蝶と花と君と
優秀な魔法士の卵が集う養成学校である名門ーナイトレイブンカレッジに異世界から召喚された異分子がいた。
彼はミスタルシアと呼ばれる聞き慣れない世界からやって来た魔法が使えない存在であった。
しかし、彼は不思議な魅力と“チカラ”を有していた。
その力は数々のオーバーブロット事件を解決に導き、彼の持つ魅力は…この世界の住人の心を惹き付けた。
彼と直接関わった者達は互いに牽制し合いながら不思議な魅力を放つ異世界の住人であるオンボロ寮の監督生の元へ通っていた。
今日も彼に会う為に通う一人の生徒。
また誰かと鉢合わせになるかと思っていたが、運の良い事に誰も居らず安堵した。
しかし、彼はある事に気付いた。
会いたいと願っていた監督生の姿はオンボロ寮内には見当たらなかった。
一度、落胆し掛けたが裏庭の方で音がする事に気付いた彼は直ぐに足を進める。
裏庭へと向かった彼の目に飛び込んで来たのは初めて目にする監督生の姿だったーー。
太陽の光が反射し、宝石の様にキラキラと輝く水滴を散りばめた色取り取りの花々の中に佇み、その周りをふわり、ふわりと優雅に舞踊る蝶と戯れる意中の相手。
この世界では珍しい混じり気のない黒絹の様な髪、長い睫毛が縁取る紅玉を彷彿とさせる深紅の瞳、透き通るかの様な白い肌、何処か少女の様な面影を持つ中性的な容姿。
何処か男心を擽る様な美しい彼は何時もその顔に何の表情も宿していない事が多いが…今は違った。
彼は指に止まった一匹の蝶を優しげな瞳で見詰め、普段の無表情を解き穏やかな表情を浮かべ、口元には僅かだが…小さく笑みが浮かんでいた。
まるで一枚の絵画を連想させるかの様な流麗なその姿に目を奪われる。
監督生ことイオはバハムートと呼ばれる創生と破壊を司る飛竜《ドラゴン》の血が流れているらしいがそれを全く感じさせなかった。
凶悪なドラゴンの血が流れているとは思えない程…今のイオの表情は慈愛に満ちていた。
暫く見惚れていると、此方に気付いたらしい彼は穏やかな表情で指に蝶を止まらせたまま口を開いた。
「こんにちは…… 」
彼の口から出た自分の名前に嬉しさを感じ、相槌を返した後、傍まで歩を進める。
自分より小柄な彼は自然と見上げる形になり、上目遣いで見詰めて来た。
吊り目ながらもぱっちりとした綺麗な紅玉の瞳を見詰め、眼前の想い人に己の気持ちを言葉に乗せ、伝える。
すると、何時も冷静な紅玉の瞳が見開かれると同時に白い頬が色付く様に赤く染まる。
何処か恋する少女の様な様子に愛おしさを感じていると…イオは「俺も好きだーー」と肯定した。
まさか受け入れて貰えるとは思っていなかった為、驚いたが嬉しさのあまりその華奢な身体を抱き締めた。
突然だった為かイオは一瞬、身を強張らせたが恐る恐ると言った様子で抱き返してくれた。
ドラゴンでありながら人を愛し、献身的に尽くす優しい彼はこの学園の誰からも好意を向けられているにも関わらず“自分”を選んでくれた……。
他の誰でもない自分を選んでくれた優越感と彼への愛しさに浸る。
花々の中で抱き合う二人を優雅に舞い踊る蝶達が祝福するかの様に周りを漂っていた。
ーendー
あとがき→
初のツイステ作品がコレ…(汗)
誰かの部分は好きな相手を当て嵌められる様にしましたが……よく分からなくなった(笑)
しかも、神バハ×ツイステのクロスオーバーって言う。※好き×好きのコラボと言うのもあるけど、必ずしも現代から来たとは限らないですから。他異世界も有りっちゃ有りですよね?
