第一章
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第一章 第11話 片道4時間の恋
〈通知音とバイブレーション〉
[羽翔から未読メッセージ]
05:08
『おはよう。いよいよ今日だね。長いこと待たせてしまってごめんね。』
05:10
『おはようヾ(´ω`=´ω`)ノ
楽しみすぎて禿げそう』
05:11
『千晶は勉強のしすぎなんだよ』
05:11
(大笑いのスタンプ)
05:12
『またあの場所で待ってる』
05:12
『りょーかい』
(敬礼のスタンプ)
05:13
(犬のスタンプ)
「忠犬ハチ公かな?」
寝グセのまま千晶は微笑んだ。
医者の娘にして高校生の千晶には外泊つきの遠出の許可が下りることはない。早朝に出て、夜遅くなりすぎない頃に帰宅するのが精一杯だった。
「彼とは上手くいってるの?」
「うん。」
早起きの千晶に、母親がトーストの載った皿を差し出す。
「月に一度も会えてないのに、よく続くわね。」
「うーん、愛の力、ってやつじゃない?」
ほおばりながら、さらりと言う。
「あらまあ、千晶からそんな言葉が出るなんて。本当に好きなのね。」
「まあね。」
千晶は、母親にだけは羽翔との交際をオープンにしていた。七つ歳上なこと、海上自衛隊として広島にいること、穏やかで優しい人であること……。自衛隊、のところが妙に食いつきがよかった気がする。
「今日のことは、お父さんには何て言おうか。」
普段は駅ビルのクリニックで医師として働く父親は、まだ寝室で寝ている。
「……そろそろ、お父さんにもちゃんと話そうかな。」
「千晶がそうしたいなら、自分で言いなさい?」
「うん。」
時計は6時を指した。
「そろそろ出るね。」
「あんまり遅くならないでよ。」
「わかってる。」
初めて着けるシルバーホワイトのイヤリングが揺れる。
朝の新横浜駅。
真新しいヒールつきのブーツで、どこかたどたどしい足取りで階段を上り下りする。
初めて袖を通す、綺麗な柄のワンピースに、ふわふわのコート。
どれも以前の千晶なら絶対に選ばなかった服を、今日のために着ている。
羽翔、何て言うかな。
千晶は、今、確かに恋をしている。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
恋は女の子を魅力的にしますねえ。知らんけど。
(♪)
"誰でもきっと 恋をして
その言葉を迷いながら 感じるのね"
田中陽子 - 陽春のパッセージ 詞:森 雪之丞 『アイドル天使ようこそようこ』1990
〈通知音とバイブレーション〉
[羽翔から未読メッセージ]
05:08
『おはよう。いよいよ今日だね。長いこと待たせてしまってごめんね。』
05:10
『おはようヾ(´ω`=´ω`)ノ
楽しみすぎて禿げそう』
05:11
『千晶は勉強のしすぎなんだよ』
05:11
(大笑いのスタンプ)
05:12
『またあの場所で待ってる』
05:12
『りょーかい』
(敬礼のスタンプ)
05:13
(犬のスタンプ)
「忠犬ハチ公かな?」
寝グセのまま千晶は微笑んだ。
医者の娘にして高校生の千晶には外泊つきの遠出の許可が下りることはない。早朝に出て、夜遅くなりすぎない頃に帰宅するのが精一杯だった。
「彼とは上手くいってるの?」
「うん。」
早起きの千晶に、母親がトーストの載った皿を差し出す。
「月に一度も会えてないのに、よく続くわね。」
「うーん、愛の力、ってやつじゃない?」
ほおばりながら、さらりと言う。
「あらまあ、千晶からそんな言葉が出るなんて。本当に好きなのね。」
「まあね。」
千晶は、母親にだけは羽翔との交際をオープンにしていた。七つ歳上なこと、海上自衛隊として広島にいること、穏やかで優しい人であること……。自衛隊、のところが妙に食いつきがよかった気がする。
「今日のことは、お父さんには何て言おうか。」
普段は駅ビルのクリニックで医師として働く父親は、まだ寝室で寝ている。
「……そろそろ、お父さんにもちゃんと話そうかな。」
「千晶がそうしたいなら、自分で言いなさい?」
「うん。」
時計は6時を指した。
「そろそろ出るね。」
「あんまり遅くならないでよ。」
「わかってる。」
初めて着けるシルバーホワイトのイヤリングが揺れる。
朝の新横浜駅。
真新しいヒールつきのブーツで、どこかたどたどしい足取りで階段を上り下りする。
初めて袖を通す、綺麗な柄のワンピースに、ふわふわのコート。
どれも以前の千晶なら絶対に選ばなかった服を、今日のために着ている。
羽翔、何て言うかな。
千晶は、今、確かに恋をしている。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
恋は女の子を魅力的にしますねえ。知らんけど。
(♪)
"誰でもきっと 恋をして
その言葉を迷いながら 感じるのね"
田中陽子 - 陽春のパッセージ 詞:森 雪之丞 『アイドル天使ようこそようこ』1990
