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アゲハチョウ

私は今まで、人を好きになった事等なかった・・・・。

ただ、主に忠実に従い任務を遂行するだけ。

その頃の私の世界に色等なかった。

だが、ある日・・・・私の色のない世界に美しい“蒼色”が飛び込んで来た。

サラサラの絹のような鷲色の髪、隻眼、白い肌、武人とは思えない華奢な体。

その体を守るように纏られた蒼い陣羽織。

私の世界に“蒼”という色を教えてくれたのは、東軍の武将―伊達政宗。

独眼竜と名を馳せている青年。

噂には聞いていた。

その姿は、今まで見た事がない程・・・美しかった。

流れるような剣さばきに思わず、目が離せなかった・・・・。

そして、私は生まれて初めて・・・人を好きになった。

その相手が男だという事も、敵だという事も私は気にしなかった。

しかし・・・・彼の隣にはいつも、あの男がいた―・・・。

東軍の大将であり、私が最も憎い相手である・・・“徳川家康”

あの男と戦をする時、常に・・・彼はその隣にいた・・・。

私は、それが嫌で仕方がなかった。

彼を気遣うように声を掛けるあの男。

それに、軽く笑みを浮かべながら頷く彼。

私は腹立たしかった・・・。

それと同時に、あの男への憎しみが更に上昇して行く。

“何故、貴様は私からすべてを奪う?”

初めて好きになった相手さえも・・・・。

届くことのない想いとあの男への憎しみが、私を苦しめる・・・・。

あの笑みを私に向けて欲しい・・・。

その隻眼に私を映して欲しい・・・。

彼を愛したい・・・。

彼に愛されたい・・・・。

段々、抑えられなくなる感情。

もし、私の想いを彼に言えば…彼はどんな反応をするだろうか?

私はそう考えながら彼を見た。

そして、今日も私は・・・・彼に伸ばしかけようとする腕を必死に抑えていた・・・。



愛されたいと願ってしまった。





―end―
あとがき→
てきとー+いみふ~
一応、ポルノのアゲハ蝶をイメージして書きました。
なんか、悲しいんだか、悲しくないんだか分かんねぇ。
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