第二章(R-15)
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第二章 第13話 赦し
沈黙を破ったのは、やっぱり千晶のほうだった。
「行ったことのない場所へ旅行しよう、ふたりで。」
あまりにも唐突なので、僕は何と言っていいかわからなかった。
「その前に、根気よく、治療していかないとね。ひとまず、今回処方分はきっちり飲みきってください。」
「……なんだか、医者の科白みたいだ。」
「だってあたし医者のタマゴだもん。」
「そうだったね。」
「だから……ね、ちゃんと治して。そしたら、改めて、ふたりで、……やりなおそう?」
千晶の前のめりな優しさが、僕の心の靄を勢いよく振り払ってくれたような気分だった。
千晶に赦してもらったのだとわかった僕は、緊張の糸が解け、堰が切れたように声を上げて泣いた。千晶がこれを抱きしめた。
……ああ、これじゃあ、どっちが年上だかわかりゃしない。
僕は千晶を子供扱いしてた。
年下だから、守ってあげなきゃ、って。
そう思いたかっただけなのかもしれない。
守られてるのは、僕のほうだった。
精神的には、彼女のほうがずっと大人だったんだ。
嗚咽が止まらない僕を、母が子にそうするように、千晶は優しく抱きしめた。
このとき僕は、この先の人生もずっと傍にいてほしいとさえ思った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
イメージしたのは、SonnyBoy第3話の暗幕が外されるシーン。
(♪)
MISTY / p: RAY BRYANT (original: ERROLL GARNER 『Contrasts』1954)
沈黙を破ったのは、やっぱり千晶のほうだった。
「行ったことのない場所へ旅行しよう、ふたりで。」
あまりにも唐突なので、僕は何と言っていいかわからなかった。
「その前に、根気よく、治療していかないとね。ひとまず、今回処方分はきっちり飲みきってください。」
「……なんだか、医者の科白みたいだ。」
「だってあたし医者のタマゴだもん。」
「そうだったね。」
「だから……ね、ちゃんと治して。そしたら、改めて、ふたりで、……やりなおそう?」
千晶の前のめりな優しさが、僕の心の靄を勢いよく振り払ってくれたような気分だった。
千晶に赦してもらったのだとわかった僕は、緊張の糸が解け、堰が切れたように声を上げて泣いた。千晶がこれを抱きしめた。
……ああ、これじゃあ、どっちが年上だかわかりゃしない。
僕は千晶を子供扱いしてた。
年下だから、守ってあげなきゃ、って。
そう思いたかっただけなのかもしれない。
守られてるのは、僕のほうだった。
精神的には、彼女のほうがずっと大人だったんだ。
嗚咽が止まらない僕を、母が子にそうするように、千晶は優しく抱きしめた。
このとき僕は、この先の人生もずっと傍にいてほしいとさえ思った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
イメージしたのは、SonnyBoy第3話の暗幕が外されるシーン。
(♪)
MISTY / p: RAY BRYANT (original: ERROLL GARNER 『Contrasts』1954)
