メモ帳
はしりがき📝
2021/09/30 21:40オリジナル
ポイピクと同企業が運営してるkakeneeってサイトに投げてみたものです。
深夜テンションだったので、これは書き直ししないと…。
深夜テンションだったので、これは書き直ししないと…。
追記
哲学的な事を考えた事はあるだろうか?
ジャンルは豊富にあるので時間とはなんなのか?とか人類とは何か?みたいな科学的哲学とか。
他にも何のために自分は生まれたのか?とか。
誰でも一秒くらい疑問に思う事があるのではないだろうか。
少なくとも悩む、と言う経験があれば多少は違うだろう。
最たるものなら、神はいるのか?
これに尽きる。
兎に角、飽きない議題で陳腐とすら思えるし、話しかけてきたなら詐欺師とすら思うかもしれない。
それくらい有り触れていて、かつ答えがないのに追い求めてしまう魅力的な存在だ。
これは、そんな陳腐で魅力的な存在を求めた末に辿り着いた結果の1つとして書き留めようと思う。
手始めに、髪だ。
「あー…最悪だ…」
パチリと開いた瞳で見つめる天井に向かって伊勢武蔵(いせ むさし)は呟いた。
変声期を乗り越えた武蔵の寝起きに発した声は、ただでさえ低いのに地獄の亡者のような聞き苦しいもので思わず自分で、しかめっ面になる程だった。
「くそったれー」
武蔵と言う青年は四季島高校2年、まさに青春真っ盛りな高校生であったが残念ながら本人は淡々と日々を過ごしていた。
アニメ、ゲーム、動画、テレビ、今は様々なエンタメがあり、趣味も大切だとされる時代だと言うのに全て友好関係の延長線、といった形であるには勿論、理由もある。
「行ってきます」
チーン、と鳴らして線香を手で仰いで消した後、身体に線香の香りを纏わせながらも気にする事などなく家を出る。
変な夢は最悪だ。
きっと昨日、家の掃除を本格的にしたせいだろう。
未だに脳みそは両親や祖父母が恋しくなったか、と武蔵は自分に呆れた。
本来なら褒められ、哀れみすら向けられるであろう天涯孤独の青年は、自分に厳しい青年だったのだ。
「おはようございます」
武蔵は兎に角、地味に静かに過ごす事にしている。
何故なら武蔵にとって同級生や教師、ひいては同級生の親に至るまで憐れみや同情は邪魔でしかなかった。
そんな感情を向けられても腹は満たされず、金は増えたりしない。
だからこそ両親や祖父母が残してくれた遺産を守り、そして成人するまでの道筋を作る為ならば地味に静かに暮らすことの何がいけない?と言う可愛げのない考え方だったからだ。
後見人である親戚の男性は相談の上で頷いてくれた。
どうやら親戚なのだそうだが初めて顔合わせしたのは面倒を見てくれた優しさ祖父母の葬儀で火葬の時だったので、説明も葬儀も最低限にしてもらったのだ。
「良いんじゃないかな、別に」
「怒らない、んですか?」
「良いよ?タメ口。あぁ、怒らないのか?だっけな…うん、仕方ないさ、死者はいつだって生者を置いていく。そんな人たちに恩返しなんてさ、泥水すすってでも生きて、元気に長生きするくらいしか恩返しにならないんだよ」
「……やっぱアンタ俺の親戚だったんだな。なんかソレすげぇしっくり来た」
「はは!それは何より!好きにしてみな、ダメな事をした時は意地で叱るから」
「は、なんすか、ソレ」
「僕なりの大人としての矜持さ、少年」
眼鏡の奥にある瞳は優しい、と言うよりも恐ろしく本気で覚悟を感じさせてきた。
祖父母の火葬の最中に言うべき台詞じゃないだろ、と思いつつも武蔵は不思議と泣けてきて。
思わず、しゃがみ込んだ勢いで地毛の黄色みがかった茶髪をクシャクシャにしながら顔を手で隠したけれど、涙は逃げるように床に消えた。
きっと彼の心は、その瞬間から天涯孤独となったのだろう。
理解はあれど、所詮は親戚。
この時から武蔵は、理解して貰うことを諦めて、手放した。
そして親戚の伊勢武人(いせ たけひと)と名乗った男は連絡こそしてくるが基本的には何も口を挟んではこなかった。
武人以外の親戚など見聞きした事はなかったし、今のところは訪れてきた事もなかった事から武蔵は本当に彼以外の親戚は居ないのだろうな、と授業を書き留めながら流した。
幸せになりたいとかは無い。
ただ困るような事は起きてほしくない。
ー他人に邪魔されない時間を過ごしたいー
「は?」
「ん?どうした、伊勢」
「あ、いえ、すいません。消しゴム落としました」
「そうか、気をつけろー」
「はい」
何も考えずにノートを書いていたのに、変な夢だけでなく脳内にまで自分ではない声が聞こえたら誰でもビビる。
なんとか誤魔化す事に成功した武蔵は、真っ青な気持ちの脳内を隠して授業に戻った。
恐怖はある。
分かりやすく言うならば自分の奥底に眠る気持ちを自分ではない声に当てられる事ほどホラーな事はない。
「ホント最悪だ」
ジャンルは豊富にあるので時間とはなんなのか?とか人類とは何か?みたいな科学的哲学とか。
他にも何のために自分は生まれたのか?とか。
誰でも一秒くらい疑問に思う事があるのではないだろうか。
少なくとも悩む、と言う経験があれば多少は違うだろう。
最たるものなら、神はいるのか?
