第三章(芸能編+クロルリ)
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第三章 第2話 クロム
黒田曜一(くろだ・よういち)。
ディア・ストーン・プロダクション社長。株式会社コクヨウの創業者で元代表取締役・現会長としてその名は業界では有名。個人で多くの株式を保有する資産家でもある。数年前、ルリの個人事務所を設立。
「黒田瑠璃子、という名前が、商標登録されてしまった、と。」
「うむ。そういうことだ。」
黒田は千晶に、当事務所設立のいきさつを語った。
子役時代から数々の俳優賞を総ナメにしてきた瑠璃子は、成人前、子役事務所からどの事務所に移籍するのか、各方面から注目されていた。
最も好条件でオファーを出したとされる、大手芸能事務所への移籍が決まり、早速瑠璃子を主演とする映画をハイスピードで次々と製作。
しかしその「条件」は今思えば詐欺紛いのもので、瑠璃子にとって不利なものばかりだった。
主演映画の興行収入が億単位になったとて、瑠璃子に支払われるのは、最初に締結した基本給のみ。インセンティブは発生しないのである。
それなのに、日夜通しての撮影で瑠璃子が疲れきっていても、休日手当てや残業代すら発生しない。
「私はただ、好きな演劇を続けられればそれでいい、と考えていました。」
この事実を知った黒田が激怒。給料体制と労働条件の改善を求め裁判まで起こすが、最初の契約書が有効とみなされ、さらに撮影日時の記録も「無かった」ため残業代の追加支払いも無く、泥沼の様相を呈していた。
裁判を起こされた大手芸能事務所は、会社のイメージを悪くしたとして瑠璃子を解雇。しかしそれより前のタイミングで、本名で芸名の【黒田瑠璃子】を商標登録。瑠璃子の出演した過去作全ての著作権、放映権等はその事務所が保有してしまう。
「すべては私の未熟さにあります。演じること以外、何も頭にありませんでした……。」
黒田が瑠璃子の「演劇を続けたい」意思を尊重し、瑠璃子のために個人事務所を設立。芸名を【ルリ】と改め、再出発した。
しかし、である。
「演劇だけでは、限界があって……。」
ルリの主戦場、演劇界はその大手芸能事務所の寡占状態にあり、希望する仕事がなかなか回ってこない。
そこで目をつけたのが、バラエティ番組。
既に活躍している所属タレントが筋肉バカ枠なので、頭脳系、千晶が加われば一気に形勢が安定する、との見立てらしい。
「……というわけだ。」
「なるほど。」
千晶がこの事務所に必要とされていることがよくわかった。ルリへの同情も湧く。しかし今ひとつ、決定打に欠いていた。
こんな零細企業で、いい仕事はもらえるのか? 報酬は折半とも限らないし、もらえるギャラが少ないのであれば、もっと規模の大きい芸能事務所をあたった方が……?
「ヤベーーー!!!」
外から大きい声が聞こえるや、その発生源は勢いよく事務所内に入ってくる。
「ヤベーーー! ヤベーーー!!」
さっき外ですれ違った男が、千晶らの居る応接間に飛び込んできた。
「あら、クロム。早かったのね。」
クロムと呼ばれた男は、息を荒げながらルリに体を向けた。
「今日の企画会議、明日に変更になってたのすーっかり忘れててよォ! 受付で赤っ恥かいちまったぜ!」
そう言って頭を掻く。
ルリはニコニコと彼の話を聞いている。
ん?
「我が社の営業、黒田大夢(くろだ・ひろむ)だ。このように少々おっちょこちょいだが、何かと頼りになる男だ。」
黒田社長に紹介された男は、千晶に気づいて会釈する。
「黒田大夢です! ディア・ストーン・プロダクションの営業やってます! クロムってのは、小学校の時のあだ名。クロダヒロム、略してクロム。」
「私とは従兄弟で、幼馴染みなんです。」
なるほど。同族経営というわけか。
「へへっ。」
「うふふ。」
…うーん??
それはそうと千晶にはもうひとつ、気になることがあった。
ルリとクロムとの、関係性。
従兄弟で幼馴染みだから親しいというのはわかったが、それ以上に、多分、そうなんだろうけど、お互いに好意を持っているんだけど敢えてそれを口に出さない。
恋愛真っ最中の千晶にはそう感じられた。
そしてこの感じ、
「もう、クロムったら。」
「やっちまったぜ。へへっ。」
んんーーー???
どういうわけか、千晶には強烈なデジャビュなんである。
羽翔と初めてちゃんと会った時も、こんな感じ、したっけ?
羽翔とのデジャビュに、どことなーく似ているのが、どうも引っ掛かる。
そのデジャビュを信じたら、今の羽翔との関係ができた。
千晶は直感を信じてみることにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
祝・新加入 千晶!
