酩酊日記
バイト帰り
2023/03/05 17:19今の閉鎖された生活も穏やかで好きだけれども、高校時代を思い出すとそれはそれで楽しかった気がする。実際は夜中に泣いてばかりで自傷行為を重ねた末に自殺未遂をするまでに至ってしまった私の高校生時代も思い返せば綺麗に見える。高校生活は地味で特段思い出すことは無いけれど、傍らでしていたアルバイトについては思い出すことがある。責任と他人が嫌いな私には本当に苦痛だった。何も出来ない私をみて上司が「もういいよ」と言った時のこと、忘れられない。優しい人に囲まれて働いてはいるものの、いつか周囲が私を見放して怒鳴り出すのではないかと怯えていた。出勤後は何かあってもなくても泣いていた。でも私はママからくる「おやすみ」のLINEメッセージに返信するためにちゃんと働いた。ママに何か贈り物ができるようにちゃんと働いた。私の決意の根源はママだった。そうこうしていたら思い出してきた。帰り道ばったり会った時のこと。お互い死にそうな顔をしていた。ふたり顔を合わせてキョトンとしたあと 2人で笑った。 あまりに死にそうな顔をしていたから。 仲間を見つけて嬉しいとか そんな単純な気持ちだったと思う。2人とも疲弊していて、いつもの会話すらかわせなかったけど 彼は夜道なのを心配して 私を送り届けようとしていたけど そうしたらママが帰り道寂しいだろうからと断った。それでも渋るから そこで初めて私は現在地共有アプリをダウンロードした。彼はマップの上に赤丸が2つ並んでいるのをしばらくじっと見つめていた。「いいのかあ?君 こういうの嫌そうなのに」とか言ってた。「見られたくない時は共有切ったりできるさ平気」というと変な顔をされた。その後は2人で通話を繋ぎながらそれぞれの帰路に着いた。こういうこともう、ないんだろうかって 部屋の四隅にあるカメラを見つめて思う。外でばったり会って、嬉しくなって、満足しちゃったり。そんなささやかな幸せを失ってしまったのかもしれない。自由に彼に会いに行けないのは 悲しいし寂しい。