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君の一番になりたい

此処は地獄の第一階層。

灼熱の溶岩のような深紅の空とそれとは対極に白い巨大な石柱が多重構造のように浮遊する空間だ。

一つの浮遊する石柱の上に片膝を立て、腰掛けている人物がいた。

頭に黒頭巾を巻いた銀髪でアメジストの隻眼を持つ白い肌の青年は立てた片膝に頬杖を着きボーッと第一階層の深紅の空を眺めていた。

「おーい!黒刀!!」

聞き覚えのある声に名前を呼ばれた青年は緩慢な動きで首を動かし、声が聞こえた方に顔ごと視線を向ける。

目を向けると、そこにはオレンジ色の髪でブラウンの双眼を持つ死神代行の姿があった。

(また来たのかよ・・・・)

黒刀と呼ばれた青年は心の中で呟くと、呆れたように溜め息を吐く。

オレンジ髪の死神代行は黒刀の前まで来ると、嬉々とした笑みを浮かべる。

「よっ」

「よっ。で?何の用だよ・・・一護」

既に日常と化してきている彼の姿に黒刀は半ばうんざりしながら口を開き、隣にいる死神代行こと、黒崎一護を見上げる。

自分を見上げて来る黒刀に一護は思わずドキリとした。

いつもは自分の背が低いため、滅多に見られないが・・・黒刀が腰掛けているため、自然と上目遣いになる。

彼に上目遣いで見上げられているのに一護は嬉しく思いながら手にした袋を黒刀に突き出す。

「ん 」

「?・・・」

黒刀は疑問符を浮かべながら差し出された袋を受け取る。

「なぁ、黒刀。暇だったら俺と一緒に今から現ー・・・」

怪訝な表情をしながらも袋を受け取ってくれた黒刀に一護は口を開くが最後まで言い終わる前に自分に向かって炎が飛んで来た。

一護はその炎を間一髪の所で躱す。

一方、黒刀は何が起こったのか分からないと言うようにアメジストの隻眼をぱちくりと瞬きさせる・・・。

一護は炎が飛んで来た方を見る。

そこには、わなわなと怒りを露わにする紫髪で高襟のマントを纏った緑眼の青年がいた。

一護はその青年の姿を見た瞬間、嫌そうな顔をする。

(チッ・・・。やっぱ来やがったか・・・)

舌打ちをし、心の中で呟く。
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