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好青年の秘密

「っ!」
「どうした?家康、顔が赤いぞ」
「だ、大丈夫だ!ちょっと部屋が暑いかもしれんな!」
「そうか?変な奴だ」


家康は勘違いだと思いたい!と思ったが心の何処かで納得する自分に大いに戸惑った
自分は確かに腐男子だが、同性を性的対象で見るような趣味はないと思ったからだ
しかし今はそんな風に考える暇はない
何故なら三成の手が腰や背中を怪しく動き出したからだ


「ちょっ!三成、やめろ!なにするんだ!」
「貴様は私の好意を"友として"などとほざき逃げかねないからな…この際だからハッキリとさせておく」
「ぐっ!そ、それは…と、とにかく襲う事ないだろ!はな、せっ!っん!」


慌てて逃げ出そうとする家康よりも早く、三成は家康の体を再び引き寄せると両手で尻を鷲掴む
しかも揉んできたかと思うと撫でるを繰り返してくる
襲われている家康は堪ったもんではなかったが、家康は肩を震わせるだけで抵抗しなかった
抵抗して怪我をさせるかもしれないと思うと、抵抗できなかったのだ


「三成っ!分かった!分かったから止めてくれっ!」
「なら抵抗すれば良い、私はこのままで構わない…あと右の方が少し硬いぞ」
「っぅ~…!硬くて悪かったな!放せ!」
「断る」


三成の肩口にせめてもの抵抗と、家康は己の額を押し付けながら悪態をつく
しかし三成は一向に気にせず、むしろ楽しみながら肉つきを確かめるように撫で続ける
そんな愛撫にも似た手つきに家康は顔を火照らせながら悶々と三成を止める方法を考えた

そして"ある方法"を思いついたが、すぐに実行するか迷った
正直、実行する身としては恥ずかしかったからだ
しかし手段は選んで要られぬと実行する事を選び、まず手始めに話を聞いてもらう為に三成の顔を両手で包むように掴む


「っ三成!」
「ん、なんだ急に!今更、抵抗するつもりか!」
「違う!!!わ、わわ、ワシの気持ちを受け取れ!」
「なっ!?」


気持ちを受け取れ!と言い放ったと同時に家康はギリギリまで悩み、最終的に三成の頬にキスを送る
これで家康の気持ちは伝わるし、三成のセクハラ紛いの行為も驚きで止まる、という一石二鳥であった
本来は此処で家康は逃げるつもりだったが、固まる三成はちゃっかり腕を放す事はなかったので、気休めに三成の胸に顔を押し付ける

すると暫く固まっていた三成は家康を抱き締め直すと、隠しきれていない赤い耳や触り心地の良い髪にキスをし始めた
これには家康も慌てて、顔を火照らせたまま顔を上げる


「な、何をするんだ!!!」
「煩い!それよりも今の行動を私は告白に対して承諾したと取るからな!否定は認めない!」
「それはっ…わ、ワシも撤回しない!!!だから、もう帰ろう!今日はもう勘弁してくれ…っ!」

「……………ふん、良いだろう…帰るぞ、家康」
「へ?あ、あぁ!」


三成は家康に珍しく重ねて確認を取り、家康自身の言葉を聞いて満足したのか
これまた珍しく微笑を浮かべて機嫌が良さそうに家康が立つのを促す
そんな珍しい事だらけの事態に家康はリンゴのように顔を赤らめたまま、三成と共に立ち上がるとひと悶着あったのが嘘のようにアッサリと2人で仲良く帰宅した
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