→次ページは監督生♂(タイプ1)の設定です。 ※読まなくても今後の作品に支障はありません。
彼はミスタルシアと呼ばれる聞き慣れない世界からやって来た魔法が使えない存在であった。
しかし、彼は不思議な魅力と“チカラ”を有していた。
その力は数々のオーバーブロット事件を解決に導き、彼の持つ魅力は…この世界の住人の心を惹き付けた。
彼と直接関わった者達は互いに牽制し合いながら不思議な魅力を放つ異世界の住人であるオンボロ寮の監督生の元へ通っていた。
今日も彼に会う為に通う一人の生徒。
また誰かと鉢合わせになるかと思っていたが、運の良い事に誰も居らず安堵した。
しかし、彼はある事に気付いた。
会いたいと願っていた監督生の姿はオンボロ寮内には見当たらなかった。
一度、落胆し掛けたが裏庭の方で音がする事に気付いた彼は直ぐに足を進める。
裏庭へと向かった彼の目に飛び込んで来たのは初めて目にする監督生の姿だったーー。
太陽の光が反射し、宝石の様にキラキラと輝く水滴を散りばめた色取り取りの花々の中に佇み、その周りをふわり、ふわりと優雅に舞踊る蝶と戯れる意中の相手。
この世界では珍しい混じり気のない黒絹の様な髪、長い睫毛が縁取る紅玉を彷彿とさせる深紅の瞳、透き通るかの様な白い肌、何処か少女の様な面影を持つ中性的な容姿。
何処か男心を擽る様な美しい彼は何時もその顔に何の表情も宿していない事が多いが…今は違った。
彼は指に止まった一匹の蝶を優しげな瞳で見詰め、普段の無表情を解き穏やかな表情を浮かべ、口元には僅かだが…小さく笑みが浮かんでいた。
まるで一枚の絵画を連想させるかの様な流麗なその姿に目を奪われる。
監督生ことイオはバハムートと呼ばれる創生と破壊を司る飛竜《ドラゴン》の血が流れているらしいがそれを全く感じさせなかった。
凶悪なドラゴンの血が流れているとは思えない程…今のイオの表情は慈愛に満ちていた。
暫く見惚れていると、此方に気付いたらしい彼は穏やかな表情で指に蝶を止まらせたまま口を開いた。
「こんにちは…… 」
彼の口から出た自分の名前に嬉しさを感じ、相槌を返した後、傍まで歩を進める。
自分より小柄な彼は自然と見上げる形になり、上目遣いで見詰めて来た。
吊り目ながらもぱっちりとした綺麗な紅玉の瞳を見詰め、眼前の想い人に己の気持ちを言葉に乗せ、伝える。
すると、何時も冷静な紅玉の瞳が見開かれると同時に白い頬が色付く様に赤く染まる。
何処か恋する少女の様な様子に愛おしさを感じていると…イオは「俺も好きだーー」と肯定した。
まさか受け入れて貰えるとは思っていなかった為、驚いたが嬉しさのあまりその華奢な身体を抱き締めた。
突然だった為かイオは一瞬、身を強張らせたが恐る恐ると言った様子で抱き返してくれた。
ドラゴンでありながら人を愛し、献身的に尽くす優しい彼はこの学園の誰からも好意を向けられているにも関わらず“自分”を選んでくれた……。
他の誰でもない自分を選んでくれた優越感と彼への愛しさに浸る。
花々の中で抱き合う二人を優雅に舞い踊る蝶達が祝福するかの様に周りを漂っていた。
ーendー
あとがき→
初のツイステ作品がコレ…(汗)
誰かの部分は好きな相手を当て嵌められる様にしましたが……よく分からなくなった(笑)
しかも、神バハ×ツイステのクロスオーバーって言う。※好き×好きのコラボと言うのもあるけど、必ずしも現代から来たとは限らないですから。他異世界も有りっちゃ有りですよね?
→次ページは監督生♂(タイプ1)の設定です。 ※読まなくても今後の作品に支障はありません。
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