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お見合い
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私がこの世界に来て一週間が経った。ついこの前、ペロスペローさんの島におじゃましたが残り三週間しかなくてお見合い相手は音信不通…前途多難である。
『クラッカーさんってどういう人なの?』
そういえば、クラッカーさんの人物像について全く想像がついていなかった。カタクリさんもそうだが、この国を守っている騎士的存在で、その上でこの国のお菓子作りにも貢献している…というペロスペローさんと全く同じ情報しか掴めていない。細かい性格などの詳しい情報などはからっきしなのだ。
「クラッカー兄さんはビスケット島のビスケット大臣で仕事に誇りを持っている素敵な兄さんなんだけど…私はちょっと怖いかな」
『怖いんだ……』
怖い。兄弟であるプリンちゃんがそういうのだから相当怖いのかもしれない。私は嫌な想像をして少し体が震える。
「で、でも優しいところもあるのよ!」
プリンちゃんは震える私を気遣ってか、慌てて先程の言葉を訂正した。しかし一度放たれた言葉はそう消える訳もなく、私の心にはクラッカーさんは怖いというイメージが定着してしまった。プリンちゃんも冷や汗をかき始めた頃、さらに電伝虫が鳴り二人は一緒に跳ね上がった。そしてプリンちゃんは電伝虫を取りに部屋を出て行った。
「はいもしもし…クラッカー兄さん!?」
部屋越しに聞こえる大きな声から、クラッカーさんと電話していることがわかった。しばらくプリンちゃんのかわいらしい怒声と低い声がそれぞれ言いたいことを言い合い、ガシャンと音がした後プリンちゃんは戻ってきた。
「遠征に行ってたみたい。まだ帰ってきてないけど、数日で帰るから先に来ていいって」
どうやら仕事が忙しかったようだ。
『仕事が忙しいのに申し訳ないな…』
この強制に近い…いや強制のお見合いのためとはいえ仕事を切り上げてまで時間を作ってくれるのは少し申し訳なさを感じる。そしていつもの如く、ポップで歌う船に乗りながらプリンちゃんとお菓子と紅茶を楽しんでいた。
「私もビスケット島は久しぶりに来るわ、あそこのチョコビスケットは格別なのよ!」
それはプリンちゃんのチョコレートあってのことではないかと思うが、その辺りはずっと謙虚でいい子だな。と、話をしながらビスケットタルトを口に運ぶ。サクサクでほのかにバターが香る生地に心が喜んでいる。上に乗っているチョコクリームも美味しい。きっとこれもプリンちゃんの力作だろう。
ビスケット島に着いて、船場の屋台で早速本場のビスケットを嗜もう。とプリンちゃんと話していたところ。私たちが乗ってきた船とは違う、もっと丈夫そうな船が汽笛を鳴らしてやってきた。
「クラッカー様がお帰りになりました!」
一気に忙しくなる船場と、整列してクラッカーさんを迎えるための道を作る人々たち。その道の先に、おどおどする私と少し頬を膨らませたプリンちゃんがいた。
ドシン、ドシン。と音を立てて船から降りてきたのは、ビスケットで出来た鎧?をつけた大きな男性だった。
「……プリン」
鎧の男性はプリンちゃんに話しかける。お姫様であるプリンちゃんを呼び捨て。ということはこの人が…
「クラッカー兄さん!早かったわね、てっきり数日かかると…」
「ああ、今帰った」
細身でスラッとしたペロスペローさんとは違い、逞しい鎧に包まれた髭面の男の人。モンドールさんといい、本当に多種多様な兄弟なんだな。
「ママの”お願い”が無ければもう少しゆっくり帰れたのにな…」
「クラッカー兄さん!」
よく聞こえなかったが、クラッカーさんの小さな呟きをプリンちゃんは指摘した。
「その件は口を慎まなきゃ」
プリンちゃんはクラッカーさんにこそこそと話している。冷たいという事前情報とペロスペローさんの時とは違い重々しい雰囲気にきっと私の話については乗り気では無いのだろう。それもそうだ。だって正直私も…
『はじめまして、夢子漢字 と申します』
この雰囲気を打開するために、私は自己紹介を挟む。この時初めてクラッカーさんはまともに私のことを見た。
「既にプリンから聞いているかもしれんが俺の名はクラッカー。お前のことはペロス兄から聞いている…」
前回会った、私のお婿さん候補の一人であるペロスペローさん。その間でも私の情報は共有されているらしい。ペロスペローさんはクラッカーさんに私のことなんて伝えたんだろう。気になるところではある。
「島の制度はペロス兄のキャンディ島と同じだ。好きに食って行くがいい」
『あ、ありがとうございます…』
