第二章(R-15)
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第二章 第9話 誤解
「羽翔、あたしに何か隠してること、ある?」
羽翔はその問いかけの意味が、理解できないでいた。
「え、今、なんて?」
パフェを食べる手を止めて、千晶は続ける。
「隠し事があるかって、訊いてるんだけど。」
「隠し事? 僕?」
「うん。」
まさか、知られた? でも、どうやって?
「疑ってるわけじゃないんだけど……。」
病院へ行ったことは、千晶にも言ってなかったのに。
「羽翔、潜水調査だなんだって、ずっと会えない理由を作って…。」
え?
「ほんとは、あたし以外の人と会ってた、とか、そういうことなんじゃないかって。」
千晶?
「別に、誰と会ってたって、それは羽翔の自由だから、いいんだけどさ。…あたしに嘘、ついてまですることじゃあ…。」
スプーンを持つ手と声が震えてきた。
「……本当のことを、言ってほしい。」
いつもなら真っ直ぐこちらを突き刺す視線が、グラスの底に向いていた。
……今にも泣き出しそうな声で。
ああ、そうか。
千晶は、僕がなかなか会えないでいたのは、僕に他の女がいると勘違いしているんだ。
「千晶ごめん。」
「……ッ!」
悲しみの表情で顔を上げる千晶。……言葉のチョイスをあやまったな……。
狼狽えながらも羽翔は続ける。
「ごめん、て、そういう意味じゃなくて、その、千晶には、寂しい思いをさせてしまって、ごめん。」
「羽翔…。」
涙を溜めた瞳がこちらを向いている。
羽翔は、姿勢を改めて、千晶に向き直した。
「自衛隊の活動は、基本的に広報を介さないと外部には教えられない。本来なら、いつ、どこで、どの活動があるかも、個人レベルで教えてはいけないことになっているんだ。僕も本当は、ちょっとした規定違反をしていた。君に活動予定を漏らしていたんだから。」
そうなの、と千晶はきょとんとしていた。
「でもこれだけははっきり言える。僕は、千晶、君以外の女性とふたりきりで会ってなんかいない。」
真っ直ぐ、逸らさずに、千晶に言った。
千晶は、その瞳に輝きを取り戻した。
「うん。そうだよね。うん。……疑っちゃって、ごめんね。羽翔がそんな人じゃないって、わかってるはずなのに。」
零れ落ちる前に涙を拭った。
「あー美味しかった! また来よう!」
よかった、いつもの千晶だ。
僕はすっかり安心して、無防備に千晶の後をついていった。
本当に、無防備だった。
「『女のコに薔薇のバスボールプレゼント』、だって。なんかいい感じじゃん。ねっ、ここ、行ってみる?」
てっきり雑貨店か何かだとその時は思った。
「休憩でよろしいですか?」
休憩?
薄暗いエントランス。
空き部屋の案内。
休憩3時間7000円、の表示……。
「いい……よね?」
流される形で、僕は千晶とともにラブホテルに足を踏み入れてしまった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
安心してください! 18禁にはしません!
(♪)
"いつか人を疑い
生きる寂しさ知る事も
気が付かずに全てを
信じてた頃"
椎名恵 - 遠い記憶 詞:椎名恵 『機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争』1991
「羽翔、あたしに何か隠してること、ある?」
羽翔はその問いかけの意味が、理解できないでいた。
「え、今、なんて?」
パフェを食べる手を止めて、千晶は続ける。
「隠し事があるかって、訊いてるんだけど。」
「隠し事? 僕?」
「うん。」
まさか、知られた? でも、どうやって?
「疑ってるわけじゃないんだけど……。」
病院へ行ったことは、千晶にも言ってなかったのに。
「羽翔、潜水調査だなんだって、ずっと会えない理由を作って…。」
え?
「ほんとは、あたし以外の人と会ってた、とか、そういうことなんじゃないかって。」
千晶?
「別に、誰と会ってたって、それは羽翔の自由だから、いいんだけどさ。…あたしに嘘、ついてまですることじゃあ…。」
スプーンを持つ手と声が震えてきた。
「……本当のことを、言ってほしい。」
いつもなら真っ直ぐこちらを突き刺す視線が、グラスの底に向いていた。
……今にも泣き出しそうな声で。
ああ、そうか。
千晶は、僕がなかなか会えないでいたのは、僕に他の女がいると勘違いしているんだ。
「千晶ごめん。」
「……ッ!」
悲しみの表情で顔を上げる千晶。……言葉のチョイスをあやまったな……。
狼狽えながらも羽翔は続ける。
「ごめん、て、そういう意味じゃなくて、その、千晶には、寂しい思いをさせてしまって、ごめん。」
「羽翔…。」
涙を溜めた瞳がこちらを向いている。
羽翔は、姿勢を改めて、千晶に向き直した。
「自衛隊の活動は、基本的に広報を介さないと外部には教えられない。本来なら、いつ、どこで、どの活動があるかも、個人レベルで教えてはいけないことになっているんだ。僕も本当は、ちょっとした規定違反をしていた。君に活動予定を漏らしていたんだから。」
そうなの、と千晶はきょとんとしていた。
「でもこれだけははっきり言える。僕は、千晶、君以外の女性とふたりきりで会ってなんかいない。」
真っ直ぐ、逸らさずに、千晶に言った。
千晶は、その瞳に輝きを取り戻した。
「うん。そうだよね。うん。……疑っちゃって、ごめんね。羽翔がそんな人じゃないって、わかってるはずなのに。」
零れ落ちる前に涙を拭った。
「あー美味しかった! また来よう!」
よかった、いつもの千晶だ。
僕はすっかり安心して、無防備に千晶の後をついていった。
本当に、無防備だった。
「『女のコに薔薇のバスボールプレゼント』、だって。なんかいい感じじゃん。ねっ、ここ、行ってみる?」
てっきり雑貨店か何かだとその時は思った。
「休憩でよろしいですか?」
休憩?
薄暗いエントランス。
空き部屋の案内。
休憩3時間7000円、の表示……。
「いい……よね?」
流される形で、僕は千晶とともにラブホテルに足を踏み入れてしまった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
安心してください! 18禁にはしません!
(♪)
"いつか人を疑い
生きる寂しさ知る事も
気が付かずに全てを
信じてた頃"
椎名恵 - 遠い記憶 詞:椎名恵 『機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争』1991
