第1章
僕が紅茶を彼女の元に持っていくと、もうほとんど資料はまとめられていた。
「どうぞ。」
そう言って紅茶を目の前に置くと、
「わっ、ありがとうございます!」
と言って笑顔で口にする。
「どう?」
「まぁまぁまとめ終わりましたよ!まぁ、ジャック自体まとめること少ないんですけど。」
少し口を尖らせて頬を膨らます。
仕草はまだまだ子供だ。
横に置かれた資料を見ると、ジャックの標的の特徴、ジャックの推測上の性格、ジャック以外の共犯者の可能性、様々なことが書かれている。
「共犯者なんているの?」
「正直わかりません。でも、たった一人で警察や探偵にさえバレない犯行なんて出来ると思います?」
カタカタとパソコンをいじりながら不服そうに答える。
確かに、一人の犯行と考えるのは難しい。
証拠をここまで綺麗に片付けられるだろうか。
裏になにか大きな黒幕でもいるのではないか。
様々な推測ができる。
あくまで、推測。
「はい、できましたよ!あんまりしっかりしたこと書けてないんですけど…。」
最後の1枚をばん、と僕の前に置いて一息ついて紅茶を飲む。
「ありがとう。いつも助かるよ。」
「いーえ!あ、クッキー出しますね!」
彼女は椅子を使って棚の上にあるクッキーを取りに行く。
その間に資料に目を通す。
被害者の特徴
・娼婦
・バラバラに切り裂かれる
・子持ち
ジャックの性格(推測)
・残虐
・几帳面
・綺麗好き
「…レベッカ」
帰ってきてクッキーをボリボリ食べているレベッカに声をかける。
「はい?」
「ジャックの性格の、几帳面と綺麗好きってなに?」
「あぁ、先生わかりません?いつも娼婦の衣服には何かを拭ったような血の跡があるんです。きっと自分への返り血を拭いてるんですよ。」
言われて見て初めて気がついた。いや、警部は気づいていたのかもしれない。
被害者の写真を見ると確かにそのような跡がある。
「几帳面っていうのは、遺体以外こんなに綺麗に片付けてるんですよ?几帳面っぽいじゃないですか。」
彼女の資料には、彼女の勘が入る。よく。
「そうか、ありがとう。」
コーヒーを一口飲む。
少し、苦すぎたかもしれない。
続きに目を通す。
凶器
・一般的なナイフ
共犯者(特徴など)
・大きな組織(恐らく警察とも繋がっている)
・多大な権力を持つ
レベッカの推理
・ジャックは大きな組織に脅されて人を殺しているのではないだろうか。
・この犯行の全てに、ジャックの家族が関係しているであろう。
ざっと言うとこんな感じだ。
大体の内容は納得できた。
ジャックの親はおそらく娼婦。それは噂でも囁かれていることである。
そのため、これは彼の家族が関わっている。そう考えるのが普通であろう。
「どうです?」
僕が読み終えたことを確認した彼女が得意げな顔で聞いてくる。
僕は資料をトントン、と机で整える。
「うん。よくできてる。これはとても助かるかもしれない。」
「かもしれないってなんですかー!」
ははっ、と笑って茶番を終わらせる。
問題はこの共犯の可能性のある組織はどこなのか、ということだ。
「警察との関わり…か。」
明日警部にそれとなく聞いてみることにしよう。
すっかり夜は暗くなっていた。
「レベッカ、今日はもう休もうか。」
「ん、私まだちょっとやることあるんで先生先に休んでください!」
そう言って彼女はまたパソコンを続き始める。
「そう、あんまり夜更かししちゃいけないよ。じゃあまた明日来るね、おやすみ。」
僕はそう言って事務所を後にした。
「どうぞ。」
そう言って紅茶を目の前に置くと、
「わっ、ありがとうございます!」
と言って笑顔で口にする。
「どう?」
「まぁまぁまとめ終わりましたよ!まぁ、ジャック自体まとめること少ないんですけど。」
少し口を尖らせて頬を膨らます。
仕草はまだまだ子供だ。
横に置かれた資料を見ると、ジャックの標的の特徴、ジャックの推測上の性格、ジャック以外の共犯者の可能性、様々なことが書かれている。
「共犯者なんているの?」
「正直わかりません。でも、たった一人で警察や探偵にさえバレない犯行なんて出来ると思います?」
カタカタとパソコンをいじりながら不服そうに答える。
確かに、一人の犯行と考えるのは難しい。
証拠をここまで綺麗に片付けられるだろうか。
裏になにか大きな黒幕でもいるのではないか。
様々な推測ができる。
あくまで、推測。
「はい、できましたよ!あんまりしっかりしたこと書けてないんですけど…。」
最後の1枚をばん、と僕の前に置いて一息ついて紅茶を飲む。
「ありがとう。いつも助かるよ。」
「いーえ!あ、クッキー出しますね!」
彼女は椅子を使って棚の上にあるクッキーを取りに行く。
その間に資料に目を通す。
被害者の特徴
・娼婦
・バラバラに切り裂かれる
・子持ち
ジャックの性格(推測)
・残虐
・几帳面
・綺麗好き
「…レベッカ」
帰ってきてクッキーをボリボリ食べているレベッカに声をかける。
「はい?」
「ジャックの性格の、几帳面と綺麗好きってなに?」
「あぁ、先生わかりません?いつも娼婦の衣服には何かを拭ったような血の跡があるんです。きっと自分への返り血を拭いてるんですよ。」
言われて見て初めて気がついた。いや、警部は気づいていたのかもしれない。
被害者の写真を見ると確かにそのような跡がある。
「几帳面っていうのは、遺体以外こんなに綺麗に片付けてるんですよ?几帳面っぽいじゃないですか。」
彼女の資料には、彼女の勘が入る。よく。
「そうか、ありがとう。」
コーヒーを一口飲む。
少し、苦すぎたかもしれない。
続きに目を通す。
凶器
・一般的なナイフ
共犯者(特徴など)
・大きな組織(恐らく警察とも繋がっている)
・多大な権力を持つ
レベッカの推理
・ジャックは大きな組織に脅されて人を殺しているのではないだろうか。
・この犯行の全てに、ジャックの家族が関係しているであろう。
ざっと言うとこんな感じだ。
大体の内容は納得できた。
ジャックの親はおそらく娼婦。それは噂でも囁かれていることである。
そのため、これは彼の家族が関わっている。そう考えるのが普通であろう。
「どうです?」
僕が読み終えたことを確認した彼女が得意げな顔で聞いてくる。
僕は資料をトントン、と机で整える。
「うん。よくできてる。これはとても助かるかもしれない。」
「かもしれないってなんですかー!」
ははっ、と笑って茶番を終わらせる。
問題はこの共犯の可能性のある組織はどこなのか、ということだ。
「警察との関わり…か。」
明日警部にそれとなく聞いてみることにしよう。
すっかり夜は暗くなっていた。
「レベッカ、今日はもう休もうか。」
「ん、私まだちょっとやることあるんで先生先に休んでください!」
そう言って彼女はまたパソコンを続き始める。
「そう、あんまり夜更かししちゃいけないよ。じゃあまた明日来るね、おやすみ。」
僕はそう言って事務所を後にした。