私は本当に働くのが嫌だったから、こうして何もしなくても衣食住が保証され、絵を書いたり文書を書いたりアニメ見たり漫画見たりをして生きていけていることを心の底から感謝している。思えば高校生の時のバイトが最後の労働だったな。今でもフラッシュバックして泣いてしまうほどに嫌だった。仕事内容も、上司も、悪いことはなんにもなかった。私が悪くて、私がダメだった。最悪の人間であるということを自分によって知らしめられる毎日で、ひどくつらかった。バイトが終わって数日 つらくて かなしくて 他のことは何にも手につかず、やっと回復してきたと思ったらまたバイト。お金を貰えるのは嬉しかったけど、それだけだった。1日働いて7000円 。私の苦しみはそんな端金に変えられてしまっているのだと思うと辞めてしまいたかったけど、そんなわけにもいかない。責任と義務が私を酷くしばりつけて吐きそうだった。つくづく、生活するの 向いていない。そういうの全部苦しくて泣いてしまう。泣いていると、ママから電話が来た。2コールででると「君の声が聞きたくなった」とか下手くそな嘘ついてくるから笑ってしまった。確実に先日の首絞め事件を気にしている。気にしなくていいのに。「死なないから放っておいて平気」と伝えると「そういうことじゃあ.......ああ、君から見たら、そう見えてもしょうがないよなあ」と苦々しく言っていたので聞き返すと「俺は君に死なれると困るからこうして電話をかけている、という訳ではない。俺は君に死んで欲しくないから、こうして、釘をさしてる。伝わるかなあ、この違い」と神妙そうに言った。嬉しくて泣いてしまった。「あたしね、あたし、ごめんね。つらいときどうしてもママの顔が浮かばないの。不安で仕方ないとき、どうしてもママに頼ろうって気にならないの。だからね、ママの電話嬉しかったのに、ツンとしちゃってごめんなさい。ほんとは死のうとしてた。」「うんうん、すぐ帰るから。このまま電話繋いでていいかあ？今ベランダに出てるだろう？早く家に入って。体が冷えてしまう。俺が家に帰ったら砂糖なしのホットミルクいれてあげよう！」「ごめんね、ごめんなさい、ありがとう」「あやまるのは俺の方なのに。君をそんなにしてしまってるのはきっと俺なのになあ。」「あたしママのせいで苦しんでるの？」「そうだぞお！」「じゃあ、もっとちょうだい」「馬鹿なことを言うもんじゃありません！」「ママからなら、何を貰っても嬉しい」「またこの子は！誰ですかそんなふうに育てたのは！！俺かあ！！あははは！！☆」「ママ」「なんだあ？」「今夜は一緒にいて」「えっち」「うるさい。キスもしてくれないくせに」「する必要ないからなあ」「ケチ馬鹿ハゲ」「こら！チクチク言葉は使っちゃいけません！」5分もかからないうちに帰ってきたし、この家にある1番大きなマグカップでホットミルクを作ってくれた。