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第1章

夜、事務所へ行くと、灯りがついていなかった。いつもは遅くまで電気がついており、レベッカが調べ物をしているのだが、中に入っても彼女の姿はない。

背筋が、凍る。

ジャックが手にかけるのは娼婦…しかし今日、その決まりは破られた。
レベッカにだって、危険はある。

ましてやまだ14歳の子供だ。
夜に外をうろついてなんかしていたら_____…

外でカラスが大きく鳴く声がしたと同時に室内だというのに生ぬるい風が頬を撫でる。

「あれ?先生!帰ってたんですか?」

後から聞きなれた声がした。
振り返ると髪を下ろしたレベッカがキョトンとした顔でこちらを見て立っていた。

「レベッカ_______…っ!!」
「先生?そんな顔して、どうしたんで__…!?」

思わず、抱きしめていた。
あぁ、暖かい、よかった、生きている、、

「せ、先生…?」
胸元で彼女の困惑して震えた声が聞こえた。
その声でふと我に返り、彼女を包んでいた腕をパッと離す。

「あ、その、ごめん。」
はは、と笑ってごまかして彼女の顔を見ると、心なしかほんのり赤く色づいている。

「…どうしたんです?私お風呂に入っていただけですし、私がジャックに襲われる心配なんてないですよね?」
怪訝そうにこちらを見てくる。

「あぁ…それがね、今回の被害者が…教師だったんだよね。」
僕がそう言うと、レベッカは驚いたように目を見開いたあとに、何かを憎むように顔を歪ませた。
そしてとても小声だったが、確かにこう言った。

「余計なことをしてくれましたね。」と。
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