2年Z組銀八先生
ヒロインの名前
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Without friends no one would choose to live, though he had all other goods.
友人がいなければ、誰も生きることを選ばないだろう。たとえ、他のあらゆるものが手に入っても。(アリストテレス)
これだけ賑やかなら、退屈しなさそう。
*
「みょうじ先生、おはようございまーす!」
「おはよう」
なまえの教師生活が始まって1カ月。
今のところは大きな失敗もなく、順調に過ごせるようになった。
新卒で若いからと生徒に舐められやしないかと思っていたが、2年Z組の生徒は皆なまえを慕ってくれているようだった。
今もこうして生徒が元気に声をかけてくれる。
「ねぇみょうじ先生。今度の中間テストは簡単なのにしてヨ」
そう言ってきたのはZ組の生徒の一人、神楽だった。
それを聞いてなまえもうーんと唸る。
「簡単なのはちょっと…。でも、頑張って勉強すればきっといい点とれるから!」
「見くびんじゃねーヨ。私達がどれだけ勉強できないか知ってるアルか」
「神楽ちゃんそれ自慢じゃないからね」
横からツッコミを入れたのは同じくZ組の生徒、志村新八だった。
その隣には彼の姉、志村妙の姿もある。
「姉弟なのに同じ学年ってなんでだろう」となまえは思っていたが、今ではもう気にすることもなくなった。
「おはようございます。みょうじ先生」
「おはようございます」
「はい、おはよう」
ふと時計を見ると、予鈴まで10分を切っている。
職員室に戻らなければ。
「それじゃみんな、ホームルーム始まるまでには着席していてね」
「はーい」
生徒らに見送られながらなまえはその場を後にして職員室へ向かった。
すると、背後では大きな音と誰かの悲鳴が聴こえてきた。
以前同じことがあった時、銀八に「関わるとロクなことにならない」と言われたことを思い出し、気にせず歩を進めた。
「あら嫌だわ。こんな所にゴリラの死骸が」
「近藤さんんんん!!」
…ゴリラなんてどこにいるんだろう?
―――――
職員室へ向かう途中、なまえは準備室に立ち寄った。
ガラ、と音を立ててドアを開けるとうっすらタバコの匂いが漂った。
「坂田先生、またタバコ吸われましたね!」
開口一番に校内喫煙を咎めるなまえ。
その声に反応して室内奥の椅子が揺れ、座っていた人物は見上げる形でなまえの方を向いた。
「だーって喫煙所遠いしィー。別にいいだろ、生徒が入ってくるわけじゃねーし」
そう言い返したのは、坂田銀八だった。
死んだ魚の目をさらにだらけさせ、かけている眼鏡は完全にズレている。
なまえは室内に入り、床に散らばった書類を拾い机上に乗せた。
大体、この部屋はいつも散らかり過ぎだ。
この間少し整頓したはずなのに、もう山がひとつ出来上がっている。
「…もうすぐ職員会議です」
「そーだっけ」
壁に掛かった時計を見る。
しかし銀八のほうはほとんど慌てる素振りを見せなかった。
「連絡事項は俺の代わりに聞いといて」
「またサボる気ですか?校長に怒られても知りませんからね」
銀八のこの調子になまえもだんだん慣れてきた。
最初に「よろしく~」なんて言われた時は戸惑って、思考がパニックに陥ったものだった。
生徒達からこれが銀八のユルさだと教えられて、妙に納得したけれど。
部屋を出てドアを閉める直前、ユルく笑った銀八がひらひらと手を振っていたのが見えた。
…なんか、いいように扱われている気がする。
「……はあ」
深いため息をついたなまえは気を取り直して職員室へ向かう。
本当に校長に怒られても知らないんだから。
友人がいなければ、誰も生きることを選ばないだろう。たとえ、他のあらゆるものが手に入っても。(アリストテレス)
これだけ賑やかなら、退屈しなさそう。
*
「みょうじ先生、おはようございまーす!」
「おはよう」
なまえの教師生活が始まって1カ月。
今のところは大きな失敗もなく、順調に過ごせるようになった。
新卒で若いからと生徒に舐められやしないかと思っていたが、2年Z組の生徒は皆なまえを慕ってくれているようだった。
今もこうして生徒が元気に声をかけてくれる。
「ねぇみょうじ先生。今度の中間テストは簡単なのにしてヨ」
そう言ってきたのはZ組の生徒の一人、神楽だった。
それを聞いてなまえもうーんと唸る。
「簡単なのはちょっと…。でも、頑張って勉強すればきっといい点とれるから!」
「見くびんじゃねーヨ。私達がどれだけ勉強できないか知ってるアルか」
「神楽ちゃんそれ自慢じゃないからね」
横からツッコミを入れたのは同じくZ組の生徒、志村新八だった。
その隣には彼の姉、志村妙の姿もある。
「姉弟なのに同じ学年ってなんでだろう」となまえは思っていたが、今ではもう気にすることもなくなった。
「おはようございます。みょうじ先生」
「おはようございます」
「はい、おはよう」
ふと時計を見ると、予鈴まで10分を切っている。
職員室に戻らなければ。
「それじゃみんな、ホームルーム始まるまでには着席していてね」
「はーい」
生徒らに見送られながらなまえはその場を後にして職員室へ向かった。
すると、背後では大きな音と誰かの悲鳴が聴こえてきた。
以前同じことがあった時、銀八に「関わるとロクなことにならない」と言われたことを思い出し、気にせず歩を進めた。
「あら嫌だわ。こんな所にゴリラの死骸が」
「近藤さんんんん!!」
…ゴリラなんてどこにいるんだろう?
―――――
職員室へ向かう途中、なまえは準備室に立ち寄った。
ガラ、と音を立ててドアを開けるとうっすらタバコの匂いが漂った。
「坂田先生、またタバコ吸われましたね!」
開口一番に校内喫煙を咎めるなまえ。
その声に反応して室内奥の椅子が揺れ、座っていた人物は見上げる形でなまえの方を向いた。
「だーって喫煙所遠いしィー。別にいいだろ、生徒が入ってくるわけじゃねーし」
そう言い返したのは、坂田銀八だった。
死んだ魚の目をさらにだらけさせ、かけている眼鏡は完全にズレている。
なまえは室内に入り、床に散らばった書類を拾い机上に乗せた。
大体、この部屋はいつも散らかり過ぎだ。
この間少し整頓したはずなのに、もう山がひとつ出来上がっている。
「…もうすぐ職員会議です」
「そーだっけ」
壁に掛かった時計を見る。
しかし銀八のほうはほとんど慌てる素振りを見せなかった。
「連絡事項は俺の代わりに聞いといて」
「またサボる気ですか?校長に怒られても知りませんからね」
銀八のこの調子になまえもだんだん慣れてきた。
最初に「よろしく~」なんて言われた時は戸惑って、思考がパニックに陥ったものだった。
生徒達からこれが銀八のユルさだと教えられて、妙に納得したけれど。
部屋を出てドアを閉める直前、ユルく笑った銀八がひらひらと手を振っていたのが見えた。
…なんか、いいように扱われている気がする。
「……はあ」
深いため息をついたなまえは気を取り直して職員室へ向かう。
本当に校長に怒られても知らないんだから。