2年Z組銀八先生
ヒロインの名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
I will prepare and some day my chance will come.
「準備をしておこう。チャンスはいつか訪れるものだ」(リンカーン)
誰にとっての何のチャンスかって?
それはすぐにわかる。
「あぢィ~…」
「仕事してください」
「大体、クールビズって何?何がクールになってんの?ちっともクールになれてねェんだけど」
「知らないです」
「まだ朝9時だってのに、気温28度だぜ?もうパンイチになってもいくね?」
「良くないです」
「あー!暑い!!俺も夏休みほしィー!!」
1学期が終わり、銀魂高校も夏休みが始まった。
…が、当然教員にそんなものは存在しない。
生徒が登校しなくても、業務も研修もなくならないのだ。
そして近年の猛暑が今年も猛威を振るい、日中は気温30度を超える日が続いている。
なまえと銀八は暑さに耐えながら準備室で毎日業務にあたっていた。
「…そんなに暑いのが嫌なら職員室に行けばいいじゃないですか」
出勤してからずっと暑い暑いとうるさい銀八にうんざりしたなまえはそう言って窘める。
さすがに職員室には冷房がかかっているから、そこで仕事すればいいのに。
しかし、そう言っても銀八は部屋を出ようとしない。
「バカ校長がうるせーからヤダ」
いや、アンタも十分うるさいんですけど。
なまえは心からそう思ったが、口は災いの元なので声に出さないでおくことにした。
「なまえ先生は学生時代に海とか行ったの?」
「何ですかいきなり」
「夏に海でバカンス~とか大学生の特権だろ?ビキニで海泳いでさァ…はぁ~ビキニイイなぁ~」
「変な妄想されているようですけど、そんな思い出はないですよ」
「そーなの?彼氏と海行ってないの?」
「行ってませんし、…いないですよ、彼氏なんて」
「…フーン」
それきり銀八は黙ってしまった。
いっぽう、なまえはロクな思い出がないことを自分で話してしまって少し憂鬱な気分だった。
(…もう。悲しい気分になっちゃったじゃないの)
モテない悲しさにちょっと涙が滲んだ。
それから数分後。
12時のチャイムが鳴り、昼休憩に入ろうとしたとき、なまえのスマホの通知音が鳴った。
(…あっ)
メッセージの送信相手は学生時代の友人からだった。
恋人はいなくとも、こうして付き合いのある友人はいるのだ。
『来月、一緒に遊びに行かない?』
内容は遊びのお誘いだった。
夏休みは無いが、8月に入ればお盆休みくらいはある。
なかなか休みが合わなかったせいで、一緒に遊ぶ機会も減っていた。
なまえはすぐに了承の返事を送った。
(どこ行こうかな…楽しみ)
楽しい予定が入って、さっきまでの気分はどこへやら。
なまえの知らないうちに、上機嫌になっていた。
「…ふふっ」
スマホの画面を見て思わず笑っていた。
「なまえせんせーい」
「きゃっ!?」
油断していたところに名前を呼ばれ、なまえは驚いて声をあげた。
呼ばれた方を向くと、背後には銀八の顔が間近にあった。
「さ、坂田先生…ビックリさせないでくださいっ」
「わりーわりー。スマホ見て何ニヤニヤしてんのかと思ってさァ」
「ニヤニヤなんてしてません!」
驚きで噴出した汗を拭い、なまえは急いで部屋を飛び出していった。
否定はしたものの笑っていたのは事実で、それを見られたのが恥ずかしかった。
なまえが出ていったあと一人残された銀八は、なまえの無邪気な微笑みとスマホの画面を思い起こしながら準備室の扉を閉めた。
(…来月か)
声に出さずに呟くと、口端は不敵に吊り上がっていた。
「準備をしておこう。チャンスはいつか訪れるものだ」(リンカーン)
誰にとっての何のチャンスかって?
それはすぐにわかる。
「あぢィ~…」
「仕事してください」
「大体、クールビズって何?何がクールになってんの?ちっともクールになれてねェんだけど」
「知らないです」
「まだ朝9時だってのに、気温28度だぜ?もうパンイチになってもいくね?」
「良くないです」
「あー!暑い!!俺も夏休みほしィー!!」
1学期が終わり、銀魂高校も夏休みが始まった。
…が、当然教員にそんなものは存在しない。
生徒が登校しなくても、業務も研修もなくならないのだ。
そして近年の猛暑が今年も猛威を振るい、日中は気温30度を超える日が続いている。
なまえと銀八は暑さに耐えながら準備室で毎日業務にあたっていた。
「…そんなに暑いのが嫌なら職員室に行けばいいじゃないですか」
出勤してからずっと暑い暑いとうるさい銀八にうんざりしたなまえはそう言って窘める。
さすがに職員室には冷房がかかっているから、そこで仕事すればいいのに。
しかし、そう言っても銀八は部屋を出ようとしない。
「バカ校長がうるせーからヤダ」
いや、アンタも十分うるさいんですけど。
なまえは心からそう思ったが、口は災いの元なので声に出さないでおくことにした。
「なまえ先生は学生時代に海とか行ったの?」
「何ですかいきなり」
「夏に海でバカンス~とか大学生の特権だろ?ビキニで海泳いでさァ…はぁ~ビキニイイなぁ~」
「変な妄想されているようですけど、そんな思い出はないですよ」
「そーなの?彼氏と海行ってないの?」
「行ってませんし、…いないですよ、彼氏なんて」
「…フーン」
それきり銀八は黙ってしまった。
いっぽう、なまえはロクな思い出がないことを自分で話してしまって少し憂鬱な気分だった。
(…もう。悲しい気分になっちゃったじゃないの)
モテない悲しさにちょっと涙が滲んだ。
それから数分後。
12時のチャイムが鳴り、昼休憩に入ろうとしたとき、なまえのスマホの通知音が鳴った。
(…あっ)
メッセージの送信相手は学生時代の友人からだった。
恋人はいなくとも、こうして付き合いのある友人はいるのだ。
『来月、一緒に遊びに行かない?』
内容は遊びのお誘いだった。
夏休みは無いが、8月に入ればお盆休みくらいはある。
なかなか休みが合わなかったせいで、一緒に遊ぶ機会も減っていた。
なまえはすぐに了承の返事を送った。
(どこ行こうかな…楽しみ)
楽しい予定が入って、さっきまでの気分はどこへやら。
なまえの知らないうちに、上機嫌になっていた。
「…ふふっ」
スマホの画面を見て思わず笑っていた。
「なまえせんせーい」
「きゃっ!?」
油断していたところに名前を呼ばれ、なまえは驚いて声をあげた。
呼ばれた方を向くと、背後には銀八の顔が間近にあった。
「さ、坂田先生…ビックリさせないでくださいっ」
「わりーわりー。スマホ見て何ニヤニヤしてんのかと思ってさァ」
「ニヤニヤなんてしてません!」
驚きで噴出した汗を拭い、なまえは急いで部屋を飛び出していった。
否定はしたものの笑っていたのは事実で、それを見られたのが恥ずかしかった。
なまえが出ていったあと一人残された銀八は、なまえの無邪気な微笑みとスマホの画面を思い起こしながら準備室の扉を閉めた。
(…来月か)
声に出さずに呟くと、口端は不敵に吊り上がっていた。