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ニャンコ系エミヤ

ランサーに追い出されてしまった後のキャス影弓


「ふぅ……追い出されてしまったな?キャスター」
「そんなもんだろ。俺たちの役目は終えたんだから帰るぞ」
「む……折角、弟に会えたと言うのに、その弟が抱かれると知るのは中々複雑な気分だ……ってキャスター、私が運転するんじゃないのか?何故に運転席に座る」

己の弟が男に走ったと言うのに全く気にする様子も無く、キャスターはアーチャーから見ても、いつも通りに運転席へと座っていた。
だがアーチャーからすれば違和感しかない。
何故ならば基本的に運転席に座り、運転しているのは秘書でありボディーガード、そして使い魔として契約しているアーチャーだからだ。

「そういう気分なんだよ、お前は黙って助手席に座っとけ」
「そうもいくまい。私は君の使い魔なのだぞ?使い魔が主人に運転させてどうするんだ」
「だから気分だっつーの。ほら、乗れってアーチャー」

何処か部屋を出てからと言うもの、不機嫌そうにしていたキャスターにアーチャーはため息をこぼしかけたが、キャスターに散々な目に合わされてきた身体がため息を噛み殺す。
しかし減らず口と言うものは学習能力の高い身体とは違い、プライドを優先する頭と口から出てきてしまう。

「……ふむ、普段は人遣いの荒い君が優しいと気持ち悪いな」
「そうかそうか……テメェ、帰ったら立ってられると思うなよ?」
「ふん、魔術で私を押さえ込もうと考えるなど、まだ魔術師として問題があるようだ。スカサハ殿に鍛え直して貰った方が良いんじゃないか?」
「何か勘違いしてるから言っといてやる。帰ったらテメェを抱き潰すからな」

抱き潰す、と言いつつも既に車の中で始めようとしている雰囲気のあるキャスターに呆れつつアーチャーは、未だに慣れないキャスターの率直な言葉に文句を言わずにはいられない。

「…………悪趣味だな、っんぁ」
「ったく、お前は可愛げのねぇ奴だな」
「はふ…ならば、いつでも、ん…契約なら切ってやるが?」
「運転席を取ったくらいで拗ねんな」

キャスターが怪訝そうに見えやすい拗ねた顔を自分しか知らぬのだとアーチャーは高揚感と喜びで身を震わせながらも素直に言葉を伝える思考など黒に染まったアーチャーには、無いものであった。

「なら君も、ぁ、家に帰る前から、んはっ、盛るんじゃなぃ、っこら!」
「んだよ」
「か、帰ってからじゃないのか!?」
「あー……気が変わった、ここでやる」
「君、馬鹿なのかね?此処は駐車場……まさか最初から!?」
「さて、どうだかな〜」

口の端から零れる唾液を舐め取りながら頬にキスを送りつつ、キャスターは簡単な服装をしているアーチャーの服の中へと侵入して行く。
その手は手馴れたもので、滑らかで触り心地が良く吸い付くようなもち肌を撫でて楽しみつつ機嫌を取るようにキスを絶え間無く送る。
その隙に胸の飾りへと手を進めて、流れを作ってアーチャーを誑し込むのが二人のいつもの流れなのだ。

「ぁ、たわけ!馬鹿!触るな!」
「縛るのは趣味じゃねぇんだから暴れんな」
「うるさい知ってる!やめ、き、キャスター!く、車じゃ嫌だ!その、するなら……べ、ベッドで……」

語尾はあまりの羞恥から普通に隣に居たのなら聞き取れない程の小声となったのだが、キスをしてアーチャーを愛でていたキャスターには最後まで聞き取る事が出来た。
故に滅多に素直にならない可愛くないとイジメる可愛い恋人の素直に求めてくる言葉はキャスターにとって極上のものであった。

「…………」
「キャスター?」
「車ごと転移するぞ、アーチャー。今すぐ家に帰る」
「え、ちょ、キャスター!?誰かに見られたら、ぅわっ!!!」



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