ミラクルプレーなクロムパネエっす。
(♪)
"変わらずそのまま 通じ合えたなら
思うだけの ただの二人"
ミツメ - エスパー 詞:川辺素 (2017)
黒田曜一(くろだ・よういち)。
ディア・ストーン・プロダクション社長。株式会社コクヨウの創業者で元代表取締役・現会長としてその名は業界では有名。個人で多くの株式を保有する資産家でもある。数年前、ルリの個人事務所を設立。
「黒田瑠璃子、という名前が、商標登録されてしまった、と。」
「うむ。そういうことだ。」
黒田は千晶に、当事務所設立のいきさつを語った。
子役時代から数々の俳優賞を総ナメにしてきた瑠璃子は、成人前、子役事務所からどの事務所に移籍するのか、各方面から注目されていた。
最も好条件でオファーを出したとされる、大手芸能事務所への移籍が決まり、早速瑠璃子を主演とする映画をハイスピードで次々と製作。
しかしその「条件」は今思えば詐欺紛いのもので、瑠璃子にとって不利なものばかりだった。
主演映画の興行収入が億単位になったとて、瑠璃子に支払われるのは、最初に締結した基本給のみ。インセンティブは発生しないのである。
それなのに、日夜通しての撮影で瑠璃子が疲れきっていても、休日手当てや残業代すら発生しない。
「私はただ、好きな演劇を続けられればそれでいい、と考えていました。」
この事実を知った黒田が激怒。給料体制と労働条件の改善を求め裁判まで起こすが、最初の契約書が有効とみなされ、さらに撮影日時の記録も「無かった」ため残業代の追加支払いも無く、泥沼の様相を呈していた。
裁判を起こされた大手芸能事務所は、会社のイメージを悪くしたとして瑠璃子を解雇。しかしそれより前のタイミングで、本名で芸名の【黒田瑠璃子】を商標登録。瑠璃子の出演した過去作全ての著作権、放映権等はその事務所が保有してしまう。
「すべては私の未熟さにあります。演じること以外、何も頭にありませんでした……。」
黒田が瑠璃子の「演劇を続けたい」意思を尊重し、瑠璃子のために個人事務所を設立。芸名を【ルリ】と改め、再出発した。
しかし、である。
「演劇だけでは、限界があって……。」
ルリの主戦場、演劇界はその大手芸能事務所の寡占状態にあり、希望する仕事がなかなか回ってこない。
そこで目をつけたのが、バラエティ番組。
既に活躍している所属タレントが筋肉バカ枠なので、頭脳系、千晶が加われば一気に形勢が安定する、との見立てらしい。
「……というわけだ。」
「なるほど。」
千晶がこの事務所に必要とされていることがよくわかった。ルリへの同情も湧く。しかし今ひとつ、決定打に欠いていた。
こんな零細企業で、いい仕事はもらえるのか? 報酬は折半とも限らないし、もらえるギャラが少ないのであれば、もっと規模の大きい芸能事務所をあたった方が……?
「ヤベーーー!!!」
外から大きい声が聞こえるや、その発生源は勢いよく事務所内に入ってくる。
「ヤベーーー! ヤベーーー!!」
さっき外ですれ違った男が、千晶らの居る応接間に飛び込んできた。
「あら、クロム。早かったのね。」
クロムと呼ばれた男は、息を荒げながらルリに体を向けた。
「今日の企画会議、明日に変更になってたのすーっかり忘れててよォ! 受付で赤っ恥かいちまったぜ!」
そう言って頭を掻く。
ルリはニコニコと彼の話を聞いている。
ん?
「我が社の営業、黒田大夢(くろだ・ひろむ)だ。このように少々おっちょこちょいだが、何かと頼りになる男だ。」
黒田社長に紹介された男は、千晶に気づいて会釈する。
「黒田大夢です! ディア・ストーン・プロダクションの営業やってます! クロムってのは、小学校の時のあだ名。クロダヒロム、略してクロム。」
「私とは従兄弟で、幼馴染みなんです。」
なるほど。同族経営というわけか。
「へへっ。」
「うふふ。」
…うーん??
それはそうと千晶にはもうひとつ、気になることがあった。
ルリとクロムとの、関係性。
従兄弟で幼馴染みだから親しいというのはわかったが、それ以上に、多分、そうなんだろうけど、お互いに好意を持っているんだけど敢えてそれを口に出さない。
恋愛真っ最中の千晶にはそう感じられた。
そしてこの感じ、
「もう、クロムったら。」
「やっちまったぜ。へへっ。」
んんーーー???
どういうわけか、千晶には強烈なデジャビュなんである。
羽翔と初めてちゃんと会った時も、こんな感じ、したっけ?
羽翔とのデジャビュに、どことなーく似ているのが、どうも引っ掛かる。
そのデジャビュを信じたら、今の羽翔との関係ができた。
千晶は直感を信じてみることにした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
祝・新加入 千晶!
ミラクルプレーなクロムパネエっす。
(♪)
"変わらずそのまま 通じ合えたなら
思うだけの ただの二人"
ミツメ - エスパー 詞:川辺素 (2017)
