はじめまして
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「おい、お前、起きろって」
起こす気など感じられない優しい手が私の顔を撫でる。寝起きにはなんだって不快に感じる。やめて。
「俺は朝練だからもう行くぞ、ここに服置いといたからそれに着替えてグラウンドに来い」
「ん……、わかっ…」
飛び起きる。
現状が理解出来なかった。
自分は家に帰ろうとする途中だった。
おかしい。何が起きているのか。
「あの、申しわけないのですが、ここってどこなのか教えていただけませんか。」
恐る恐る視線を上に向ける。
おや?
「待って、倉持先輩、なの」
「お前なんも覚えてねぇのな」
彼が存在する意味も、彼の言っている意味も理解できない。
それに視界がぼやける。眼鏡は何処に……
不意に眼鏡を掛けられる。
できる男じゃないか。さすが周りをよく見てる副キャップ。
思わず微笑んでしまう。
「なんだよ、もう大丈夫なら行くけどよ」
「あぁ、私もすぐ着替えるのでおいていかないでください」
「あと、私の名前は夢子です」
着替えはすぐ終わった。
「行きましょうか。」
「おう。」
「ところで、私は何処で何をしていればいいのでしょうか。
ここにいてもいいんですか。」
「言ってなかったな、夢子はもともと違う世界の住民だけど、ここにきて辻褄合わせなのか青道高校の新入生になってる。クラスは沢村と同じ。親御さんが海外に転勤して、心配だからって特例で青心寮の空き部屋に入ることになってる。」
成程。つまりは私はトリップしたということか。まったくうまくできている。
野球部のことなら比較的分かる。しかしクラスでこそ人間関係を築かなければ。
とりあえず栄純と話がしたい。御幸一也も一度拝まなければ。
心の支えであったダイヤのAの世界に、気にかけてくれる大好きな先輩。幸せ以外になにも感じられる訳が無かった。
とにかく朝練に行かなければ。
マネージャーとして入部させてもらえるらしい。
トリップとは時間軸も変わるらしい。どこからともなく飛んできた桜の花弁がドアを開けた瞬間部屋に入ってきた。
その日、勝手知ったる野球部で、彼女の仕事の飲み込みの早さと機敏な動き、更に勉強熱心さはその日中にマネージャー陣、さらには選手監督に知れ渡った。
一週間が経った。環境の変化に適応するのに必死で時が流れるのは一瞬だった。
栄純やクラスの面々との交流に忙しく、せっかくトリップしたのに倉持先輩と一緒に居られていない。
部活後声をかけてみよう。
「倉持先輩、今日もお疲れ様でした。マッサージ致しましょうか」
話がしたいと目で訴えた。
「じゃあ頼むわ。」
先輩はやっぱりすごかった。
周りにいた部員は呆気に取られていた。
倉持洋一に話しかける下級生も、このように女子に触らせる倉持洋一を見たのも初めてだからだ。
御幸一也がチーム全体を代表するかのように問うた。
「な、なぁ倉持。お前って女子にそんなことやらせるキャラだっけ」
「ま、そのうち話すわ。」
辺りが静まり返った。なにも、そんな思わせぶりな言い方をしなくても。
「じゃあ、風呂入ってからお前の部屋に迎えに行くわ。」
と、先輩が言ったのでみんなに挨拶をしてから夢子はその場を後にした。
起こす気など感じられない優しい手が私の顔を撫でる。寝起きにはなんだって不快に感じる。やめて。
「俺は朝練だからもう行くぞ、ここに服置いといたからそれに着替えてグラウンドに来い」
「ん……、わかっ…」
飛び起きる。
現状が理解出来なかった。
自分は家に帰ろうとする途中だった。
おかしい。何が起きているのか。
「あの、申しわけないのですが、ここってどこなのか教えていただけませんか。」
恐る恐る視線を上に向ける。
おや?
「待って、倉持先輩、なの」
「お前なんも覚えてねぇのな」
彼が存在する意味も、彼の言っている意味も理解できない。
それに視界がぼやける。眼鏡は何処に……
不意に眼鏡を掛けられる。
できる男じゃないか。さすが周りをよく見てる副キャップ。
思わず微笑んでしまう。
「なんだよ、もう大丈夫なら行くけどよ」
「あぁ、私もすぐ着替えるのでおいていかないでください」
「あと、私の名前は夢子です」
着替えはすぐ終わった。
「行きましょうか。」
「おう。」
「ところで、私は何処で何をしていればいいのでしょうか。
ここにいてもいいんですか。」
「言ってなかったな、夢子はもともと違う世界の住民だけど、ここにきて辻褄合わせなのか青道高校の新入生になってる。クラスは沢村と同じ。親御さんが海外に転勤して、心配だからって特例で青心寮の空き部屋に入ることになってる。」
成程。つまりは私はトリップしたということか。まったくうまくできている。
野球部のことなら比較的分かる。しかしクラスでこそ人間関係を築かなければ。
とりあえず栄純と話がしたい。御幸一也も一度拝まなければ。
心の支えであったダイヤのAの世界に、気にかけてくれる大好きな先輩。幸せ以外になにも感じられる訳が無かった。
とにかく朝練に行かなければ。
マネージャーとして入部させてもらえるらしい。
トリップとは時間軸も変わるらしい。どこからともなく飛んできた桜の花弁がドアを開けた瞬間部屋に入ってきた。
その日、勝手知ったる野球部で、彼女の仕事の飲み込みの早さと機敏な動き、更に勉強熱心さはその日中にマネージャー陣、さらには選手監督に知れ渡った。
一週間が経った。環境の変化に適応するのに必死で時が流れるのは一瞬だった。
栄純やクラスの面々との交流に忙しく、せっかくトリップしたのに倉持先輩と一緒に居られていない。
部活後声をかけてみよう。
「倉持先輩、今日もお疲れ様でした。マッサージ致しましょうか」
話がしたいと目で訴えた。
「じゃあ頼むわ。」
先輩はやっぱりすごかった。
周りにいた部員は呆気に取られていた。
倉持洋一に話しかける下級生も、このように女子に触らせる倉持洋一を見たのも初めてだからだ。
御幸一也がチーム全体を代表するかのように問うた。
「な、なぁ倉持。お前って女子にそんなことやらせるキャラだっけ」
「ま、そのうち話すわ。」
辺りが静まり返った。なにも、そんな思わせぶりな言い方をしなくても。
「じゃあ、風呂入ってからお前の部屋に迎えに行くわ。」
と、先輩が言ったのでみんなに挨拶をしてから夢子はその場を後にした。
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