坂田家の日常
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ゥウイーン…
鳴り響くハンドミキサーの音。
なまえは一心不乱にホイップクリームを泡立てていた。
銀八に抱かれた息子は真っ白なその塊に手を伸ばす。
「危ねーぞ息子。出来上がるまで大人しく待ってような」
伸ばしたその手が届かないように銀八はサっとその身を躱した。
「ぁうー…」
欲しいものが手に入らず、息子は悲しそうな声を出す。
ぶす、と尖らせた口が可愛くてなまえはクスリと笑った。
「もうすぐできるからねー。良い子で待っててね」
「待ちきれないのも仕方ねーよ。なまえの作るケーキだからな」
その糖分親子のために作っているのはホールケーキ。
特別製のそのケーキは二人のために甘さ増し増し仕様だった。
「息子、ちょっと舐めてみる?」
ようやくツノが立ってきた生クリームの少しだけ指で掬い、息子の口元に寄せる。
息子は自然に口を開き甘く仕立てられたクリームを頬張った。
初めてのクリームに感動したのか、息子は目を大きく開いて感嘆の声を上げた。
「んうー!」
「美味しい、息子?」
「ん!」
喜ぶ息子の顔に満足いったなまえは最後の仕上げにとりかかろうとした。
「あーん!ぅあー!」
「おい、息子暴れんな!」
まだ足りない、そう言いたそうに息子が暴れ出した。
小さな手足を力いっぱいバタつかせ、銀八は息子を落としそうになる。
なんとか宥めようと息子を抱き直し残ったクリームを舐めさせた。
「そんなに甘いのが好きなの?糖分王の素質あるなお前」
ご機嫌になった息子の口端についたクリームを拭ってやると、銀八は再度クリームを掬い今度は自分で頬張った。
甘さ際立つクリームの味にほっぺがとろけそうだ。
もう一回、もう一回…とどんどんボウルに手が伸びる。
すると、せっかく泡立てたクリームがどんどん減っていることに気付いたなまえは抗議の声を上げた。
「ちょっと、クリーム舐めすぎ!使う分が無くなっちゃう」
「んなコト言っても止まらねーんだから仕方ねーだろォ。ほれ息子」
「あい」
「人の話聞いてる?」
言っている間にどんどん二人してクリームをつまんでいく。
本当、糖分には目が無いんだから。
なまえは仲良くクリームを頬張る糖分親子を眺めた。
そして、こいつらに食いつくされる前にケーキを完成させなければ、と作業に戻るのだった。
鳴り響くハンドミキサーの音。
なまえは一心不乱にホイップクリームを泡立てていた。
銀八に抱かれた息子は真っ白なその塊に手を伸ばす。
「危ねーぞ息子。出来上がるまで大人しく待ってような」
伸ばしたその手が届かないように銀八はサっとその身を躱した。
「ぁうー…」
欲しいものが手に入らず、息子は悲しそうな声を出す。
ぶす、と尖らせた口が可愛くてなまえはクスリと笑った。
「もうすぐできるからねー。良い子で待っててね」
「待ちきれないのも仕方ねーよ。なまえの作るケーキだからな」
その糖分親子のために作っているのはホールケーキ。
特別製のそのケーキは二人のために甘さ増し増し仕様だった。
「息子、ちょっと舐めてみる?」
ようやくツノが立ってきた生クリームの少しだけ指で掬い、息子の口元に寄せる。
息子は自然に口を開き甘く仕立てられたクリームを頬張った。
初めてのクリームに感動したのか、息子は目を大きく開いて感嘆の声を上げた。
「んうー!」
「美味しい、息子?」
「ん!」
喜ぶ息子の顔に満足いったなまえは最後の仕上げにとりかかろうとした。
「あーん!ぅあー!」
「おい、息子暴れんな!」
まだ足りない、そう言いたそうに息子が暴れ出した。
小さな手足を力いっぱいバタつかせ、銀八は息子を落としそうになる。
なんとか宥めようと息子を抱き直し残ったクリームを舐めさせた。
「そんなに甘いのが好きなの?糖分王の素質あるなお前」
ご機嫌になった息子の口端についたクリームを拭ってやると、銀八は再度クリームを掬い今度は自分で頬張った。
甘さ際立つクリームの味にほっぺがとろけそうだ。
もう一回、もう一回…とどんどんボウルに手が伸びる。
すると、せっかく泡立てたクリームがどんどん減っていることに気付いたなまえは抗議の声を上げた。
「ちょっと、クリーム舐めすぎ!使う分が無くなっちゃう」
「んなコト言っても止まらねーんだから仕方ねーだろォ。ほれ息子」
「あい」
「人の話聞いてる?」
言っている間にどんどん二人してクリームをつまんでいく。
本当、糖分には目が無いんだから。
なまえは仲良くクリームを頬張る糖分親子を眺めた。
そして、こいつらに食いつくされる前にケーキを完成させなければ、と作業に戻るのだった。