「頭が見えてきましたよ。痛みが来たら一気にいきんで!」
「うわああああああああああああ!!!」
「お腹に力を入れて!」
「はあ、ああああ!!」
「千晶、頑張れ。」
「いいよ、もう少し!」
次の瞬間、小さな命が僕たちの前に現れた。
そして、世界一美しい音が、分娩室に響き渡った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
産声を『世界一美しい音』と表現する羽翔さん。
臨月の千晶は、羽翔と共に横浜の実家で慌ただしく手を動かしていた。
千晶の部屋だったところを育児部屋へと改装。
シングルサイズの布団を2つと、その間にベビー用布団を並べた。
家事スキルゼロの千晶は里帰り育児を選んだ。
身の回りのサポートは実母に頼み、羽翔と共に育児に専念する構えだ。
「もう名前は考えてるの?」
「五月の誕生石が翡翠だから、これに因んだ名前なんてどう?」
希望に満ちあふれる瞳で千晶は言った。
「うん。いいと思う。」
千晶が望むことは、僕の望むことでもあった。
ハンガーにかかった洗いたてのベビー服を眺めながら、僕たちはその時を待ち望んだ。
「間隔が……30分切った……。羽翔、タクシー……」
「わかった、すぐ呼ぶ。」
自身が医師だからといって、陣痛まではコントロールできない。
苦痛に歪む千晶の横で、予め登録しておいた陣痛タクシーに電話をかける。
千晶は歯を食いしばり、額に汗をかいていた。
羽翔は産院に持っていくためにまとめられたボストンバッグを肩にかけ、千晶の手を握ってタクシーが到着するのを待った。
「千晶、頑張っ……」
「あああああああああああああ!!!」
こんな千晶は初めて見た。まさに命がけだ。
出産に立ち会う男は皆こうなのか、何もできずオロオロするだけだった。
「旦那さん、奥さんの手を握ってあげてください?」
「は、はい。」
「ううっ……っああぁぁぁ……。」
僕の手を握り返した千晶の手は、汗でぐしょぐしょになっていた。
「千晶、もう少し、もう少しだ。」
「うん……頑張る……頑張るから……。」
汗と涙で濡れた千晶の顔を、直視することができなかった。
僕自身も、涙が滲んでよく見えていなかった。
「頭が見えてきましたよ。痛みが来たら一気にいきんで!」
「うわああああああああああああ!!!」
「お腹に力を入れて!」
「はあ、ああああ!!」
「千晶、頑張れ。」
「いいよ、もう少し!」
次の瞬間、小さな命が僕たちの前に現れた。
そして、世界一美しい音が、分娩室に響き渡った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
産声を『世界一美しい音』と表現する羽翔さん。
