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はじまり
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『何あれ、ナマコ?』
船の特別テラスから海面を見ると、ふよふよと楕円の生き物が泳いでいるのが目に入った。
「あれはナワバリウミウシよ」
紅茶を飲んでいたプリンちゃんも海の方を見て説明を始めた。
「ナワバリウミウシが発する警告電波で、近付いた船のチェックや敵船への警告をするの」
『警備が厳重なんだね』
「そうね、ママって有名人だから」
そんなに有名なんだ。海賊で有名ってどれだけの悪行を為したのか……考えていたら身震いがしてきた。少し気をそらそうと海のさらに向こうを見ていたら、何か島のようなものが見えた。
『あの島が例の?』
「あそこはキャンディ島じゃないわ。カタクリ兄さんのコムギ島よ」
『コムギ島…ってことは小麦がたくさん取れるの?』
「たくさんってほどではないけど…生産はしているみたい。小麦だけじゃなく粉全般の管理をしている島だから、生産はママの配下の国で行っているのよ。納税の代わりにね」
『なるほど』
小麦が納税の代わりって、なんだか昔のヨーロッパみたいだ。
「今度カタクリ兄さんのところにも行くつもりなの」
カタクリさんかぁ。どんな人なんだろう、と思いつつカップを口に運ぶと、澄んだ音が聞こえてくる。人の声のような……
「どうしたの?」
音に耳をすませているとプリンちゃんが不思議がって首を傾げた。
『誰か歌ってるのかな?』
「あぁ、きっとホーミーズよ」
『ホーミーズ?』
「まだ説明してなかったわよね、ほら。あそこのドアを見てみて」
プリンちゃんが顔を向けた先を見ると、ドアについている顔がまるで生きてるかのように歌っていた。
『顔が動いてる!?』
「ママの能力で命を宿せるのよ。ニトロとラビヤンもホーミーズだし…ごめんなさい、先に説明すべきなのに…」
『いやいや、プリンちゃんにとっては日常なんだし仕方ないよ…今までそういう生物なんだと思ってたけどママの能力だったんだね』
それにしてもいい歌だ。よく見たら周りの鉢に植えられた花も歌っているようで、まるでミュージカルのよう。少し贅沢な気分だ。
「ビンクスの酒って歌なのよ」
『ビンクスの酒?』
「えぇ。海賊たちを歌った有名な歌なの」
確かにちゃんと歌詞を聞くと、船乗りっぽい雰囲気は出ている。私のいたところでは邪悪なイメージしかなかった海賊にも、こういう陽気な一面があったのだと思うと、これから海賊に嫁ぐ身としては安心する。
「あ、島が見えたわ!あそこがキャンディ島よ!」
プリンちゃんが指さす先を見ると、まさにキャンディ島と言わんばかりのカラフルな島があった。
船の特別テラスから海面を見ると、ふよふよと楕円の生き物が泳いでいるのが目に入った。
「あれはナワバリウミウシよ」
紅茶を飲んでいたプリンちゃんも海の方を見て説明を始めた。
「ナワバリウミウシが発する警告電波で、近付いた船のチェックや敵船への警告をするの」
『警備が厳重なんだね』
「そうね、ママって有名人だから」
そんなに有名なんだ。海賊で有名ってどれだけの悪行を為したのか……考えていたら身震いがしてきた。少し気をそらそうと海のさらに向こうを見ていたら、何か島のようなものが見えた。
『あの島が例の?』
「あそこはキャンディ島じゃないわ。カタクリ兄さんのコムギ島よ」
『コムギ島…ってことは小麦がたくさん取れるの?』
「たくさんってほどではないけど…生産はしているみたい。小麦だけじゃなく粉全般の管理をしている島だから、生産はママの配下の国で行っているのよ。納税の代わりにね」
『なるほど』
小麦が納税の代わりって、なんだか昔のヨーロッパみたいだ。
「今度カタクリ兄さんのところにも行くつもりなの」
カタクリさんかぁ。どんな人なんだろう、と思いつつカップを口に運ぶと、澄んだ音が聞こえてくる。人の声のような……
「どうしたの?」
音に耳をすませているとプリンちゃんが不思議がって首を傾げた。
『誰か歌ってるのかな?』
「あぁ、きっとホーミーズよ」
『ホーミーズ?』
「まだ説明してなかったわよね、ほら。あそこのドアを見てみて」
プリンちゃんが顔を向けた先を見ると、ドアについている顔がまるで生きてるかのように歌っていた。
『顔が動いてる!?』
「ママの能力で命を宿せるのよ。ニトロとラビヤンもホーミーズだし…ごめんなさい、先に説明すべきなのに…」
『いやいや、プリンちゃんにとっては日常なんだし仕方ないよ…今までそういう生物なんだと思ってたけどママの能力だったんだね』
それにしてもいい歌だ。よく見たら周りの鉢に植えられた花も歌っているようで、まるでミュージカルのよう。少し贅沢な気分だ。
「ビンクスの酒って歌なのよ」
『ビンクスの酒?』
「えぇ。海賊たちを歌った有名な歌なの」
確かにちゃんと歌詞を聞くと、船乗りっぽい雰囲気は出ている。私のいたところでは邪悪なイメージしかなかった海賊にも、こういう陽気な一面があったのだと思うと、これから海賊に嫁ぐ身としては安心する。
「あ、島が見えたわ!あそこがキャンディ島よ!」
プリンちゃんが指さす先を見ると、まさにキャンディ島と言わんばかりのカラフルな島があった。