ジョースター家への旅路
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「疲れたろうディオくん!ロンドンからは遠いからね。君は勉強するために、客人としてここに来たわけだが、わたしの息子ジョジョと
同じように生活してくれたまえ」
ジョースター卿は人好きのする笑顔を向けてディオに向かい合った。使用人の紹介についで、息子であるジョジョと仲良くして欲しいということを付け足して、「では部屋を案内しよう」と挨拶も手短に自室へ案内する。
ジョナサンは先程の自分の飼い犬に容赦のない蹴りを入れた少年に好感を抱くことが出来ず、遠巻きに見ていた。たしかにダニーのことはあまり好きではないけども、敵意のない犬を蹴ったりするだろうか?もしかしたら悪いヤツかも。
(だけどこれから一緒に暮らすんだし、早く友だちにならなくっちゃいけない)
ディオの生活は一変した。自分のことは自分でする、その日暮らしのロンドンから、身の回りの世話をなんでもやってくれる使用人がいる生活では天と地だ。
朝の着替えにメイドがやってきて服を脱がそうとしたのは驚いた。食事はもちろん勉強のときも必要なものは全部揃って置いてある。風呂のときに、体をメイドが洗おうとしたときは思わず拒否してしまったが、…ほんとのちょっとした用事、たとえば水が欲しいだとかもいちいち人に頼むのは面倒だった。これでもジョースター家は超一流の貴族というわけではないのだから、伯爵や侯爵といった連中はどんな生活をしているのだろう。1人では何にもできない人間なのではないだろうか。
母や兄に上流階級の生活や作法はある程度習っていたが、聞くのと体験してみるのとじゃ大違いだ。早く慣れなくてはならないが、今のところはジョースター卿が教えるほとんどのことは直ぐに理解できるし、マナーも完璧と言っていい。卿の息子であるジョナサンはかなり不出来だったから、その比較もあって卿はむしろディオの方に優しく接していた。ジョジョは日に日に暗くなり引っ込み思案になった。ディオに取って好都合だった。
「おはようディオ。ねえ、今日は家庭教師もいないし遊びに行かないかい。良い天気だしさ」
すでに外に出る格好をしていたジョナサンが、自室で本を読んでいるディオに声をかけた。彼は父親やディオの前で怯えに近い表情を浮かべることもあったが、ディオに対してはまだ友情を諦めていないらしく時折誘いをかける。ディオは本を閉じて外を眺めた。
「そうかな?曇りだし雨が降るかも」
「はは!そんなわけないよ。ぼくはずっとここで暮らしてるから分かるんだ。これから天気がどうなるかね」
「ああ、そう」
しばし考えて、ディオは立ち上がった。
「いいよ。最近ずっと閉じこもってたから、たまには」
最近は勉強するから、と何度もジョナサンの誘いを断っていたが、兄の「仲良くするように」という言葉を思い出した。
(特別に仲良くする必要は無いが、険悪になっても困る。適度に接しなければ)
ジョナサンはパッと顔を明るくした。
「そう!じゃあ小川の方へ行こう。りんやりしてて気持ちがいいから」
「小川か……」
彼は泳ぐことが好きだ。対してディオは水泳がほとんどできなかった。田舎の川は澄んでいてロンドンの濁って嫌な匂いのするのとでは大違いだ。貧民街で水泳をする人間は馬鹿ぐらいだった。ジョナサンが上手く泳いでいるのを見て、ディオは最近時間のあるときには泳ぐ練習をしていた。このジョースター家の長男にはなにひとつ負けたくはなかったのだ。ディオはその成果を見せてやろうと企んでいた。
「きみは泳ぐのがずいぶん上手なようだからね、お手本にさせてもらうよ」
「え!そんなことないよ……でも、きみがいうなら教えてあげたっていいよ」
ジョナサンは少なからずこの新しい同居人に劣等感を抱いていたので、ほんの少しでも自分が教えられることがあると思うと嬉しくなった。彼は素直な子どもであったから遊びに行くこと自体も楽しみだったし、ディオと遊びに行く度にもしかしたら仲良くなれるかもしれないと感じるくらい前向きな純粋さをまだ持っていた。
「ああ、じゃあよろしく頼むかな」
