第一章
夢小説設定
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第13話 一日遅れのクリスマス
(※実際の年とは照らし合わせてない)
十二月の夕暮れ時は、早い。
「今日は……、今日も、来てくれてありがとう。」
「えへ、あたしが会いたかったからですうー!」
「またそんなこと。……ありがとう。」
「うん。また、会える?」
「もちろん。また、こうやって、デート、しよう。」
「うん。」
潤んだ瞳で羽翔を見上げる千晶が、たまらなく可愛い。
理性がなければ、うっかり抱きしめてしまうところだ。
いや、ハグくらいならいいのかもしれないけど。
いいのかな? ハグなら、ハグだったら……
逡巡してる間に、千晶は羽翔の元を離れてしまった。
「じゃあ、また。行けそうな日は連絡するね!」
しまった。
迷いを断ち切るかのように、千晶は新幹線の改札へと向かう。
「あっ、待って!」
周りの人が振り向くほどの声量で、羽翔は千晶を呼び止めた。
「え?」
千晶も驚いて振り向く。
「渡したいものがあるんだ。」
駅構内に設置されているコインロッカー。
[使用中]のロックを解除し、羽翔はそっと扉を開ける。
中には紙袋。慎重に取り出す羽翔。
「重さがあるし、持ち歩くには荷物になっちゃうと思って、帰りに渡そうと思ってたんだ。」
「これ…は?」
「ちょっと遅くなっちゃったけど、僕からのクリスマスプレゼント。」
「あたしに?」
「他に誰がいるのさ。」
「ああッ」
次の瞬間、羽翔の体はふわふわのコートの袖に包まれた。
ああ……また先手、取られちゃったな……。
「一応、ワレモノだから、気をつけて運んで。」
ごまかすように言った。
「うん。大事にする。」
できることなら、離れたくない。このまま……。
紙袋を抱えていないほうの手を腰に回し、少しだけ、引き寄せた。体中が幸福の物質で満たされていく感覚に心溺れるようだった。
そうして、また長距離恋愛の日々に戻っていく。
「あらまあ、素敵なガラス細工ね。」
「綺麗……。」
幾千にもクリスタルの光が折り重なって見え、ダイヤモンドのような輝きはまさに千晶そのものだった。
「ほー、なかなか凝ってるな。」
風呂から出てきた父親が感心して言う。
「千晶へのクリスマスプレゼントなんですって。」
「千晶に? 誰からもらったんだ。」
「私の……大切な人。今、お付き合いしている人、なんだよ。」
千晶の目に迷いはなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
尊死。
千晶は何を迷ってたんでしょうねえ。
ちゃっかり伏線の重要回、なんだよ。
(♪)
"I wanna be in your eyes
粉雪が今 僕と君がいる場所に
I wanna be on your days
Ah 音もなく 想い出が積もるように"
佐々木望 - 僕と君がいる場所 詞:真名杏樹 『純情』1990
(※実際の年とは照らし合わせてない)
十二月の夕暮れ時は、早い。
「今日は……、今日も、来てくれてありがとう。」
「えへ、あたしが会いたかったからですうー!」
「またそんなこと。……ありがとう。」
「うん。また、会える?」
「もちろん。また、こうやって、デート、しよう。」
「うん。」
潤んだ瞳で羽翔を見上げる千晶が、たまらなく可愛い。
理性がなければ、うっかり抱きしめてしまうところだ。
いや、ハグくらいならいいのかもしれないけど。
いいのかな? ハグなら、ハグだったら……
逡巡してる間に、千晶は羽翔の元を離れてしまった。
「じゃあ、また。行けそうな日は連絡するね!」
しまった。
迷いを断ち切るかのように、千晶は新幹線の改札へと向かう。
「あっ、待って!」
周りの人が振り向くほどの声量で、羽翔は千晶を呼び止めた。
「え?」
千晶も驚いて振り向く。
「渡したいものがあるんだ。」
駅構内に設置されているコインロッカー。
[使用中]のロックを解除し、羽翔はそっと扉を開ける。
中には紙袋。慎重に取り出す羽翔。
「重さがあるし、持ち歩くには荷物になっちゃうと思って、帰りに渡そうと思ってたんだ。」
「これ…は?」
「ちょっと遅くなっちゃったけど、僕からのクリスマスプレゼント。」
「あたしに?」
「他に誰がいるのさ。」
「ああッ」
次の瞬間、羽翔の体はふわふわのコートの袖に包まれた。
ああ……また先手、取られちゃったな……。
「一応、ワレモノだから、気をつけて運んで。」
ごまかすように言った。
「うん。大事にする。」
できることなら、離れたくない。このまま……。
紙袋を抱えていないほうの手を腰に回し、少しだけ、引き寄せた。体中が幸福の物質で満たされていく感覚に心溺れるようだった。
そうして、また長距離恋愛の日々に戻っていく。
「あらまあ、素敵なガラス細工ね。」
「綺麗……。」
幾千にもクリスタルの光が折り重なって見え、ダイヤモンドのような輝きはまさに千晶そのものだった。
「ほー、なかなか凝ってるな。」
風呂から出てきた父親が感心して言う。
「千晶へのクリスマスプレゼントなんですって。」
「千晶に? 誰からもらったんだ。」
「私の……大切な人。今、お付き合いしている人、なんだよ。」
千晶の目に迷いはなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
尊死。
千晶は何を迷ってたんでしょうねえ。
ちゃっかり伏線の重要回、なんだよ。
(♪)
"I wanna be in your eyes
粉雪が今 僕と君がいる場所に
I wanna be on your days
Ah 音もなく 想い出が積もるように"
佐々木望 - 僕と君がいる場所 詞:真名杏樹 『純情』1990
