坂田家の日常
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あれから数カ月。
念願かなってなまえの妊娠が判明してからというもの、坂田家はどんどんモノで溢れていった。
ベビーベッド、哺乳瓶、スタイにベビー服、それからオモチャも沢山。
思えば最初がいけなかったのだ。
いきなり買ってしまった1冊の育児書。
二人でそれを読み込み、あれがいる、これがいる、と話していた。
そのうちそれだけでは気が済まなくなり、銀八は毎週のようにあれこれ買ってくるようになったのだ。
そうしてどんどん育児用品が増え続けた。
部屋の一角を占拠し始めたその山を見てなまえは溜め息をついた。
「ねぇ…どーすんのこれ」
妊娠に気付き、母子手帳を受け取った時は飛び上がらんばかりに歓喜していたなまえだったが、自分以上の夫の浮かれっぷりにはさすがに呆れ始めていた。
「まだ全然必要じゃないんだけどこれ。置き場もうないじゃないの」
「バカヤロー、準備は大事だろうが。いざって時に無いと困るだろ」
なまえの声も意に介さず、銀八はいたって真面目に答えた。
本当にこの男はヘンなところでマメだ、となまえは思った。
重いものは持つな。高い所の物を取ろうとするな。適度に運動しろ―――。
そんなお小言から始まり、直々に栄養ばっちりの食事まで用意されてしまう始末だ。
(世間から見ればメチャクチャ良い旦那なんだろうけどね)
クスリと笑い、なまえは床に落ちたオモチャを拾い上げた。
でも、ちゃんと言うときはビシっと言わないと。
そしてそれを銀八の目の前に突き付けた。
「…でも、コレはまだしまっておいて。残りのオモチャも片づけてね」
「………ハイ」
ニッコリ笑ってはいるものの、その声色に孕んだ怒気を察した銀八は今度こそ反論することなく返事をした。
いそいそと片付けを始めた銀八の後ろ姿を眺めながら、なまえはソファに腰かけお腹を撫でた。
「気が早いんだから…。でも、あなたに会えるのが楽しみなのはパパもママも一緒だよ」
お腹の子供にそう話しかけてみると、ぴくりと反応があった。
銀八に胎動を感じたと言えば、すっ飛んできてお腹を撫でまわす。
はやく会いたいね。
念願かなってなまえの妊娠が判明してからというもの、坂田家はどんどんモノで溢れていった。
ベビーベッド、哺乳瓶、スタイにベビー服、それからオモチャも沢山。
思えば最初がいけなかったのだ。
いきなり買ってしまった1冊の育児書。
二人でそれを読み込み、あれがいる、これがいる、と話していた。
そのうちそれだけでは気が済まなくなり、銀八は毎週のようにあれこれ買ってくるようになったのだ。
そうしてどんどん育児用品が増え続けた。
部屋の一角を占拠し始めたその山を見てなまえは溜め息をついた。
「ねぇ…どーすんのこれ」
妊娠に気付き、母子手帳を受け取った時は飛び上がらんばかりに歓喜していたなまえだったが、自分以上の夫の浮かれっぷりにはさすがに呆れ始めていた。
「まだ全然必要じゃないんだけどこれ。置き場もうないじゃないの」
「バカヤロー、準備は大事だろうが。いざって時に無いと困るだろ」
なまえの声も意に介さず、銀八はいたって真面目に答えた。
本当にこの男はヘンなところでマメだ、となまえは思った。
重いものは持つな。高い所の物を取ろうとするな。適度に運動しろ―――。
そんなお小言から始まり、直々に栄養ばっちりの食事まで用意されてしまう始末だ。
(世間から見ればメチャクチャ良い旦那なんだろうけどね)
クスリと笑い、なまえは床に落ちたオモチャを拾い上げた。
でも、ちゃんと言うときはビシっと言わないと。
そしてそれを銀八の目の前に突き付けた。
「…でも、コレはまだしまっておいて。残りのオモチャも片づけてね」
「………ハイ」
ニッコリ笑ってはいるものの、その声色に孕んだ怒気を察した銀八は今度こそ反論することなく返事をした。
いそいそと片付けを始めた銀八の後ろ姿を眺めながら、なまえはソファに腰かけお腹を撫でた。
「気が早いんだから…。でも、あなたに会えるのが楽しみなのはパパもママも一緒だよ」
お腹の子供にそう話しかけてみると、ぴくりと反応があった。
銀八に胎動を感じたと言えば、すっ飛んできてお腹を撫でまわす。
はやく会いたいね。