第一章
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第一章 第3話 デジャビュ
「まだ放送前だから、結果は言えないんだけどね!」
「でもその様子だと、君がいい成績だったのは間違いなさそうだね。」
「え? それは…どーかなー?はは」
「オンエアが楽しみだね。」
「うん!」
ほとんど初対面のはずなのに、まるでずっと前から親しい関係だったかのように会話が弾む羽翔と千晶。
常に前を見据える千晶。その声を追う羽翔。
磁石のN極とS極のように、互いに引き寄せ合っていく。
時間を忘れて話し込んでいたのだが……
〈フルルル フルルル…〉
千晶の携帯電話が鳴る。
「あっお母さん。ごめん収録が押しちゃって。そう今終わったとこ。え?あ、ごめんその、あの、きょう、共演者の人とごはん、食べることになって!」
嘘。
「うんだからもう少し遅くなる。……わかった、もうすぐ帰る……うん、ごめんね。もう帰るから……。」
悲しげな表情で通話を終える千晶。
「ごめん……。」
「いや…あたしががっつり食べちゃったから…夕飯いらないって先に言っておけぱよかった。」
「どうして…」
「せっかくあたしの分も作ってくれたのに余らせちゃった。」
「いや、そうじゃなくて…」
どうして、嘘を。
いや、それを聞くのは野暮というものか。知らない男と食事してると言えば母親を心配させてしまうのは目に見えている。
「いや、なんでもない。」
「?」
「早く帰ったほうがいいね。お母さん、夕飯よりも君のことを心配しているはずだから。」
「うん…。」
「じゃあ、会計してくるね。」
羽翔は意を決して伝票を取り上げた。
「本当はあたしのほうがお礼をしなきゃいけない立場なのに、逆にご馳走になっちゃった。」
店から外に出る。
「気にしないで。君にもう一度会ってみたかったのは、僕のほうなんだから。」
そう言って、手荷物にしていた帽子を被る羽翔。
その仕草に、千晶は何故か釘付けになってしまった。
バアアッと一瞬風が吹き抜けた。
この感じ、どこかで……?
「今日は来てくれてありがとう。またいつか、」
次は無いかもしれない。
「どこかで……」
「また会える?」
千晶からの問いかけは羽翔には意外なものだった。
「えっ」
「次に横須賀に来るときとか、あるでしょ。」
「うん、多分。」
正確な航路の情報は外部には漏らしてはいけないのだが、次の言葉を期待してしまう自分に驚く羽翔。
「そしたらまた、こうやって、さ。また会って、くれる?」
「…うん! また会おう。」
「約束。」
握手を求める千晶。
応える羽翔。
ふたつの手が重なったとき、互いの体に電気が走った。
やっぱり、僕は/私は、この人を知っている―――。
握手の格好のまま、見つめ合うふたりだった。
「まだ放送前だから、結果は言えないんだけどね!」
「でもその様子だと、君がいい成績だったのは間違いなさそうだね。」
「え? それは…どーかなー?はは」
「オンエアが楽しみだね。」
「うん!」
ほとんど初対面のはずなのに、まるでずっと前から親しい関係だったかのように会話が弾む羽翔と千晶。
常に前を見据える千晶。その声を追う羽翔。
磁石のN極とS極のように、互いに引き寄せ合っていく。
時間を忘れて話し込んでいたのだが……
〈フルルル フルルル…〉
千晶の携帯電話が鳴る。
「あっお母さん。ごめん収録が押しちゃって。そう今終わったとこ。え?あ、ごめんその、あの、きょう、共演者の人とごはん、食べることになって!」
嘘。
「うんだからもう少し遅くなる。……わかった、もうすぐ帰る……うん、ごめんね。もう帰るから……。」
悲しげな表情で通話を終える千晶。
「ごめん……。」
「いや…あたしががっつり食べちゃったから…夕飯いらないって先に言っておけぱよかった。」
「どうして…」
「せっかくあたしの分も作ってくれたのに余らせちゃった。」
「いや、そうじゃなくて…」
どうして、嘘を。
いや、それを聞くのは野暮というものか。知らない男と食事してると言えば母親を心配させてしまうのは目に見えている。
「いや、なんでもない。」
「?」
「早く帰ったほうがいいね。お母さん、夕飯よりも君のことを心配しているはずだから。」
「うん…。」
「じゃあ、会計してくるね。」
羽翔は意を決して伝票を取り上げた。
「本当はあたしのほうがお礼をしなきゃいけない立場なのに、逆にご馳走になっちゃった。」
店から外に出る。
「気にしないで。君にもう一度会ってみたかったのは、僕のほうなんだから。」
そう言って、手荷物にしていた帽子を被る羽翔。
その仕草に、千晶は何故か釘付けになってしまった。
バアアッと一瞬風が吹き抜けた。
この感じ、どこかで……?
「今日は来てくれてありがとう。またいつか、」
次は無いかもしれない。
「どこかで……」
「また会える?」
千晶からの問いかけは羽翔には意外なものだった。
「えっ」
「次に横須賀に来るときとか、あるでしょ。」
「うん、多分。」
正確な航路の情報は外部には漏らしてはいけないのだが、次の言葉を期待してしまう自分に驚く羽翔。
「そしたらまた、こうやって、さ。また会って、くれる?」
「…うん! また会おう。」
「約束。」
握手を求める千晶。
応える羽翔。
ふたつの手が重なったとき、互いの体に電気が走った。
やっぱり、僕は/私は、この人を知っている―――。
握手の格好のまま、見つめ合うふたりだった。
