BerryBirthday☆

7月15日。今日は一護の誕生日。

白銀の髪でアメジストの瞳を持つ綺麗な青年―黒刀は一人悩んでいた。

(誕生日って・・・何やったら喜ぶんだ?)

内心呟き、床に膝を抱えて座っている黒刀はベッドの側面に身体を預ける。

気が遠くなる程、地獄で過ごしていた為、自分の誕生日は勿論、他人の誕生日に何を貰い、何を上げれば喜ぶかなんて一切、分からない。

でも、一護は自分を地獄から救ってくれた恩人であり、恋人でもある為、何か恩返しを兼ねて彼にプレゼントして上げたいと思っていた。

しかし・・・中々いい物が思い付かない・・・。

「はぁ・・・・・・」

黒刀はベッドに身体全体を預け、深い深い溜め息を吐いた。

「溜め息なんて吐いてどうした?」

突如、部屋に響いた声に黒刀は伏せていたアメジストの瞳を開き、声がした方へ目を向ける。

ピタリと閉じられていた押し入れの扉がスッと開き、その中から黄色のライオンのぬいぐるみがピョンと出て来て見事に床に着地する。

とてとてと二足歩行で近付いて来るライオンのぬいぐるみはこの部屋に住む改造魂魄のコンだ。

黒刀はコンを見て「こいつに何か聞いてみるか」と、思い口を開く。

「なぁ、聞きてぇ事があるんだけど・・・いいか?」

「ん?何だ?」

黒刀に疑問符で尋ねられたコンはベッドに飛び乗ると、ちょこんとその上に腰を下ろし、ベッドに身体を預けて床に膝を抱えて座っている彼に黒い円らな瞳を向ける。

「今日、一護の誕生日なんだけどよ・・・何やったら喜ぶかなって・・・」

ベッドの上にちょこんと座っているコンに白銀の長い睫毛に覆われたアメジストの瞳を向け、尋ねる。

黒刀の言葉にコンは思い出したような表情をすると言った。

「今日、あいつの誕生日か。ん~何でもいいんじゃねぇか?」

コンの適当な言葉に黒刀は項垂れたように膝に顔を埋める。

「あのなぁ・・・何でもいいって言うのが一番困るンだよ」

黒刀は膝から顔を上げると、苦笑しながら言う。

彼の最もな答えにコンは先程の彼と同じように両腕を組んでう~んと唸る。

両腕を組んで唸っているコンをよそに黒刀は何か閃いたのか「あ」と声を洩らすと口を開く。

「なぁ、一護ってアクセとか好きか?」

「へ?さぁな・・・。でも、オメェが選んでくれたモンなら一護も喜ぶと思うぜ」

考えている最中に尋ねられ、コンは一瞬、驚いたが黒刀の問いに答えてやる。

その言葉に黒刀はパァッと周りに花が咲いたように微笑むと言う。

「本当か!ありがとな。コン」
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