ディオとジョナサンは小川へ行く準備をした。水泳用の服、濡れた服を入れる袋、水筒と昼用のお弁当、小銭、ジョナサンは懐中時計とおやつ、ディオは着替え用に服を一応持った。
同じように生活してくれたまえ」
ジョースター卿は人好きのする笑顔を向けてディオに向かい合った。使用人の紹介についで、息子であるジョジョと仲良くして欲しいということを付け足して、「では部屋を案内しよう」と挨拶も手短に自室へ案内する。
ジョナサンは先程の自分の飼い犬に容赦のない蹴りを入れた少年に好感を抱くことが出来ず、遠巻きに見ていた。たしかにダニーのことはあまり好きではないけども、敵意のない犬を蹴ったりするだろうか?もしかしたら悪いヤツかも。
(だけどこれから一緒に暮らすんだし、早く友だちにならなくっちゃいけない)
ディオの生活は一変した。自分のことは自分でする、その日暮らしのロンドンから、身の回りの世話をなんでもやってくれる使用人がいる生活では天と地だ。
朝の着替えにメイドがやってきて服を脱がそうとしたのは驚いた。食事はもちろん勉強のときも必要なものは全部揃って置いてある。風呂のときに、体をメイドが洗おうとしたときは思わず拒否してしまったが、…ほんとのちょっとした用事、たとえば水が欲しいだとかもいちいち人に頼むのは面倒だった。これでもジョースター家は超一流の貴族というわけではないのだから、伯爵や侯爵といった連中はどんな生活をしているのだろう。1人では何にもできない人間なのではないだろうか。
母や兄に上流階級の生活や作法はある程度習っていたが、聞くのと体験してみるのとじゃ大違いだ。早く慣れなくてはならないが、今のところはジョースター卿が教えるほとんどのことは直ぐに理解できるし、マナーも完璧と言っていい。卿の息子であるジョナサンはかなり不出来だったから、その比較もあって卿はむしろディオの方に優しく接していた。ジョジョは日に日に暗くなり引っ込み思案になった。ディオに取って好都合だった。
「おはようディオ。ねえ、今日は家庭教師もいないし遊びに行かないかい。良い天気だしさ」
すでに外に出る格好をしていたジョナサンが、自室で本を読んでいるディオに声をかけた。彼は父親やディオの前で怯えに近い表情を浮かべることもあったが、ディオに対してはまだ友情を諦めていないらしく時折誘いをかける。ディオは本を閉じて外を眺めた。
「そうかな?曇りだし雨が降るかも」
「はは!そんなわけないよ。ぼくはずっとここで暮らしてるから分かるんだ。これから天気がどうなるかね」
「ああ、そう」
しばし考えて、ディオは立ち上がった。
「いいよ。最近ずっと閉じこもってたから、たまには」
最近は勉強するから、と何度もジョナサンの誘いを断っていたが、兄の「仲良くするように」という言葉を思い出した。
(特別に仲良くする必要は無いが、険悪になっても困る。適度に接しなければ)
ジョナサンはパッと顔を明るくした。
「そう!じゃあ小川の方へ行こう。りんやりしてて気持ちがいいから」
「小川か……」
彼は泳ぐことが好きだ。対してディオは水泳がほとんどできなかった。田舎の川は澄んでいてロンドンの濁って嫌な匂いのするのとでは大違いだ。貧民街で水泳をする人間は馬鹿ぐらいだった。ジョナサンが上手く泳いでいるのを見て、ディオは最近時間のあるときには泳ぐ練習をしていた。このジョースター家の長男にはなにひとつ負けたくはなかったのだ。ディオはその成果を見せてやろうと企んでいた。
「きみは泳ぐのがずいぶん上手なようだからね、お手本にさせてもらうよ」
「え!そんなことないよ……でも、きみがいうなら教えてあげたっていいよ」
ジョナサンは少なからずこの新しい同居人に劣等感を抱いていたので、ほんの少しでも自分が教えられることがあると思うと嬉しくなった。彼は素直な子どもであったから遊びに行くこと自体も楽しみだったし、ディオと遊びに行く度にもしかしたら仲良くなれるかもしれないと感じるくらい前向きな純粋さをまだ持っていた。
「ああ、じゃあよろしく頼むかな」
ディオとジョナサンは小川へ行く準備をした。水泳用の服、濡れた服を入れる袋、水筒と昼用のお弁当、小銭、ジョナサンは懐中時計とおやつ、ディオは着替え用に服を一応持った。