第二章(R-15)
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第二章 第3話 束の間の恋人
「久しぶり。」
「うん。半年ぶり。」
残暑厳しい九月の広島。
昨年のシャツとハーフパンツといったラフな格好で、千晶は現れた。目元がうっすら青紫になっていた。
「本当に、よかったの? 千晶、無理してない?」
横浜から片道4時間の移動も、体力的に負担がかかるはずだ。
「うん、へーき。ってか、車内ではほとんど寝へたし…ふわぁ…」
本当に、お疲れ模様、といった感じだ。
帰国の日、約束通りすぐに彼女に連絡をとろうとケータイを見ると、千晶から3件の未読メッセージがあった。
4月15日 いってらっしゃい
6月23日 誕生日おめでとう
8月15日 待ってるからね
たった3件だというのに、胸の中が熱くなり、涙が溢れそうになったのを覚えている。
すぐに「ただいま」と送った。
2分後に返ってきた言葉は、今日のデートの提案だった。
「ねえ……」
照れた様子で千晶は言う。
「ハグ……してくれる?」
「うん。」
千晶とのハグ。それは、挨拶としてのハグであった。むしろそれで充分だった。
この時、僕は、千晶に欲情しなかった……いや、できなかった。
それなりに魅力的な女性であれば誰を抱いても欲情したあの頃とは別人のようだった。
『ああっ、羽翔愛してる…!』
『僕も、愛してる…ッ、サキさん…ッ!』
抱くこと、イコール、愛、だと、本気で思っていた。
3~4時間の「息抜き」を終え、横浜へ帰る千晶を最後まで見送った。
疲労が蓄積している千晶を気遣い、体力を消耗させないよう終始尽くした僕も、少し疲れていた。
それは、義務、というよりも、僕がそうしたかったから、そうした。
その時間は、僕らにとって貴重で、かけがえのないものとなった。
この日を最後に、千晶は年内に広島に来ることは無かった。
受験に専念したい。彼女の意志は固かった。
そうして、春。
千晶は見事第一志望の医大に合格した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
筆者コメント:愛って、なんだっけ。
この章では、肉体的な欲求と、精神的な愛との対比が大きなテーマとなっていきます。
あの頃君は若かった。
(♪)
"Bad Girl
きみを愛してるのに"
カルロストシキ&オメガトライブ - BAD GIRL 詞:小西康陽 『BAD GIRL』1991
「久しぶり。」
「うん。半年ぶり。」
残暑厳しい九月の広島。
昨年のシャツとハーフパンツといったラフな格好で、千晶は現れた。目元がうっすら青紫になっていた。
「本当に、よかったの? 千晶、無理してない?」
横浜から片道4時間の移動も、体力的に負担がかかるはずだ。
「うん、へーき。ってか、車内ではほとんど寝へたし…ふわぁ…」
本当に、お疲れ模様、といった感じだ。
帰国の日、約束通りすぐに彼女に連絡をとろうとケータイを見ると、千晶から3件の未読メッセージがあった。
4月15日 いってらっしゃい
6月23日 誕生日おめでとう
8月15日 待ってるからね
たった3件だというのに、胸の中が熱くなり、涙が溢れそうになったのを覚えている。
すぐに「ただいま」と送った。
2分後に返ってきた言葉は、今日のデートの提案だった。
「ねえ……」
照れた様子で千晶は言う。
「ハグ……してくれる?」
「うん。」
千晶とのハグ。それは、挨拶としてのハグであった。むしろそれで充分だった。
この時、僕は、千晶に欲情しなかった……いや、できなかった。
それなりに魅力的な女性であれば誰を抱いても欲情したあの頃とは別人のようだった。
『ああっ、羽翔愛してる…!』
『僕も、愛してる…ッ、サキさん…ッ!』
抱くこと、イコール、愛、だと、本気で思っていた。
3~4時間の「息抜き」を終え、横浜へ帰る千晶を最後まで見送った。
疲労が蓄積している千晶を気遣い、体力を消耗させないよう終始尽くした僕も、少し疲れていた。
それは、義務、というよりも、僕がそうしたかったから、そうした。
その時間は、僕らにとって貴重で、かけがえのないものとなった。
この日を最後に、千晶は年内に広島に来ることは無かった。
受験に専念したい。彼女の意志は固かった。
そうして、春。
千晶は見事第一志望の医大に合格した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
筆者コメント:愛って、なんだっけ。
この章では、肉体的な欲求と、精神的な愛との対比が大きなテーマとなっていきます。
あの頃君は若かった。
(♪)
"Bad Girl
きみを愛してるのに"
カルロストシキ&オメガトライブ - BAD GIRL 詞:小西康陽 『BAD GIRL』1991