改めて島の制度を伝えたあと、クラッカーさんはどこかに行ってしまった。立ち去るクラッカーさんの後ろ姿を、プリンちゃんは大きな声で呼び止めるが聞く耳を持たず島の人達と話をしながら街の方へと向かっていった。
『クラッカーさんってどういう人なの?』
そういえば、クラッカーさんの人物像について全く想像がついていなかった。カタクリさんもそうだが、この国を守っている騎士的存在で、その上でこの国のお菓子作りにも貢献している…というペロスペローさんと全く同じ情報しか掴めていない。細かい性格などの詳しい情報などはからっきしなのだ。
「クラッカー兄さんはビスケット島のビスケット大臣で仕事に誇りを持っている素敵な兄さんなんだけど…私はちょっと怖いかな」
『怖いんだ……』
怖い。兄弟であるプリンちゃんがそういうのだから相当怖いのかもしれない。私は嫌な想像をして少し体が震える。
「で、でも優しいところもあるのよ!」
プリンちゃんは震える私を気遣ってか、慌てて先程の言葉を訂正した。しかし一度放たれた言葉はそう消える訳もなく、私の心にはクラッカーさんは怖いというイメージが定着してしまった。プリンちゃんも冷や汗をかき始めた頃、さらに電伝虫が鳴り二人は一緒に跳ね上がった。そしてプリンちゃんは電伝虫を取りに部屋を出て行った。
「はいもしもし…クラッカー兄さん!?」
部屋越しに聞こえる大きな声から、クラッカーさんと電話していることがわかった。しばらくプリンちゃんのかわいらしい怒声と低い声がそれぞれ言いたいことを言い合い、ガシャンと音がした後プリンちゃんは戻ってきた。
「遠征に行ってたみたい。まだ帰ってきてないけど、数日で帰るから先に来ていいって」
どうやら仕事が忙しかったようだ。
『仕事が忙しいのに申し訳ないな…』
この強制に近い…いや強制のお見合いのためとはいえ仕事を切り上げてまで時間を作ってくれるのは少し申し訳なさを感じる。そしていつもの如く、ポップで歌う船に乗りながらプリンちゃんとお菓子と紅茶を楽しんでいた。
「私もビスケット島は久しぶりに来るわ、あそこのチョコビスケットは格別なのよ!」
それはプリンちゃんのチョコレートあってのことではないかと思うが、その辺りはずっと謙虚でいい子だな。と、話をしながらビスケットタルトを口に運ぶ。サクサクでほのかにバターが香る生地に心が喜んでいる。上に乗っているチョコクリームも美味しい。きっとこれもプリンちゃんの力作だろう。
ビスケット島に着いて、船場の屋台で早速本場のビスケットを嗜もう。とプリンちゃんと話していたところ。私たちが乗ってきた船とは違う、もっと丈夫そうな船が汽笛を鳴らしてやってきた。
「クラッカー様がお帰りになりました!」
一気に忙しくなる船場と、整列してクラッカーさんを迎えるための道を作る人々たち。その道の先に、おどおどする私と少し頬を膨らませたプリンちゃんがいた。
ドシン、ドシン。と音を立てて船から降りてきたのは、ビスケットで出来た鎧?をつけた大きな男性だった。
「……プリン」
鎧の男性はプリンちゃんに話しかける。お姫様であるプリンちゃんを呼び捨て。ということはこの人が…
「クラッカー兄さん!早かったわね、てっきり数日かかると…」
「ああ、今帰った」
細身でスラッとしたペロスペローさんとは違い、逞しい鎧に包まれた髭面の男の人。モンドールさんといい、本当に多種多様な兄弟なんだな。
「ママの”お願い”が無ければもう少しゆっくり帰れたのにな…」
「クラッカー兄さん!」
よく聞こえなかったが、クラッカーさんの小さな呟きをプリンちゃんは指摘した。
「その件は口を慎まなきゃ」
プリンちゃんはクラッカーさんにこそこそと話している。冷たいという事前情報とペロスペローさんの時とは違い重々しい雰囲気にきっと私の話については乗り気では無いのだろう。それもそうだ。だって正直私も…
『はじめまして、夢子
この雰囲気を打開するために、私は自己紹介を挟む。この時初めてクラッカーさんはまともに私のことを見た。
「既にプリンから聞いているかもしれんが俺の名はクラッカー。お前のことはペロス兄から聞いている…」
前回会った、私のお婿さん候補の一人であるペロスペローさん。その間でも私の情報は共有されているらしい。ペロスペローさんはクラッカーさんに私のことなんて伝えたんだろう。気になるところではある。
「島の制度はペロス兄のキャンディ島と同じだ。好きに食って行くがいい」
『あ、ありがとうございます…』
改めて島の制度を伝えたあと、クラッカーさんはどこかに行ってしまった。立ち去るクラッカーさんの後ろ姿を、プリンちゃんは大きな声で呼び止めるが聞く耳を持たず島の人達と話をしながら街の方へと向かっていった。
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