いいなあと思うわけですよ。幼なじみ。
あんずちゃんとママは幼なじみらしい、というかママが酔っ払った時に聞いたのだけど、幼なじみということにしているらしい。諸々の事情はしらないけれど実際 2人は幼い頃に会って遊んでいたらしい。いいなあ。どんな顔で、どんな喋り方でどんな性格だったんだろう。10何年もあれば 人はもはや別人だといっても過言でないほどに思想や見た目は変化する。幼い頃から今までの過程を全て知れたら。三毛縞斑の全てを知れたら。思ってやまない。さみしくなる。一目でもいいから会いたかった。幼い貴方の記憶に少しでも関われていたら、私達に再会があれば、良かったのに。いじけていても仕方ないし、今日も返信は来ない。既読はついた。さみしい。ピザを1人で買いに行った日から ずっと外に出ていない。苦ではない。インターネットがあるし、外界から断絶されている訳でもないし、いざ出ようと思えば出られるし、出た方がきっと彼も駆けつけてくれるけど。そんな明け透けな下心を認めるのが嫌でずっと家にいる。今何をしているんだろう。指が6本あるみたいに寂しい。奇形の指。動かない、あるだけの6本目。それみたいに寂しい。ママの参加したプロジェクトのクレジットにあんずちゃんの名前があると嬉しい気持ちと同時に死んでしまいたくなる。あんずちゃんのこと大好きで愛していて幸せになって欲しくてたまらなくて、それなのに同時に羨んでる。私がプロデューサーだったら、私がママとお仕事できたら、私が、って。こんなことを思う人間はプロデューサーにならない方がいいから、なってなくて良かった。寂しくてたまらないのにママは今日も帰ってこないから、インスタに笑顔のままとあんずちゃんのスーツの映り込みがあって、それに気づいてしまって、辛く悲しいから、今日は何もかも忘れて寝たい。血流を止めて 膨張していく頭をほおっておいて。おやすみ。