これに尽きる。
兎に角、飽きない議題で陳腐とすら思えるし、話しかけてきたなら詐欺師とすら思うかもしれない。
それくらい有り触れていて、かつ答えがないのに追い求めてしまう魅力的な存在だ。
これは、そんな陳腐で魅力的な存在を求めた末に辿り着いた結果の1つとして書き留めようと思う。
手始めに、髪だ。
「あー…最悪だ…」
パチリと開いた瞳で見つめる天井に向かって伊勢武蔵(いせ むさし)は呟いた。
変声期を乗り越えた武蔵の寝起きに発した声は、ただでさえ低いのに地獄の亡者のような聞き苦しいもので思わず自分で、しかめっ面になる程だった。
「くそったれー」
武蔵と言う青年は四季島高校2年、まさに青春真っ盛りな高校生であったが残念ながら本人は淡々と日々を過ごしていた。
アニメ、ゲーム、動画、テレビ、今は様々なエンタメがあり、趣味も大切だとされる時代だと言うのに全て友好関係の延長線、といった形であるには勿論、理由もある。
「行ってきます」
チーン、と鳴らして線香を手で仰いで消した後、身体に線香の香りを纏わせながらも気にする事などなく家を出る。
変な夢は最悪だ。
きっと昨日、家の掃除を本格的にしたせいだろう。
未だに脳みそは両親や祖父母が恋しくなったか、と武蔵は自分に呆れた。
本来なら褒められ、哀れみすら向けられるであろう天涯孤独の青年は、自分に厳しい青年だったのだ。
「おはようございます」
武蔵は兎に角、地味に静かに過ごす事にしている。
何故なら武蔵にとって同級生や教師、ひいては同級生の親に至るまで憐れみや同情は邪魔でしかなかった。
そんな感情を向けられても腹は満たされず、金は増えたりしない。
だからこそ両親や祖父母が残してくれた遺産を守り、そして成人するまでの道筋を作る為ならば地味に静かに暮らすことの何がいけない?と言う可愛げのない考え方だったからだ。
後見人である親戚の男性は相談の上で頷いてくれた。
どうやら親戚なのだそうだが初めて顔合わせしたのは面倒を見てくれた優しさ祖父母の葬儀で火葬の時だったので、説明も葬儀も最低限にしてもらったのだ。
「良いんじゃないかな、別に」
「怒らない、んですか?」
「良いよ?タメ口。あぁ、怒らないのか?だっけな…うん、仕方ないさ、死者はいつだって生者を置いていく。そんな人たちに恩返しなんてさ、泥水すすってでも生きて、元気に長生きするくらいしか恩返しにならないんだよ」
「……やっぱアンタ俺の親戚だったんだな。なんかソレすげぇしっくり来た」
「はは!それは何より!好きにしてみな、ダメな事をした時は意地で叱るから」
「は、なんすか、ソレ」
「僕なりの大人としての矜持さ、少年」
眼鏡の奥にある瞳は優しい、と言うよりも恐ろしく本気で覚悟を感じさせてきた。
祖父母の火葬の最中に言うべき台詞じゃないだろ、と思いつつも武蔵は不思議と泣けてきて。
思わず、しゃがみ込んだ勢いで地毛の黄色みがかった茶髪をクシャクシャにしながら顔を手で隠したけれど、涙は逃げるように床に消えた。
きっと彼の心は、その瞬間から天涯孤独となったのだろう。
理解はあれど、所詮は親戚。
この時から武蔵は、理解して貰うことを諦めて、手放した。
そして親戚の伊勢武人(いせ たけひと)と名乗った男は連絡こそしてくるが基本的には何も口を挟んではこなかった。
武人以外の親戚など見聞きした事はなかったし、今のところは訪れてきた事もなかった事から武蔵は本当に彼以外の親戚は居ないのだろうな、と授業を書き留めながら流した。
幸せになりたいとかは無い。
ただ困るような事は起きてほしくない。
ー他人に邪魔されない時間を過ごしたいー
「は?」
「ん?どうした、伊勢」
「あ、いえ、すいません。消しゴム落としました」
「そうか、気をつけろー」
「はい」
何も考えずにノートを書いていたのに、変な夢だけでなく脳内にまで自分ではない声が聞こえたら誰でもビビる。
なんとか誤魔化す事に成功した武蔵は、真っ青な気持ちの脳内を隠して授業に戻った。
恐怖はある。
分かりやすく言うならば自分の奥底に眠る気持ちを自分ではない声に当てられる事ほどホラーな事はない。
「ホント最悪だ」