Lovesnowman…

冬の肌寒い朝…。

オレンジ髪の少年―黒崎一護は外から聞こえる笑い声に目が覚めた。

何事かと思い…勢い良く上体を起こすと昨日隣で寝ていた黒刀の温もりがない事に気付いた。

(先に起きたのか・・・)

心の中で呟くと、一護はベッドから出て着替えると防寒具を持って部屋を出る。





階段を降りて玄関に向かい、靴を履いてドアを開けると辺り一面雪が積もった銀世界が目に飛び込んで来た。

ドアを閉め、外に出ると冬特有の冷たい風が頬を撫でた。

ふーっと息を吐くと息が寒さのため白くなる。

すると…庭の方から何やら賑やかな声が聞こえ、一護は庭の方に向かった。

そして…目に映った光景にブラウンの双眼を見開く…。

庭では妹の遊子と夏梨…そして、恋人である銀髪の青年―黒刀が楽しそうに戯れている姿があった。

遊子は楽しそうに笑い、黒刀と一緒に雪だるまを作っているのか…雪を丸めていた。

その二人を夏梨は顔に笑みを浮かべながら眺めていた。

その光景を見た一護は黒刀と妹達が本当の兄妹のように見えた。

暫く、三人を見ていると黒刀が一護に気付いたのか…こちらに向かって笑い手を振ってきた。

「よ!今、起きたのか?一護」

満面の笑みを浮かべヒラヒラと自分に向かって手を振ってくる黒刀に思わずドキッとしながらも口を開く。

「あ、ああ…」

すると、遊子と夏梨も一護に気付いたのか此方を向く。

「お兄ちゃんおはよ!ねぇみてみて、これ黒刀さんが作ったんだよ!!」

遊子は一護の方に小走りで近付き、両手に持っているものを兄に見せる。

一護は遊子の両の掌に乗っているものを見る。

掌には良く出来た可愛いらしい雪兎があった。

白くて丸い胴に草の耳を付け、その下には赤い円らな目が付いていた。

今にも動き出してピョンピョン跳ねそうな雪兎を見た一護は笑みを浮かべる。

「良く出来てるな…」

「うん!すっごく上手だよね~!」

遊子は黒刀の作った雪兎が気に入ったのか嬉しそうに微笑む。

一護は自分の恋人が作ったものを褒められ、自分も嬉しく思った。
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