嫉妬ーenvyー

俺以外の奴に、そんな笑みを向けて欲しくない・・・・。

お前は俺だけに笑い掛けてればいい・・・・。

この時、俺の中で醜い感情が芽生えた気がした―・・・。






“嫉妬”







学校から帰宅すると、ドアの向こうから楽しそうな話し声が聞こえ俺はドアノブに伸ばし掛けていた手をピタリと止めた・・・。

ドアの向こうから聞こえてくるのは改造魂魄のコンの声と、俺の恋人である黒刀の声。

「・・・・・・・・っ」

談笑するコンと黒刀に俺は胸の奥にモヤッとしたものが広がるのが分かった・・・・。

モヤモヤとしたものは煙のように、どんどん胸の奥へと広がり・・・・やがて、ドロリとした言い様のないものへと変化し・・・それはまるで生き物のように動き回る・・・。

俺はそれが何の感情なのか知らない・・・。

否、知りたくなかった…。

俺はその感情を振り払い、ドアノブに手を掛け部屋の中へと入った。

部屋に足を踏み入れると、コンと黒刀はベッドに向き合うようにして座り俺が帰って来た事に気付かないのか…今だに楽しそうに笑いながら談笑していた…。

黒刀はいつも俺に向けてくれる微笑みをコンに向け、楽しそうに話している。

それを見た瞬間、先程・・・俺の胸の奥で動き回っている黒い感情が、静かに破裂したのを感じた。

そして・・・・。

ベッドに座っている二人に近付く。

上に影が差した事で二人はやっと俺の存在に気付き、会話をピタリと止めると一斉に此方を向いた。
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